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損ぎみのクレーンゲーム

クレーンゲームに500円を入れたのに、300円分でとれてしまった。張り切って投資したのに、何か損した気分だ。株のトレーダーもこんな気持ちなのか。

欲しいアイテムが取り終わったあと、下に敷いてある人工芝を見つめながらある不安に襲われた。店前のクレーンゲームで遊んでいたことで、周りを見渡しても店員さんがおらず、むしろ行きかうお客さんのほうが声掛けしやすい距離にいる。しまった、まだ数回残ってるのに、この状況を放っておいて店員を探しに行かないといけない。事情を知らないお客さんが、ご自由にご利用くださいのフリーゲームと勘違いしないか。

海外で荷物を置いたままその場を離れると同じような、ゲーセンだと絶対やってはいけないことの一つになっているはずだ。意を決して、店内に駆け込む。感覚としては、倒れた妻を息が上がりながら病院で探し回る夫のような感じで「うちの店員を知りませんか?店員を!!」と店内に走り込んでいく。カウンターにいた店員さんに詰め寄りながら、か細い声で「すいませーん」と放つ。

なんとか誰にも触れずに、店員さんを呼び寄せに成功したが、知らないぬいぐるみに残りの数回を使ったのは、やっぱりちょっと損をした気分。

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