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女1人、大谷翔平を見に行った話②

 チケットを取った瞬間から、膨大なワクワクと不安が胸の中で渦巻いた。憧れのMLB観戦への期待と、「無事に帰って来れるのか?向こうで鬱が悪化したら?」という未知への恐怖。それでも1週間の準備期間は、瞬く間に過ぎた。
 出発前日、小学校で英語の授業があった。そこで明日からアメリカに行くこと、大谷翔平を見に行くこと、そしてそれがわたしの人生の夢であることを話した。みんな驚いて色んなことを質問してくる中、1人の児童が「夢が叶うんだね、おめでとう!」と言ってくれた。家に帰ってこっそり泣いた。


出発〜初の長距離フライト✈️

 7月18日、朝。夫が駅まで送ってくれた。「最後かもよ」なんて言いながら手を振った。荷物は着替えなどを詰めたリュックと貴重品を入れるポシェット2つ。スーツケースを引くのが苦手なので、いつもリュック一つで旅に出ている。
 北海道在住のわたしはまず新千歳空港から成田空港に飛んだ。LCCの停まる第3ターミナルから国際線の第1ターミナルへ向かい、ZIP AIRにチェックイン。国内線に乗るかのような手軽さで出国手続きを済ませた後、コンビニでお昼ご飯のおにぎりと2リットルのお茶、機内用のお菓子、フリスクを購入した。搭乗口で待っていると、どんどん人が集まってきた。しかし、日本人の姿があまり見えない。体感、2%ほどだった。より不安で心が揺れた。
 機内に乗り込むと、まさかの席が真ん中。指定していなかった自分を心から恨んでいたところ、窓側の席に外国人男性が。その同行者が隣のブロックの通路側に着席した。視線を感じ、目をやると「席を交換してくれないか?」と頼まれた。渾身の「Of course!!」が口から飛び出た。幸運なことに、移動した隣のブロックは真ん中に乗客がおらず、広々と席を利用できた。
 初めての13時間フライトに備え、すぐに眠剤を飲んだ。しかし離陸後1時間ほどで機内食サービスがスタート。わたしは頼んでいなかったのだが、席を交換した男性が注文していたため一度起こされる。そこからがまあ眠れない。周りもガヤガヤしていて、疎外感が強まる。仕方なしに「マイ・インターン」という映画を見ると、アン・ハサウェイの美しさに魅入ってしまった。Wi-Fiも利用できるため、夫や家族と連絡を取っていた。

右側通行

上陸〜ロサンゼルス・ダウンタウンへ


 その後もうとうとはするものの、あまり眠れないままロサンゼルス国際空港に到着。入国審査は緊張したものの、あっけなく通過。現地時間は朝7時、まだ1日が始まったばかりだ。
 市街地行きのバスに乗り、ユニオン駅へ向かう。道中の景色が、日本とは全く違う。大好きなゲームの「GTA5」で見た景色だ…!と感動した。雲ひとつない青空は広く、西海岸らしいカラッとした空気。生えてる樹木は北海道でまず見ないものばかり。
 ユニオン駅からは地下鉄でダウンタウンへ向かった。アメリカの地下鉄は観光客が乗るものではないと聞いていたけれど、好奇心が勝った。緊張感を持ちながら乗車したけれど、特に何も起こらないまま目的地の7th Streetに到着。

ロサンゼルスで朝食を

 旅の目的地の一つ、iHOPに入店した。映画「アイアムサム」に出てくるアメリカのカフェチェーンで、朝ごはんが24時間食べられるお店。メニューはどれも魅力的だけれど、値段を日本円換算すると肝が冷えた。甘いパンケーキも食べたかったけれど、ノーマルなセットを注文。レモネードも頼むと、一杯の金額で飲み放題というシステムに驚く。ガバガバ飲んで、お腹壊した。
 近くのテーブルではアメリカの若い子たちがおしゃべりしながら楽しそうにつるんでて、なんだかほっこりした。

パンケーキ🥞
Sunny-side-up🍳


続く。

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