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【蒙霧升降】ふかききりまとう『オレンジ色のパンプス』立秋/末候🍀

学校以外、いつもジーンズばかり(今でもそうだけど)の私。
おしゃれのかけらもない。
上はシンプルなTシャツで、それも白とか紺色とか地味な色合いの物ばかり。
それは社会人になっても同じだった。
でも、初お給料を頂いた時、何を思ったか、自分で選んで買ったのが「オレンジ色のパンプス💞」


当時は(今から45年も昔の話)会社について制服に着替えていたのだが、足元の靴はそのまんま。
高卒の私でも、難なく入社できたトヨタ系列の会社で(今なら落ちこぼれていただろう学校嫌いな私)一緒に受けた高校生たちは、全員受かった。
商業高校の3人は経理部へ。
私ともう一人も彼女は、業務部へと決まった。
もう一人の彼女は、各支店の営業マン達と電話のやりとりをしつつ、登録業務を忙しくしこなす毎日を送っていた。


私が配属されたのは企画部。
な~んていうとカッコよく聞こえるが、新聞に折り込んでもらうチラシの見本作りや、会議資料の準備など。
今の時代ならパソコン使って、写真を取り込み、文字入力をやったりで、結構好きな作業だけど、当時は実際にカタログから車の写真を切り取って「こんなふうに配置してここに文字を」なんて滅茶苦茶アナログだった時代。
よくドラマの中で雑用扱いをされている、コピーして束ねて人数分用意するとかの作業をしているあのシーンだけど、個人的にはそんなに嫌いではなかった。
いかにすると早く人数分の資料がきれいに早く準備できるか、誰も競争相手がいないので、昨日の自分との競争をしていた。


まぁ、そんなことはさて置いて。オレンジ色のパンプスの話に戻る。
私たち高校生は4月からではなく卒業前に、もう制服姿で会社にアルバイトみたいな立ち位置で出勤していた。
そこにちょっと遅れて現れた大卒の営業マンたち。
その当時、まだ18歳の私たちからすると、4歳上のお兄さんたちは結構大人に見えた。
その中に、ひとり偉そうにふんぞり返っていたのが、その後、我が夫となるヨッシーさんだが、私の第一印象はメチャ嫌なタイプ!だった。
何故か、私は威張っている人が大きらいだからだ。


新人営業マンたち、最初の何か月かは研修だらけ。研修の度、本社に集まる面々。毎回、会議資料を用意したり、お手伝いに現れる私。
後から夫に聞いた話だが、私が履いてたオレンジ色のパンプスがやたら目に焼きついたそうだ。
「メチャ嫌いなヤツ」だった人と何故結婚したかは別として、あの時、私が初給料で相変わらず地味な靴を買っていたら、私たちは出会わなかったはず。
人生とは、こんな不思議なことの積み重ねなのかもしれない。
という話。


相変わらず地味な服を選んでいる私だが、ひとつ決心していることがある。
古希になったら、髪を染めるのをやめる。
その時点で、服装をカラフルな装いにチェンジする♫
最近、私の周りに真っ白なショートカットを実行した先輩方が増えている。
メチャ楽しみ〜💞


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