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「受け継ぐ人」であろうと思う。

NTLフェスティバルに参加して

2019年10月20日、一般社団法人日本体験学習研究所(JIEL)の津村俊充先生(つんつん)と南山大学人間関係研究センターの中村和彦先生(カズさん)のお二人が中心になって開催された、日本初のNTLフェスティバルに参加しました。

NTLフェスティバルのキーワードは、下記になるでしょう。
☆ NTL、Tグループ、組織開発(OD)、人材育成、OD実践者、時代と変革…

当日は、一口にOD実践者と言っても、多様な人達が集まりました。
☆ 研究者、組織内で活動する人、組織の外から活動を支援する人、ODを学んでいる人、ODに興味・関心がある人

プログラムは、基本的に「お話を聞く→近くの人と対話する」と、言うものでした。 私は、「身体や手を動かすワーク→プロセスを振り返る」を期待していたので、その点では「あ、間違えちゃった( ゚Д゚)」と言う、恥ずかしい気持ちがありました。 もちろん、NTLフェスの内容はとても濃く、誠実で、最新情報や海外の情報を得ることができ、対話も豊かで、一日を楽しく過ごすことができました。

つんつんとカズさんの競演、そこに中京大学の永石信先生(まことさん)も参戦!と言うだけでも、マニア垂涎ものですが、今回はアメリカからNTL代表理事の Janie Payne さんが来日の上、フェスに参加してくださいました。 Jainie の存在を感じながらフェスの場に居たたことで、うまく言葉にはできませんが、私は「外部から組織を支援する姿勢」について、考えることができたように思います。

NTLフェスティバル-多様なOD実践者との対話

NTLフェスティバルには、先にも書きましたが、多様なOD実践者の参加がありました。 特徴としては、「Tグループに参加したことがある」人が、とても多かったことです。 でも、全員がTグループ経験者ではありません。

つんつんやカズさんは、もう何十年もアカデミックの領域から、ODに関わっていらっしゃいます。 参加者の中には、OD実践者として10年以上の経験をお持ちの方もあれば、今年に入ってから学び始めた方もありました。 私も、企業内部での組織変革の実践は長いですが、Tグループ参加は2015年、ODNJ入会は昨年の新参者なので、OD実践者の集まりと言うことでいささか落ち着かなさを感じていました。

そんな中、NTLフェスでは、研究者、内部実践者、ODコンサルタント、チームコーチ、経営コンサルタント、社労士、キャリアコンサルタント、カウンセラー、大学教員、教師、南山大学(南山短大)卒業生 等々… 本当に、様々な立場の方とお会いし、多様なお話をすることができました。

立場や経験が違えば、同じビデオメッセージを見ても、人ぞれぞれ対話の場で「話したい」と思うことが違います。 また、場にでてきた言葉に対して、人によりイメージする映像や、心に浮かぶ思いが異なります。 NTLフェスに参加する仲間でありつつ、様々な「違い」を感じる場でもありました。

そして、大きなポイントはここで、この「違い」を感じた時に、その思いを放置せず、丁寧に、或いは大切に「疑問」や「反対意見」を取り扱うことで、対話はより深まるんだ、と言う体験をしました。

Janie が居て、つんつんとカズさん、まことさん、通訳の東さんさんも一緒にその場に居てくださったからかな、彼らのプレゼンスが場に大きな影響を与えたのかな、と私は感じました(何気に、東さんの存在は大きかった)。

受け取ったメッセージは、「受け継ぐ人であろう」

Janie を始めとするNTLメンバーの皆さん、つんつん、カズさん、まことさんから、それぞれの思いがこもった話をお聞きして、NTLフェス全体から私が受け取った大きなメッセージは、「受け継ぐ人であろう」と言うことです。

K. レヴィンや R. リピッド、その他のNTL創設メンバーから現在のメンバーに至るまで、「違いを受け容れよう」や「違いを大切に取り扱おう」、「それぞれが違うからこそおもしろい」…そんなことを大切にされていると理解しました。

K. レヴィンが、立場や経験の違いから生じる違いを、「おもしろい(興味深い)」と思ったこと、R. リピッドが自らの時間と場を提供して、様々な困りごとを抱えるOD実践者を育てようとしたこと、その精神を受け継ぐ人であろう。 そうありたい。 NTLフェスに参加して、私はそんな風に思いました。

国重浩一さんからの一言

実は、「受け継ぐ人であろう」と思えたことには、もう一つの要因があります。 ナラティヴ実践協働研究センターのオープンNPACC(説明会)で、横山克貴さんと白坂葉子さん、国重浩一さんとオンラインでお話をしていた時に、詳細は省きますが、「それは、(来談者中心療法:PCAを創った)ロジャーズに失礼だろう」と言う話が出ました。 そこから「ロジャーズが大切にしていたことを、受け継いでいくことが大事なのではないか」と言う内容の話になり、私は本当にその通りだ、と納得しました。

ナラティヴも同じで、手法を学ぶことよりも、マイケル・ホワイトの世界観に浸り、ナラティヴの哲学を共有することが大切なんだと、思います。
PCA を単なる手段としないこと、ODでも様々な手法に走らないこと、Spirit of Inquiry を大切にすること。 それを忘れずにいようと思いました。
こうさんとお話をすると、頭にかかった霧が、すーっと晴れていくようで、本当に気持ちがよいです。 ナラティヴ・セラピーは体験の価値ありです。

長くなりました。 もし、NTL や Tグループに興味・関心があれば、南山大学人間関係研究センターまたは日本体験学習研究所へ、アクセスしてみてください!

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