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結婚はしたいと思わない、でも、誰かと暮らしたい

19歳、わたしが一人暮らしを始めた歳だ。
11年ほど、一人暮らしをしていることになる。
20歳を過ぎた頃から「もう少ししたら結婚したくなるよ」「子どもがほしくなるよ」「黙っていても彼氏ができるよ」と、散々、いろいろな人に言われてきたが、一向に、結婚願望もなければ、恋人が欲しいと思う気配すらない。
でも、ここ数年で家族が欲しい、誰かと住みたいと思うようになった。

これと言ったきっかけは特になく、生きていく中で、緩い感情のグラデーションがあっただけだと思う。
でも、去年、放送されたNHKのドラマ『恋せぬふたり』は、ほんの少しだけわたしを影響したのかもしれない。

岸井ゆきのさん、高橋一生さんのW主演で、他者に恋愛感情も性的欲求も抱かない男女ふたりが同居生活を始め、そこに巻き起こる日常を描いたドラマだ。
このドラマを見た時に、わたしのなかにあった「誰かと家族になりたい(誰かと住みたい、友達とシェアハウスをしたい)」というSサイズレベルの思いが、Mサイズに進化した。
この時、この人だったら一緒に住みたいな、もしくは住めるなと思った人が何人か思い浮かんだが、全員すでに、結婚しているか、恋人と住んでいるか、友達や身内と住んでいる人ばかりだった。
「このまま一人暮らしぁ…」とは思うが、「絶望」とまではならず、特に行動もしないところが、わたしの一人暮らしを延長させる要因だ。

わたしのまわりにいる結婚願望がある人たちは、全員、結婚という一旦のゴールに辿り着くための行動をちゃんとしていた。
出会いがない人は出会いの場へ行ったり、この人と結婚をすると決めたら周りから何と言われようとその人から離れなかったり、そんな、ちゃんと自分の目標に対して貪欲に行動できる人ばかりだ。
そんな人たちが結婚していった。でも、わたしは「家族がほしいな、でも、みんな誰かと住んでるな」で終わりなのだ。

きっと、これからもひとりで暮らし、それを苦とも思わず、むしろ幸せに感じたりもしながら生きていくんだと思う。
だって、洗濯したい時に洗濯をし、自分が食べたいものを食べ、誰に気を使うでもなく入りたい時に風呂に入り、寝たい時に寝て、起きたい時に起き、行きたいライブには何としてでも行き、自分のためだけにお金を使う。
本当に最高だと思う。

これからも、この幸せを噛み締めながら、それでも、わたしのまわりにいる一緒に住めそうな人たちが一人暮らしするタイミングも見計らいながら生きていこうと思う。

2023年5月14日(日)

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