蔵に住む、見えない酵母たちから生まれた天真爛漫なお酒【GUITO】
いまでやオリジナル日本酒頒布会「GUITO(グイット)」。第五弾のご紹介は、福島県会津若松市にある「宮泉醸造」です。
見えないけど、いる…?
ちょっとホラーな題名から始まった今回のGUITO。
暑い夏に怪談は欠かせませんよね!なんて冗談はさておき…。
日本酒蔵には、空気中や蔵の床、壁などに住みついている酵母がいます。
目には見えませんが、それぞれの蔵で違う酵母がおり、その蔵特有の酵母を「蔵付き酵母」や「家付き酵母」といいます。
同じ蔵で造られた日本酒に共通した味わいを感じることがありますよね?
それも、この蔵付き酵母が関係していることがあるのです!
今回は、蔵付き酵母を使用し、酵母無添加の生もと造り(=乳酸無添加)を、蔵のチャレンジ酒として取り組んでいる蔵元『宮泉銘醸』をご紹介いたします。
宮泉銘醸に住み着いているのは?
福島県会津若松市東栄町にて、1955年から日本酒造りを続けている宮泉銘醸。
夏は暑く、冬は厳しい寒さとなる会津盆地は、米造り・酒造りに最も適した気候です。
代表銘柄は、日本酒好きならよく聞く「寫楽(しゃらく)」。
そして、チャレンジ酒としての位置付けでもある「會津宮泉(あいづみやいずみ)」を醸しています。
「寫楽」や「會津宮泉」を飲んだ時に感じる「お酒の甘みを切っていくキレイな酸」は、宮泉銘醸の蔵付き野生酵母達によるの働きが造り出したもの。
このような野生酵母がいるのは珍しく、とてもラッキーなことだそう。
まるで、幸運をもたらす座敷わらしのようですね!
(酵母も生き物です。3年程前のデータなので、今はまた違うかも?とのこと。)
今回の造りの特徴は?
GUITOにお申し込みいただいた皆様にお届けする第9弾のお酒は、
「會津宮泉 酵母無添加 純米生もと」。
宮泉銘醸の蔵付き酵母を活かした、酵母無添加の生もと造りによる純米酒です。
実は、過去にも同じ造りのお酒を地元福島県内のみで限定発売していました。
県外からも問い合わせが来るような注目度の高いお酒でしたが、なぜ今まで県外で発売されなかったのか。
それは、このお酒・・・蔵元泣かせの非常に天神爛漫な子なのです・・・。
酵母を添加して造るお酒は、ある程度の出来上がりの想像ができますが、無添加だといつ発酵するのか、出来上がりの酒質もわかりません。
実際、過去の醸造でも、出来上がったお酒の香り・味わいがバラバラだそうです。
まさに、この造りの面白さはここにあります!
気になる味わいは?
過去の造りは400キロ仕込みでしたが、初の800キロ仕込みにトライ!
初めて倍量で仕込んだことにより、アルコールや酸の出方、酒度のキレ方など、データを取りつつ、気合を入れて山卸(やまおろし)を行ったので「酸は高め」の仕上がりになっているそう。
こうして出来上がった今回のお酒には、今までに無い独特の酸味が!
米の旨味・甘味とのバランスも良く、まるで柑橘系の香り豊かな白ワインのよう。
キレもよく、今までとはひと味もふた味も違うお酒になっています!
「この頒布会以外では全国的に出荷するということも現段階では考えていない」と蔵元が語る、どんなお酒が出来上がるかわからない、まるで玉出箱のようなドキドキ・ワクワクなお酒です。
ぜひ、お楽しみください!
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