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「せっちんはね」日刊リハビリ#9

江戸時代のころ、トイレのことを「雪隠(せっちん)」と呼んでいたらしい。
どこの誰がそう言い始めたかわからないが、雪を隠すと書くなんて、なんとも美しいし、不潔な印象が見事に隠れている。

雪を隠すなんて、子供がお母さんに雪を見せてあげたくて、こっそりポケットに雪を忍ばせて帰ってる情景が思い浮かぶほど、清らかな感じがする。

呼び方の「せっちん」もとてもかわいいじゃないか。
雪を隠した子供の名前が「せっちん」なのだろう。

世の中の言葉も、汚いものを雪で隠してしまえばいいのに。

雪を渡し合って、賄賂を雪合戦。
雪がどんどん増えていって、借金を雪だるま。
雪と恋する、不倫を白雪姫。

隠語みたいになるので、さっきの発言は撤回する。

排泄物を雪と表現してるが、これが逆になったら地獄絵図だ。
「春夏秋冬」が「春夏秋糞」になり、寒気になれば警報とテレビの速報が鳴りやまない。

冬の風物詩であるコタツでみかんなんて食べてられない。
犬はふさがり小屋でもだえる。

本当の地獄にも、最悪の拷問を雪で隠した、雪地獄があるのかもしれない。

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