萌芽(ほうが)
はじめて一人旅をしたのは18歳の時。北海道の叔母さんの所へ行った。
1人も初めてだが、飛行機も初めてだったので、不安でいっぱいだった。
女満別空港行はプロペラ機だった。座席に座るとドキドキが、くすぐったいようなワクワクに変わっていた。
無事空港に着くと、おばさんとおじさんが車で迎えに来てくれていた。
空港出口のドアが開くと、ヒヤッと空気の冷たさが頬に張り付いた。
空の青さも大きさも、雲の白さも、なんか違う。ほうっと体の力が抜けたのを覚えている。
今、思えばあの時が始まりだと思う。
飛行機に乗ったときのドキドキ、空港のドアが開いた時のフワッと力が抜ける感じ、もっともっと味わいたい。そして、他の人にも感じてもらいたい。
それから4年後、私は旅行会社に勤めていた。時々添乗に出ては、お客様にドキドキを感じてもらっていた。
今では懐かしい思い出だが、旅がドキドキの塊なのは変わっていない。
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