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【O】One/Only/Original


【One】と【Only】が出てくれば、あの歌を思い出す。

No.1にならなくてもいい
もともと特別なOnlyOne

世界で一つだけの花

この曲が流行っていた頃の私は、何かに付けて他人と比べてばかりいたような気がする。
自分からは動こうともしないで、誰々さんが羨ましいとか、あんな事できたらいいなぁとか、そんな事ばかり思っていた。
子供たちも巣立ち、あとは淡々と毎日を過ごし、普通であることが一番の幸せであると自分に言い聞かせ毎日を過ごしていた。



「そもそも普通って何なんだろうか?」
あれから二十年以上経ち、還暦を過ぎた頃からそう思うようになってきた。


人生が本当に百年だとすれば、還暦なんてまだまだ後半に入ったばかりかも知れないが、健康寿命を考えればあんまり呑気なことも言ってられない。
人生の終盤に入っているのでは?
小説でいえば最終章である。
映画なら一番盛り上がるシーンがあったり、大どんでん返し!があったり、ここだけは見逃してはならないところだ。


他人と比べている場合じゃない。
普通の幸せなんて言ってる場合じゃない。
やりたいことをやり尽くさなければ、先に逝ってしまった友人に合わす顔がない。


癌告知を受けて余命2年だと言われた大切な友人がいる。
「いた」と過去形にはしたくない。
彼女がこの世界のどこを探してもいなくとも、私の大切な友人であることに変わりはない。


小学五年生の時に転校してきた彼女。
スポーツ万能でいつも笑顔を絶やさない向日葵みたいな女の子だった。
結婚をし子育てが終わった頃からまた交流がスタート。
二十年のブランクなんて、アッという間に吹っ飛んだ。


病気のことを聞いた後もランチには何回も出かけたが、唯一行こうねと言いつつ行けなかった場所がある。
大人になった2人で、のんびり温泉につかって美味しいお料理とお酒を頂き、枕を並べていっぱい話しながら眠る。
何ですぐにやらなかったんだろう。
時間は限られていると知っていたのに。


今やりたいことは、今やる。
彼女を見送って、さらに私の気持ちは強くなった。


「いつか行こうね」なんて有り得ないのだ。
口に出したのなら「何処がいい?いつにする?」
すぐに行動に移すべきだった。
そうすれば、彼女との思い出は1個分確実に増えたはず。
でも私は信じている。
天国では会いたいひとに必ずまた会えると。
向日葵みたいな彼女に会えた時、私は彼女の手を取り走り出すだろう。
「行こう!めちゃくちゃいいプラン考えたんだ」



【original】還暦を過ぎて、やっとこさ理解したことがある。
自分と同じ人間は、この世に2人といないと言うことだ。
全く同じ人間を作るなんて、神様にだって出来ないワザだ。


これって、ある意味すごいことだ。
顔のパーツだってそんなに多くないのに、それを組み合わせてるだけなのに、みんな違う顔をしている。
これはもう、神様からの究極のオリジナルプレゼントだ。
頂いたからには大事に思う存分使いこなさなければもったいない。
欲張りだねと言われるくらい、何でもかんでもやってみる。


これだけは誰が何と言おうと間違いない!
「私もあなたも、世界にひとりしかいない」


身体にも心にもいっぱい言ってあげよう。
「毎日頑張ってるね」
「えらいね」

「でも、もうちょっと肩の力抜いて、もっともっと人生楽しんでいいんだよ」





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