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#4尻ズ~緊急事態 女の子が落下しているよ~

お刺身に割引シールが貼られる午後6時。
空から落ちてくる君を、スーパーに急ぐこの足のまま受け止められたら良かったのに。

落下した地面には、人型にくり抜かれたように大きな穴となっていた。この事件によって、僕の最寄りのスーパーが無くなった。

穴に向かって問いかける。

「…すいませーん。すいませーん」

「・・・」

「ごめんなさーい、野菜のエリアはやめて欲しかったでーす」

「・・・」

僕は、生粋のベジタリアンである。
プライドを持って振る舞いをしている自負もあるため、今回のケースにも怖気づいてはダメだと思ったんだ。

穴の奥深くから、声が聞こえる。

「…私はエルフでーす」

難聴の僕にはよく聞こえなかったが、レジ打ちの店員さんがテレパシーで教えてくれた。

「…エルフと言っても、混血種でーす」

エルフの声掛けに、店員さんが(サラブレットじゃないことが、コンプレックスみたいね)と脳内でウインクしてきた。

待って、これって恋の予感?(笑)
いや、白馬のケンタウロスではあるけど!!

この勢いのまま、穴に向かって叫ぶ。

「…あのぉ、僕の欠点は、下半身が馬だから、野菜以外を食べるとすぐ下してしまうお腹を持っていることでーす」

穴の中のエルフは、少し戸惑ったように伝えてくれた。

「…今後のご活躍を、心よりお祈り申し上げます。」

どうやら僕は、お祈りメールの典型文を返されたようだ。
恋の始まりは突然にとはよく言ったもので、さっきから流星群のように何かが落ちてくる。

どうやら彼女は、星に潜入する女スパイで、招集の合図をしていたみたい。

空には無数の飛行物体が、こちらに砲撃しているように見える。
もう僕の街は終わりだ。僕はここが大好きだったんだな。

無くなる時に気づくなんて、好きって気持ちは突然だなぁ。

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