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IMADEYAのお客様と我々にとって、冬の訪れを感じさせてくれる「季節のお酒」の風物詩、オリジナル・ボジョレー・ヌーヴォー・キュベAZUSAの話

皆様ご存じの通り、IMADEYAは酒屋なのでお酒を売るのが仕事。

その仕事を通しお客様にどんな幸せをお届けするか、チームIMADEYAのスタッフは毎日毎日真剣に考えいろいろなアクションを起こしている。
その取り組みの中でも、
この「オリジナル・ボジョレー・ヌーヴォー プロジェクト」は、
2006年から始まりなんと今年で16回目、とても大切な商材に育った。

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継続は力なり。
我々はこのプロジェクトからたくさんのことを学ばせて貰った。


■始まりは話題作り「だって商売ですもの」

今のお若い方はバブル時代のボジョレー・ヌーヴォーフィーバーをご存じないと思うので、少しだけ…。
1970年代後半から90年にかけて、日本のワイン市場の大きな山となった。
フランス、ボジョレー地方のヌーヴォー(新酒)は毎年11月の第三木曜日に解禁となる。
ご存知の通り、日付変更線により日本がその時を現地のフランスより早く迎える。(よくよく考えたら、生産地で先ずは解禁するべきなような…)
兎も角にも先進国で最初にその日を迎える。日本人が大好きな初物、一番…
などなど売れそうなネタが満載で、見事に日本のワイン業界に根付いた。

だが商業ベースに走り過ぎ、本来の農作物であるワイン自体へのリスペクトが後回しになっている面も否めなかったため、「ボジョレー・ヌーヴォーはうすい。美味しくない!」などの印象を持たれているワイン好きの方も少なくはない。

だけど業界的には大きなビジネスの山場。これを逃す手はない。
我々も商売なので!
だからこそ、それを美味しく、面白く!

その中で考えたのは以下の3つのポイント。

① 何はともあれワインとしての美味しさ
 → ブドウ栽培から醸造までを一人で行う職人の生産者からの取引
② IMADEYAだけのオリジナル
 → IMADEYAのテーストに合わせたアッサンブラージュ(ブレンド)を自ら行う
③ ワインビジネスの楽しさ
 → このビジネスにより毎年フランス出張が出来る!!

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最初はこのような動機(一部動機不純)でスタートした。
私自身のアッサンブラージュ(ブレンド)なので、キュベAZUSAなどと自分の名前を付けさせて貰ったりと、一部の昔からのお客様には「かっ、買わないと…(ブルブル~的な)」と、踏み絵のような要素もある様な無い様な…

このアッサンブラージュとはどのような作業なのか。
ワインの味わいは、原料となるブドウの畑の場所で全然違うものになる。
畑の区画の特徴で、果実の甘さや酸味の在り方がそれぞれ異なって、
そうした要因がワインの味わいを構成して行く。

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それがワインの面白さなのだ。従ってこのブレンドの工程はとても大事。
この興味本位で始めたアッサンブラージュだが、最初はものすごく難しかった。
無限にある組み合わせに味が決まらず悩み過ぎてしまって、丸2日間ワイナリーのセラーに籠った事もあった。ボジョレー村の散策を楽しむはずだったのに…

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そして、そのワインが瓶詰めされ空輸され、それを日本で飲むまでのドキドキ感。IMADEYAを代表する味になるのだから責任重大。
そんな風に、結果馬鹿正直に取り組みはじめたこのワインプロジェクト

それが今や、IMADEYAのお客様と我々にとって、無くてはならい「季節のお酒」、「オリジナル・ボジョレー・ヌーヴォー キュベAZUSA」に育って行った。

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■「ワインは農作物」を教えてくれた

このプロジェクトをスタートして3年目位だっただろうか。
解禁日に千葉本店の売り場近くで様子を伺っていたら、「おととしのAZUSAは○○だった」「去年は△△な感じだったし、今年のAZUSAはどんなかなー?楽しみだなー」と、お客様の会話が聞こえて来た。
一瞬「えっ?私…!?」と、自分の事を言われている気がしたが、笑、すぐにワインの事と認識し、お客様がこのプロジェクトを楽しんでくれていて、逆に私にその意義を腹落ちさせてくれたのだった。

嬉しかった

ビジネスチャンスを生かし、でも本質を真剣に考え、自分も楽しく、そうした結果、本来の意味合いをきちんと表す大切なプロジェクトと育って行く事となったのだった。

農作物であるワインなどは毎年気候条件で味が変わる。
酒屋で整然と並ぶボトルだけを見ていると、なかなかそうした事をダイレクトに感じ、嗜んでいる人は実はそう多くはない。(ありがたいことにIMADEYAのお客様は圧倒的にわかって下さっている層が多いですが!)
よっぽど好きなワインでなければ、毎年の作柄をしっかり追って行くのは難しい。
だが、このボジョレー・ヌーヴォーの分かりやすい事!
しかも前述したように、職人肌のブドウ農家さんのワインである。

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解禁日に合わせる為にぶどうの収穫を早めたりなどは決してしないため、
毎年ギリギリの入荷となりIMADEYAの営業部隊はハラハラドキドキ。
今年2021年は天候に恵まれなかったため、ブドウの熟度を上げる為収穫時期を遅らせた。
なので、今年こそ解禁日に間に合わないかもしれない。
(これは本当の事で、ご迷惑をお掛けしたら大変申し訳ございません。)

でも、だからこそ、毎年本当に美味しい!
1年をかけて造り上げたブドウとその年の気候風土が織りなす、深いワインの味わいが楽しめる。
そしてもう一つ、そんなワインだから、ヌーヴォー(新酒)なのに、熟成も楽しめるのだ!
何とお得なボジョレー・ヌーヴォーだろうか!!

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■16回目のアッサンブラージュ(ブレンド)に心から感動

2020年と今年(2021)はコロナ禍で現地フランスへは行けなかった。
だが、畑の区画ごとのサンプルを瓶に詰めて送って貰い、日本でアッサンブラージュを行った。
その年の造り手のご苦労をしっかり感じられる液体にグッと来てしまった。
IMADEYAのワインのテーマである、「お箸の国のワイン」に相応しく、涼やかな酸を軸に柔らかく瑞々しい果実を肉付けして行く。
そんなイメージでアッサンブラージュを行った。

10月23日の事だった。
ちょうど「ボジョレー・ヌーヴォー2021 日本に到着第一便!」の報道があった日だった。

2021年の解禁日は、11月の第三木曜日である11月18日。
皆さんが2021年の実りを慈しむ、素敵な食卓を迎えられると嬉しく思う。

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