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昭和DTMオヤジの無料でミックス&マスタリング日記(その4)[イコライザー系:前半]

80年代のサウンドはいわゆる「ドンシャリ」

シンセポップをはじめ80年代中頃までのサウンドは「ドンシャリ」の傾向にあります。「ドン」とは「牛丼」どんぶりでなく「バスドラム」で「シャリ」とはお寿司でなく「スネア」の高音部(リバーブの余韻)と解釈しています。したがって「バスドラ」と「スネア」のサウンドメイクはとても重要でサウンドの要であるのです。それは、単純に「音量」を大きくするという事ではなく「他のパートが干渉しない」ようにする事なのです。

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使用するバスドラとスネアの周波数をチェック

使用する素材で異なるのですが、ドラムマシンの名機「Linn Drum(LM-2)」を例にあげます。バスドラをスペクトラムアナライザーで周波数を確認すると「77Hz」あたりを中心に「35Hz~120Hz」が盛り上がってます。一方スネアは「160Hz」あたりを中心に「120Hz~200Hz」が盛り上がり、仮にバスドラとスネアを同時に鳴らしてもあまり干渉しないつくりは「名機」といわれる理由なのかもしれません。スネアの高音部は「2kHz~7kHz」あたりになるのでリバーブの反響音をその間で好みにあわせます。

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ベースがバスドラと重なった時はベースをカット

低音パートを左右どちらかに配置したり、ステレオに拡げるのはまれで、センターに配置するのが一番しっくりきます。ここでたまに問題になるのが「バスドラとベースの干渉」例としてベース(YAMAHA DX7 Bass1)を分析すると「85Hz」あたりを中心に「40Hz~130Hz」が盛り上がり「バスドラ」と重なるポイントがあります。今日日のDTMなら「ダッキング」でベース音量を制御するのでしょうが、バスドラに多く被らないよう「85Hz」未満をEQでばっさりカットが80年代風になるかと思ってます。

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今日のまとめ

最近では各音源の周波数帯で被る(マスキング)箇所を自動で判別しイコライジングするものもあるようですが、80年代の楽曲はそもそも被らないようにアレンジされている事が結構あります。仮に「重すぎる」と感じた時は優先したい音を決め、被る側のパートの方をEQで干渉ポイントをカットするのがコツではないかと思っています。(*´ω`*)(次回へ続く)

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