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通勤読書「SFプロトタイピング:SFからイノベーションを生み出す新戦略」


SFプロトタイピング: SFからイノベーションを生み出す新戦略

毎度思うけど、"ビジネス"に関わる本のタイトルって長いよな
長ければ長いほど胡散臭い
でもこの本はラジオで少し話を聞いていたので読んでみたんです


「SF小説を作ってみて、未来を俯瞰する方法があるぞ」という話
対談と考察が3セット入っていて読みやすかった
浮世離れした手法でリアルを考えてみようという態度は面白い

培養肉を作ってるオタクだという人のコメントが良くて
「SFだ未来だというけど、その中の“日常系”を話したい」という気持ち
この話で一気にSFが地に足ついた様に感じたし
自分はそういうのが好きなんだなと認識できた

鉄腕アトムに出てくるヒゲオヤジの家が畳敷き…とか
そんな感じ


SFプロトタイピング以前の話として
以前に比べて新しいコンセプトを考えるのが難しくなったんだと思う
商品は溢れてるし、嗜好はセグメント化したし
暮らしから出てくるニーズが小さくなって共感しにくいのかもしれない

つまりニーズを元に商品を考えても共感してくれる人が少ない
コレだと商品化する前に企画段階で死んでしまう
じゃあ「インスタ映えするんですよ」とか金持ってる年寄りを騙す?
単に縮小再生産だし、金持ってる年寄りはバカじゃないんじゃよ


そこで「未来のXX」を考えてみて
まつわる課題を見つけたり、素敵さを認識したりと
今の自分に戻していく(バックキャスト)

商品やサービスって少なからず未来に関わってるよね?
未来を考えると技術が入ってくるよね?
具体的な商品をこの技術部分だとすると、
キッカケになるストーリーがSFだとちょうど良くない?
…的なアイデアの出し方
日銭を稼ぐための作戦ではない
だから面白い

実際に商品を作るのではなく、その前の段階だからアウトプットはSF小説
その小説は社内で共有できていれば良いので売れる必要もない
一緒に未来を考える人達が共感しやすくなって、
曖昧な未来を具体的に感じる為の道具として使うのが主だろう
余裕をもって気楽に使いましょうって感じか


省庁や大企業、スタートアップの取り組み例がいくつか書いてあった
余裕のある組織は「新しそうな取り組みをやってみました」だけで
"仕事"の実績にするだろうし
ちゃんとやる率は低いだろうけど、キッカケは多そうだ
だけど、参加者がどれだけ本気で取り組むか?は怪しい

まだ何者でもないスタートアップは最初からやってそうだし
本気度は高いだろう
でもスタートアップは人数が少ない
SFプロトタイピングは「いつものメンツ」だとうまく回らない気がする
この本で紹介している様に外部からプロトタイパーを呼んで
会議体をかき回す必要がありそう

町工場やITの様な古参の中小企業で動きだすと本当に面白い状態になりそう
案外年齢層も性別も嗜好もバラバラだったりするかも

まずは飲みに行ってこういう話をすれば良い?

でも会社で飲みに行くコトって減ってるよね?
クライアントワークが忙しくて時間取れない?
声の大きい人がプロトタイピングを壊しちゃいそう?

マインドセットを変えるトコロからスタートすんのかよ
余裕がないって嫌だなー

道は長い

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