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【英語のレシピ 4】品詞の下ごしらえ

レシピカード4

『品詞』が難しく感じられる理由

 英語を学ぶ際に、『品詞』という文法用語に息苦しさを感じたことのある人は多いのではないでしょうか。

 馴染みのない言葉が難しいものに思えてしまう。これは、何を学ぶ場合であっても、最初は誰にでも起こることです。

 そこで今回の「英語のレシピ」では、『品詞』という言葉の意味に注目した理解づくりをしていきたいと思います。

それでは、Let's cook! (料理しちゃいましょう!)

『品詞』、それは『言葉の部品』

 ほとんどの英語の参考書には、『品詞』という見出しの隣りに『Part of Speech(パート・オブ・スピーチ)』と書かれています。実は、この英語名に『品詞』を理解するための鍵が隠れています。

 『Part of Speech』の『Part』は、日本語の『パーツ(用例:自動車のパーツ)』、すなわち『部品』を意味します。そして『Speech』は、よく用いられる『演説』という意味ではなく、ここでは『言葉』という意味を表しています。つまり、日本語で『品詞』と呼ばれているものは、英語では『言葉の部品』という意味なのです。

 例えば、ロボットのプラモデルで『部品』といえば、『頭』や『胴体』、あるいは『左腕』や『右足』などを指します。それぞれの部品には役割があり、その役割に従って組み立てないとプラモデルは完成しません。

 これと同じことが、英語の『部品』である『品詞』についても当てはまります。つまり、『品詞』の役割を理解していた方が、英語を楽に使いこなすことができるのです。

 ちなみに、『品』という漢字には『種類』という意味があります。例えば、「Aランチには5品含まれている」と言った場合、それは「Aランチには5種類の料理が含まれている」ということです。

 つまり、英語の『品詞』を学ぶことは、英語を作り上げている『部品』とその『種類』を学ぶことなのです。

 また、英語と『品詞』の関係は、料理と材料の関係に見立てることもできます。材料の種類や性質を把握することで、効率よく料理ができるように、品詞を理解することで、正確に英語表現ができるようになるというわけです。

『品詞』の名前

 『品詞』の中でも特に『形容詞』や『副詞』といった名前に拒絶反応を起こしてしまう人は珍しくありません。

 おそらくこれも、『品詞』の場合と同じ理由が原因だと考えられます。

 つまり、"形容"や、"副"という漢字について、具体的なイメージが湧かないことが、『形容詞』や『副詞』に対するとっつきにくさを生んでいるのです。

 ところが、文法用語のような専門用語は、一見すると難しく見えますが、その意味を抑えてしまえば、なんだそれだけのことか、と思えるものが大半です。

 そこで次に、特に苦手意識を持たれがちな『形容詞』と『副詞』についてお話したいと思います。

形容詞 ― 『形容』とは「見た目や様子」のこと

 『形容詞』の、『形』と『容』という漢字は、いずれも「姿・かたち・様子」を表します。『形』は「かたち」の意味そのままですし、『容』も、「容姿」や「美容」という用例で確認できるように、「姿や様子」を表すのに用いられます。

 したがって、「形容する」という表現は、「物事の姿・かたち・様子を述べる」という意味になります。つまり『形容詞』とは、「物事の姿・かたち・様子を述べるのに使われる言葉」という意味になるわけです。

 『形容』という言葉は、現代の日常会話でよく用いられる言葉ではありません。しかし、だからといって、『形容詞』のことを、いちいち「物事の姿・かたち・様子を述べるのに使われる言葉」とは言っていられません。意味さえわかっていれば、『形容詞』と呼んだ方が楽だというわけです。

形容詞の例:
This is a red apple(appleの様子を「赤い」と述べている)
She is happy.(Sheの様子が「幸せである」と述べている) 

副詞 ― 『副』は『副(そ)える』と読む

 次の2点を抑えるだけで、『副詞』という用語をほぼ理解することができます。

  1. 『副』は「副(そ)える」と読む。

  2. 『副詞』は英語で adverb 。ad + verb のかたちで成り立っており、ad- は「~に」と言う意味で、verbは「動詞」という意味を表す。つまり、adverb は『動詞に』付けて使う言葉という意味。

 漢字の『副』には「副(そ)える=添える」という読み方があります。例えば、「最優秀賞には副賞としてハワイ旅行が贈られます」と言った場合には、最優秀賞にハワイ旅行が付いてくるということです。

 また、『副詞』を英語では adverb と言いますが、これは、「ad(『~に』という意味) + verb(『動詞』という意味)= 動詞に付けて使う言葉」という意味で成り立っています。つまり、『副詞』の基本的な使い方は、英語名にはっきりと表れているのです。 

 つまり、『副詞』の基本的な役割は、『動詞に意味を副えること』です。『走る』に『速く』を副えると、『速く走る』という意味になるように、ある動詞についてより詳しく述べるために用いられます。

副詞の例:
I will certainly go. (go =「行く」 と組み合わせて、「必ず + 行く」を意味している)
She sings sadly. (sings = 「歌う」 と組み合わせて、「悲しそうに+ 歌う」を意味している)

 『副詞』については、もう少しだけ詳しい理解が必要となるのですが、下ごしらえとしては、「副詞は動詞に副えて使用する言葉」という理解ができればよしとして次の学習へと進みましょう。

『形容詞』と『副詞』については、別のレシピで詳しく紹介しています。

※その他のレシピについては、編集作業が完了次第、公開予定です

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