八戸リサーチの巻 蕪島
(記録:居間 theater 東)
蕪島へ向かう
八戸酒造から車で数十分。
八戸では知らないひとはいない場所、「蕪島」へ到着。
「八戸は初めてか?」と聞かれたあとに出てくる言葉、それは「蕪島はもう行った?」である。ついにやってきたぞ、蕪島へ。
蕪島は、JR鮫駅からさらに先の海に飛び出たところで、ウミネコの繁殖地で有名だ。国の天然記念物に指定されており、なんと今年の3月8日で100周年。
とにかく、ウミネコがすごい。ウミネコがとにかくいっぱいいるんだ。
というだけの情報をさまざまな人から聞いていた。
ある人は「いっぱいいるなんてもんじゃないよ。」と言っていた。
どんだけいるんだ。ウミネコがそんなにいっぱいいるなんて見たことないぞ。
東京都心でウミネコに出会いたい場合は、東京湾の近くとか、隅田川の遊覧船とか、そういったところに行くしかない。行ったとしても、そんなに大量にいない。
しかし八戸でウミネコは、蕪島に「いっぱいいるなんてもんじゃない」。
ウミネコに期待を膨らませながら、遠くに立つ鳥居と社殿を目指す。
蕪島はもともとは完全な島だったが、昭和17年頃に旧日本軍により埋め立て工事が行われ、陸続きとなったらしい。
ウミネコファースト
案内の看板によると、ウミネコの繁殖地として続いてきた理由は、もともとは離島で外敵が侵入しづらかったことや、繁殖期に八戸湾でウミネコの餌が豊富にあることなどが考えられるとのこと。なるほど。
ウミネコの繁殖期を真近で見られるのは全国でも珍しい。
ウミネコ繁殖地の天然記念物なので、蕪島はウミネコファーストである。
エサをやらない、追いかけ回さないなど、ウミネコを守るルールを表す看板がかわいい。
われわれが行った3月は、まだウミネコがさほど飛来してきておらず、数匹が本殿の前に見られたぐらいだった。
大量のウミネコ….ならず!!
それでも海の方を眺めると、すでにたくさんのウミネコが飛んでいる。
ウミネコは2〜4月中旬くらいまでに飛来してきて、5月に卵を産み、6月に孵化するらしい。そして7月には雛が巣立ち、8月には島を離れる。
ジャイアント食堂の頃はきっと、卵から孵った雛がいる時期のはずである。
蕪島神社
長い石段を登っていくと、蕪島神社に着く。この神社は2015年に原因不明の火災で消失してしまい、現在立っているのは再建したものだそうだ。
ウミネコの繁殖時期を避けて工事をしていて、5年がかりで建て直されたという。
そして蕪島の再建には地元住民も協力したそうだ。
中心街にある洋酒喫茶「プリンス」に行った際には「蕪島」というカクテルがメニューにあった。このカクテルをお客さんが一杯飲むと100円が蕪嶋神社再建費用の寄付金に充てられたそうで、マスターは数回に渡って寄付を行なっていた。※プリンス体験記はそれはまた濃ゆいので別途記録。
(蕪島カクテルの写真を撮り忘れたので…以下記事を参照)
Walk × 文化 商売繁盛・漁業安全 地元に愛される蕪嶋神社の歴史を学ぶ
https://visithachinohe.com/park/bunka/
音を撮る
というわけで、大量ウミネコ遭遇は叶わなかったものの、海とウミネコの鳴き声を録音することに。
ジャイアント食堂で何かの音に使えるかもしれない…と、とりあえずは素材を集める。
タスカムを持って録音するのは稲継。
それを見守りつつ自分も録音する大谷さん。
さらにそれを見守る宮武。
さすがにすることがないので動画を撮ってみる東。
ウミネコ運
ちなみに、繁殖期には本当に大量のウミネコがいる関係で、ウミネコのウン(フン)が降ってくるという。
それゆえにウン(フン)よけの傘が置いてある。
しかしウンに当たると運があるということで、ウンに当たったことを社務所に申し出ると開運証明書がもらえると、プリンスのマスターが教えてくれた。(傘に当たった人はもらえない。体を張って、取りに行くのだ。)
マスターは一個持っていました。いいな。
ウミネコは、ミャアミャア鳴くところが良い。
カモメはクゥクゥ鳴くのだ。
それからウミネコは目が据わっててそれも良い。
今は地続きになっているけれど
ぽっかり浮いた島に、ミャアミャアとウミネコが大量に集まってくる、蕪島の昔の姿を想像してみる。
(リサーチ、つづく)
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