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オフィス移転で考えた会社規模と組織の話

会社としてどれくらいの規模を目指していくのか。

経営目標の話題になると、よく企業として目指す規模感の話が出てきます。僕はこれまで目指す規模感=売上高として捉えてきました。創業からずっと少数精鋭で経営を続けてきて、会社が少しずつ成長するにつれて業務量が増える→既存スタッフではまかないきれなくなったり、新たに取り組むべき仕事が生まれる→必要に応じて適材適所で人を増やす、という感じで採用活動を行ってきたので「会社としてこれくらいの人数まで増やしていきたい」と考えたことはありませんでした。

ただ、そろそろオフィスが手狭になってきたこともあり、来期に向けて移転を検討することになりました。そこで悩んだのが「場所はもちろん、どれくらいの広さのオフィスに移転すべきか」。つまり「中期的にどれくらいの人数の組織を目指していくのか」でした。

結論から言えば(まだ確定ではありませんが)来年移転予定の新事務所は現在の広さの約2倍程度の95坪で、おそらく30人~程度は収容できる大きさになる予定です。

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コロナ禍を超えて
オフィスに何を求めるか

オフィスを増床したのが約3年前。当時7名体制だった会社も少しずつ人員が増えて、現在では13名になりオフィスの広さ的にもメンバー増員が難しくなってきました。それなりに費用をかけて改修&増床したばかりで設備も綺麗でもったいないのですが、会社の成長スピードが当初予定よりも早かったのは嬉しい誤算だったと言えます。

エントランスの商談スペース
大きめの会議室は来客はもちろん社内共有会でも使用
個別デスクとは別に作業に集中できる執務スペースも完備


とはいえ、コロナ禍を契機にリモートワークが浸透したこともあり、働く場所としてのオフィスの価値や在り方が見直されている昨今。単純に人が増えたから広い場所に移転する、といった考え方ではなく「オフィスに何を求めるか」から改めて検討を進める必要があると思っていました。

オフィス賃料は固定費のなかでも大きなウェイトを占めるものなので、数字だけで考えるならば安いに越したことはありません。ただ、その賃料を経費と取るか投資と取るかで、考え方は大きく違ってきます。僕の場合は圧倒的に「投資」寄りの考え方。

リモート業務と親和性の高いITサービスやエンジニアリングとは違って、僕らのような不動産業、特に営業職はまだまだ属人的な商売ですし、不動産は扱う金額が大きいからこそ信頼がなにより重要です。もちろん、工夫をすればリモートでも業務をある程度上手く回せるかもしれませんが、画面越しや電話だけで最終的な契約決済が下りることはまずありません。実際、お客様にご来社いただく機会も多く、面と向かっての直接の対話や、そこで生まれる空気感を大切にしたいと僕自身も常々考えています。

また「不動産を扱う会社だからこそ、自社のオフィス=不動産会社としての考えを表現する場所でもある」とも思っています。古い考え方かもしれませんが、オフィスの立地・大きさ・設えなどが対外的な信用力を上げる要素として機能しているんです。

その点を踏まえて、新しいオフィスの場所をどこにするかに関しては、社内でも色々と意見を出し合いました。今村不動産の既存スタッフは大阪・北摂地域に住んでいる人が多く、当初は自宅からのアクセスの良さや出張の際の利便性から、新大阪エリアを候補にする話も出ていました。そこで新大阪のオフィス物件を色々と調べたのですが、オフィス物件は多い反面、新しい建物が少ないこと、大阪市内からのお客様のアクセスを考えると不便な点もあり候補から除外しました。

最終的には『中之島フェスティバルタワー』を最有力候補として移転の計画を進めることになりました。大阪市のランドマークのひとつでもある「フェスティバルホール」の中上層階のオフィス区画です。

僕自身は観劇などの趣味がなく、実は恥ずかしながらフェスティバルホール自体にも初めて足を踏み入れたのですが、インパクトもあり、アクセスも良く、大手企業も数多く入居されています。賃料は現在のビルと比較してもぐんと上がりますが、移転を機にさらなる組織の規模拡大に向けて身が引き締まる思いで取り組んでいけると感じました。

中之島フェスティバルタワー

設計や内装に関してはこれから詰めていくところですが、生産性や効率はもちろん、組織内でのコミュニケーションやアイデア創造を活発に行えるような場所、集う価値があるオフィスを目指していきたいと思っています。

対外的な意味だけでなく、既存スタッフのモチベーション向上や今後の新規採用に向けた付加価値としても、今回のオフィス移転を契機にしたいと考えています。

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オフィスの規模をものさしに
今後の組織人数を考える

ここで冒頭の話に戻るのですが、移転に際して再考したのが「将来的にどんな規模感=人数の会社を目指すか」。

現在のオフィスが手狭になったことは移転理由のひとつでしたが、移転先のオフィスの広さを考えることは、いま一度事業計画をもとに将来の組織体系について考えるきっかけにもなりました。前回のnoteにも書きましたが、第10期の売上目標は60億。この数値は現在の人員数でも達成可能だと見込んでいます。

そして、今期を含む3ヵ年計画として立てているのが、第11期で売上80億、第12期で売上100億という数字。この数字の実現には人員の増強は不可欠です。今回の移転先のオフィスの大きさに即した人員、つまり30人をひとまずの組織規模目標として、改めて組織体制について思いを巡らせました。

指針として変わらなかったのは、数字のみを追い求めないこと。

単純に営業職をどんどん採用して売上をガンガン上げていこうというのではなく、30名体制で組織として機能する体系を整えながら、売上目標を達成していきたいと考えています。

少しずつ人数が増えてきた今村不動産ですが、理想として描いている組織図を埋めるにはいたっておらず、まだ1人が2役も3役をこなしている状況です。現在の組織規模では営業職が作ってきた収益をどう分配するかを体系化できていれば問題ありませんが、今後30名程度の組織として組織運営していくにあたっては、いまよりも明確に業務内容に応じた部門分けを行い、部門ごとに予算分配や評価を実施するなど、より内部の仕組み整備やマネジメントを強化する必要が出てきます。そうなると、役員と各部門を繋ぐマネジメント経験豊富な人材が必要になってきますし、セクションを管理するためのツールや仕組みも必要になってきます。

現段階で明確な戦略はまだありませんが、来年のオフィス移転を契機に、このあたりの組織作りについても本腰を入れて取り組んでいきたいと改めて思いました。

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ただ儲けたいのではなく
新しい景色を見るために

僕らもオフィスにお金をかけられるようになったんだな~と感慨深かった3年前と比べて、今回のオフィス移転計画はさらに将来の組織についてより真剣に考え、整備していく契機になりそうです。

高い目標もなく手探りで始めた会社が少しずつ軌道に乗って、売上100億円を目指せる会社になるとは10年前の創業時は思ってもいませんでした。けれど「企業として成長していこう」と心に決めた時から、少しずつですが理想の組織に近づけてるような気がします。

ただ、最近は売上目標の達成はもちろんですが、その規模になった時にどんな会社になっていんるだろう?組織としてどう成長できているんだろう?という方に、僕自信は興味は移りつつあります。

フリーランスや副業が取り沙汰される昨今ですが、1人でできなくても、会社だから出来る、チームとして力を合わせることで実現できることはたくさんあります。

「関わりのあるすべての人々を幸せにする。」

会社として掲げるビジョンの実現に向けて、ともに働く仲間や協力会社様、そしてこれから出会う方々とともに、地域や社会に貢献できる会社を目指して歩んでいくために。来年のオフィス移転に向けてもブレずに今村不動産らしく、組織に真剣に向き合いながら経営を続けていきたいと思います。

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