『英雄たちの丘』を書きました

 パンノニア戦線のお話。時期的にはリューリア後、南北暫定停戦前?第三期のどこかでしょう。
 マッケンナ少尉を喫煙者にしたのは速水螺旋人先生の漫画『大砲とスタンプ』主人公であるマヤコフスカヤ少尉(その後昇進したけど)が喫煙者だったのでそれの影響を受けました。みんなも大砲とスタンプ読もう!ラスティフロントが好きならもう読んでる人の方が多いかもですが……
 ハーミド大尉はキャラがちょっと『皇帝陛下の空賊』に出したテルミト中佐に被っちゃってるかも。痛恨のミスですね……
 以下はセゲド速射戦車のお話です。稚拙なイラストもあるぞ!

セゲド速射戦車

無題231

 自由パンノニアの試作戦車。弾倉式の自動装填装置を備え、5発の8fin砲弾を5秒で発射できる。確かにマッケンナ少尉が作中で言っていたように、その後の装填時間を考えれば時間あたりの砲弾投射量は手動装填のそれと変わらない。しかし初弾を外した後の修正射までの時間がかからないことは遠距離砲戦での優位に繋がり、敵が少数の場合には反撃される前にこれを殲滅出来るなど、自動装填装置自体はメリットの大きい物である。
 問題は自動装填装置全体を含む砲尾全体を覆うために肥大化した砲塔であり、これは車両を被弾しやすくし、さらに待ち伏せ時の隠匿性を低下させた。
 さらに問題なのはこの砲塔装甲が機関銃弾を防ぐ程度の簡素なものだったことである。これは車体と同様の装甲厚で砲塔を装甲化した場合、車両全体のバランスが大きく悪化し、また砲塔の重量が増加して旋回が困難になることを考慮した措置であったが、被弾しやすい砲塔が軽装甲であることはセゲドの生残性を大きく低下させる結果となった。
 砲塔と車体のバランス悪化が懸念されたのは車体がアーキルのデーヴァⅢベースのものであったからであり、もしもより大型の車体をベースとしていれば砲塔の重装甲化も可能だっただろう。パンノニアの懐事情が伺える。
 本車は試作車3両が製造され、テストも兼ねて各地の戦線に配備されたが、前述の欠点から本格的な生産はされなかった。乗員は戦車長、砲手、装填手、操縦手の4名。最大速度42km/h。武装は8fin速射戦車砲のみ。

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