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アプリシエイティブ・リーダーシップを学ぶ

2019年3月15日(金)~17日(日)にかけて、「第3回AIアプローチ アドバンス講座」に参加してきました。 副題は、「アプリシエイティブ・リーダーシップを学ぶ」です。

主催は日本体験学習研究所(JIEL)、講師は代表の津村先生と南山大学の大塚先生でした。 非常に特徴的だったこととして、AIアプローチに加えて「ナラティブ・アプローチ」についても、理論と実践を通じて学んだことです。

ところで、べたなネタで恐縮ですが、「AI」と言うと「Artificial Intelligence(人工知能)」を思い浮かべることが普通ですが、組織開発では「Appreciative Inquiry」を指します。 組織開発のAIは日本語訳をつけず、カタカナで「アプリシエイティブ・インクワイアリ―」と表記します。

AIアプローチは、「ポジティブアプローチ」の一つで、「強み・可能性を生かすことに着目」します。 一人ひとりの真価・組織の真価を発見し、最高の状態を想像し、「どうあるべきか?」について対話します。 そして、「どうあるべきか?」に近づくための行動を起こしていきます。

(対比される概念として「ギャップアプローチ」があり、こちらは「(問題に対し)欠点を埋めることに着目」します。いわゆる問題解決アプローチで、「問題には原因がある」と考え、問題を同定し、原因を分析し、解決策を検討します。 アクションは、問題への対応策を実行していくことです)

では、アプリシエイティブ・リーダーシップとはなんでしょうか?
D. Whitney らによる「なぜ、あのリーダーの職場は明るいのか?」には、下記のように定義されています。

「アプリシエイティブ・リーダーシップ(価値探求型リーダーシップ)は、人と人との関わり合いから生まれる力であり、潜在的な想像力を目覚めさせ、ポジティブなパワーに変える。 すなわち、自信や活力、情熱や行動のあり方にポジティブなさざ波を引き起こし、より良い方向をめざした現実の変化を生み出す」

同書には、「ポジティブな潜在力を探すための8つの視点」として、下記が紹介されています。

<ポジティブな潜在力を探すための8つの視点>
1 強み
2 成功事例
3 シニカルな意見(そこには、実現を待ち望む夢が秘められている)
4 大きな感情の流れ (承認→感情解放→新しいアイデア)
5 とがったアイデア
6 関係性(新しい関係性は可能性を切り拓く)
7 反対意見(統一とは、違ったままで調和がとれている状態)
8 目先の変わったこと(真新しい何かが学びの機会を提供する)

上記8つの視点には、いかにもポジティブな項目もあれば、一見するとネガティブにも思える項目もあり、私の場合は特に「3」と「7」については実践が難しいと感じました。

講師である津村先生が、「『アプリシエイティブ・リーダーになりなさい』と言われたら、受講者は苦しいかもしれないが、『アプリシエイティブ・リーダーシップについて学び、身に着けよう』は、気楽に受講できると思いませんか」と、笑顔で語られたとき、私もほっこりと温かく、前向きな気持ちになりました。

また、受講者の間では「『ポジティブなさざ波を引き起こす』にホッとする。 大きな働きかけではなく、小さな波を起こすことはできそうだ」と言う意見が交わされました。 もちろん、私も「さざ波」にホッとする一人です。

アプリシエイティブ・リーダーシップの定義にある「人と人との関わり合いから生まれる力」について、今回の講座では「ナラティブ・アプローチ」の考え方や手法を使った試みがあり、印象に強く残っています。 

<ナラティブ・アプローチとは>
ナラティブ(語り・物語)と言う形式を手掛かりにして、何らかの現実に接近していく方法(野口 2009)

本質主義・・・ナラティブの中に何らかの本質が隠されていると考える
      → いかにして真実を聴きとるか
構成主義・・・ナラティブが何らかの現実を構成すると考える
      → いかにして新しいナラティブを生み出せるか

いろいろ難しく感じますが、極めて簡単に言ってしまえば「私たちが何気なくかわしている会話が、私たちの現実を作っている」と言うことです。
 「何をやってもうまくいかない」 → うまくいかない職場・家庭…
 「幸せを感じながら暮らしている」 → 小さな幸せに満ちた生活♪
そんな感じでしょうか。

日々起きている物事に無意識的な意味付けをせず、ありのままに捉え、明るくて楽しい未来を創っていくイメージを持っていると、言い換えれば意図的にアプリシエイティブなナラティブを生み出すことで、私の周りは安全・安心な場になりそうだと思いました。下図参照(一日目の夜に描いたもの)。

アプリシエイティブ・リーダーは、そんなナラティブが自然に生まれてくる組織をつくっていくリーダーなんだな、私たちの身の周りに「幸せ」を増やしていくリーダーなんだな、というのが、今回の講座での私の結論です。

そして、様々なワークを通じて、アプリシエイティブ・リーダーシップの探求は続きました。 結果として、アプリシエイティブ・リーダーシップを発揮する際、私に活気や強みを与える源(ポジティブコア)についても、一つの結論を得ることができました。

私のポジティブ・コアは、「好奇心」のようです。
下図参照(二日目の夜に描いたもの)。

キーワードは「理(ことわり)」と「今ここ」の探求。 それらが太極図になっている感じです。 なかなかの出来映えだ!と自画自賛する私です。
ありのままに物事を見ること・違和感をつかむこと、そのためには平穏で静かな心持ちであること、私は自らがアプリシエイティブ・リーダーであるために、その二つを心掛けようと思います。

アプリシエイティブ・リーダーシップと言う考え方がとても気に入ったので、私は講座の最後に「日本国中 アプリシエイティブ・リーダーシップのさざ波的ひろまり」計画を立てました!
ひとまず今回の講座での学んだことを、いくつかの記事にまとめてみます。
その上で、私の身の周りの方に「アプリシエイティブ・リーダーシップ」を伝えていく活動をしていこうと思います(^^)/

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