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試合に出れない選手の価値

スポーツの現場にいるとしばしば

「試合に出れない選手の価値」

の大きさに直面する時がある。

スポーツの世界では
「レギュラーと補欠」
「メンバーとメンバー外」
「AチームとBチーム」

というように、
「試合に出れる選手」と「試合に出れらない選手」
に分かれてしまうことが多い。

チーム状況にもよるが、試合に出れる選手よりも試合に出れない選手の方が多い場合も結構ある。

つまり、試合に出れない選手の方がチームの割合として多いということ。

そうした選手がどう自分の現状や立場と向き合い、振る舞うか。

これは良くも悪くも、チームにとって大きな力となる。

例えば、よく学生スポーツなどで用いられる
「試合に出れない人の分まで」
というフレーズ。

この、「誰かのために」というエネルギーは大きな力を生み出してくれる。

仮に試合に出れないメンバーがレギュラーになれないからといって、練習に真剣に取り組ます、チームの規律や雰囲気を壊してしまうような振る舞いをすれば、この
「試合に出れない人の分まで」
というエネルギーを発揮できないどころか、練習の質が下がり、チームとしてのパフォーマンスの低下に直結する。

試合に出れなくても、チームの為に、自分の為にハードワークする、自分が試合に出る、成長し続けるんだという、決して諦めないという姿勢や行動があってはじめて、試合に出るメンバーは
「試合に出ることができない人の分まで」
という気持ちが湧いてくる。

つまり、試合に出ない選手が「本気」じゃないといけないということ。

そういう選手は、たとえ試合に出ることがなくても、チームの戦力として貴重な存在。

長くチームに必要とされる選手になる。

昔、ある選手を構想外にするかどうかという話をした事があった。

その選手はシーズン通して公式戦にはほとんど出ておらず、年齢的にもベテランの域にかかってきていた。

いわゆる、構想外になりやすい選手。

でも、その選手はチームの誰よりも声を出して練習に臨んでいた。

Aチームになりたいという気持ちをプレーでも態度でも見せていた。

また、少し気持ちの入っていないプレーをするAチームの選手に対して、気合を入れるような声かけ、指摘を行い、また、同じBチームの選手を鼓舞して、Aチームにプレッシャーをかけていた。

そのおかげで、とてもいい雰囲気で練習が行えて、チームとしてより成長できていた。

だから、僕はその選手を構想外にするかどうかを問われた時に
「僕の立場からすると、チームに絶対必要な戦力だと思います」
と答えた。

もちろん、チームとしてこれから試合で活躍する事があまり望めない選手を置いておくことはできないかもしれない。
でも、選手の価値はそれだけじゃないし、チームの力も試合に出ている選手だけの力ではない。

試合に出ていない選手がいかにチームにとって価値のある存在になれるか。

そういう選手が何人いるかというのはとても大切な要素。

試合に出れないからといって、チームにとって価値が低いわけではない。

むしろ、そういう選手が多い方がチームは強くなる。

試合に出れない選手の方が多いのなら、なおさらチームにとって試合に出ることができない選手の価値は高い。

どんな状況でも、どんな立場でも、チームにとって必要なことをしてくれる。

試合に出ていない選手の価値は見えにくいけど、絶対に見なければいけない。

もちろん、みんな試合に出たい。
試合に出てナンボ。

いくら、そういう働きが評価されても満足することはないと思う。

でも、コーチとして、そういう力をきっちり評価してあげる、感謝することはとても大切な事だと思う。

今日、そんな事を考えながらグランドで練習を眺めていた。

「試合に出ることができない選手の価値」

皆さんはどう考えますか??

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