匿名

芸人さんに関してあれこれ書いたり日記的な

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最近の記事

僕の名は。(2018)

イタリア語の学校に通い始めることにした。 ほいで先日、登録に行ってきた。 ローマ中心部の地下鉄駅から少し歩き、ボロめのビルを見つけ、階段をのぼる。 ここの生徒の大半は移民の人たちらしい。 受付で順番待ちの番号が書かれた紙をもらい、教室っぽいところに入ると、すでに黒人のお兄ちゃんやらスカーフ姿の女性やらがいすに座っていた。 先生っぽい感じのおばちゃんたちも3、4人いて、軽い面接のようなものが間もなく始まった。 実力をチェックしているのだろう。クラスは初級、中級、上級

    • 「松紳」で明かされた漫才大会の開始

       週刊文春で連載されている「笑い神」、毎週興味深く読んでいるのだけど、第5回はM1直前というタイミングもあって、特に面白く感じた。  THE MANZAIのブームがすたれた後、漫才を復興させようという試行錯誤がずっと続き、いかにしてM1誕生にまで至るかの舞台裏が描かれている。  2001年夏に、島田紳助さんが新しい漫才の大会を始めるという記者会見をしたらしいのだけど、大学生だった筆者にそれを見た記憶はない。当時はお笑いのことを扱ったネットニュースも一般的ではなかったし、ギャオ

      • 浅草キッドで学ぶイタリア語「やらせないよ」と「芸人だよバカヤロウ」

         ネットフリックスのオリジナル映画「浅草キッド」。監督、劇団ひとりの才気がほとばしりまくっていて最高に良かった。  ひとりさんと言えば、2004年に発売されたDVD「都会のナポレオン」で絶妙な〝ビートたけしショー〟を見せていたのが思い出される。いじりとリスペクトの狭間にある、「そこしかない」というポイントを突かせたら、彼の右に出る者はいないかもしれない。(新宿の小さな劇場で一度だけ、彼の生の1人コントを見たことがあるが、その空気感は本当に凄まじかった)  まだ「劇団ひとり

        • 映画スポットライトの名台詞④ー報道されなかった場合の責任は誰が取るんだ―

           記者だったら、一度はこんな取材をしてみたい、こんな記事を書いてみたい、こんなセリフを吐いてみたい、というシーンがこれでもかと出てくる映画スポットライト。  冒頭にBased on Actual Events(事実に基づく物語)と表示される通り、米ボストン・グローブ紙が実際に世に放ち、社会を揺るがせたスクープの話だということを考えながら観ると、よりゾクゾクしてしまいます。  今日はその中でも、筆者が特に好きなセリフを取り上げます。  場面は裁判所。  カトリック教会幹

        僕の名は。(2018)

        • 「松紳」で明かされた漫才大会の開始

        • 浅草キッドで学ぶイタリア語「やらせないよ」と「芸人だよバカヤロウ」

        • 映画スポットライトの名台詞④ー報道されなかった場合の責任は誰が取るんだ―

          「進撃の巨人」で学ぶイタリア語

           久しぶりに語学シリーズです。  イタリア語は毎日勉強してるんですが、自分の進歩の遅さに愕然とします。まあ地道に努力し続けるしかないんでしょうね、、、  最近は「進撃の巨人」を教材に使ってみたりしてます。仕事柄、政治、経済、社会などに関する言葉をいろいろ覚えたいと思ってるんですが、この作品はぴったり。世界のどこかで現実に起きていることが描かれてるんじゃないかと錯覚しそうなほどです。  今日取り上げるのは18巻に出てくる、 「貧富の差こそあれど、この壁の中は平和なんだな…」

          「進撃の巨人」で学ぶイタリア語

          M1準々決勝(黒帯)―爆発―

           M-1準々決勝の11月10日分配信を見た。  贔屓にしている黒帯がめちゃくちゃ面白くて何回も巻き戻す。見れば見るほど、噛めば噛むほどに味わい深さが増していくようなネタで心地よい。  セリフももう覚えてしまい、次の展開も分かっているのに、思わず笑ってしまう。特に最後のターンのところが(←宝塚のように、同じパターンを繰り返すネタなのです)何度見てもおかしい。  この、心の深いところからこみ上げてくるような笑いはいったいなんなんだろう。  そんなことに思いを馳せ、黒帯の魅力にあ

          M1準々決勝(黒帯)―爆発―

          3回戦つれづれ(ダイヤモンド)―才能と努力―

           前回のニューヨーク編では、漫才における「発想」と「技術」についてごちゃごちゃと書いた。  筆者は「このコンビ好きだな」と思うとき、ほとんどの場合、その「発想」の虜になっている気がする。  (こういう展開になるんだろうな)という予想が裏切られると興奮するし、(なんかどっかで見たことあるパターンだな)と感じると冷める。  一方、流ちょうかつ絶妙な間とテンポの「話芸」を見せられても、「すごく練習したのかな」とは思うけれど、それがそのまま「面白い」とはならない。仮にその漫才の内

          3回戦つれづれ(ダイヤモンド)―才能と努力―

          3回戦つれづれ(ニューヨーク)―発想と技術―

           ダウンタウンの松ちゃんはかつて「笑いとは発想が全てだ。それは100%と言ってもいいかもしれない」という趣旨のことを言っていた。(うろ覚え)  これはたとえば漫才は、ネタ作りの段階でほとんど勝負が決まっている、という話だと思う。内容こそが大切で、間の取り方や、しゃべりのテンポといった「技術」は二の次という意味だろう。  ダウンタウンのクイズネタなんかを観ると、なるほど、その発想の飛躍力は、現在の令和の時代から振り返っても凄まじい。確かにあのネタを一言一句マネしてやれば、ど素

          3回戦つれづれ(ニューヨーク)―発想と技術―

          3回戦つれづれ(ランジャタイ)―無限と有限―

           ランジャタイの漫才を観ていると時々、2000年に解散した劇団「惑星ピスタチオ」の芝居を思い出す。  と書くと、「唯一無二」の存在であることに至高の価値を置いているであろう本人たちや、ファンの方々の気に障るかもしれない。だけど、貶めようという意図は全然なくて、なんというか3分とか4分なんていう短尺ではなく、2時間でも3時間でも延々とその笑いに浸っていたいと思わせてくれるその世界観に、通じるものを感じるということです。  ピスタチオの座長だった腹筋善之介さんは、松ちゃんの映

          3回戦つれづれ(ランジャタイ)―無限と有限―

          3回戦つれづれ(アルコ&ピース)―忍者と魔女―

           アルコ&ピースには全然詳しくないし、生で観たこともないのだけど、THE MANZAIの「忍者になって巻物を取りに行く」ネタは衝撃的に面白かった記憶が今も鮮明に残っている。  厳密には、ああいう「漫才をやってる2人」を平子さんと酒井さんが本人役で演じてるコントだと思うけれど、まあ、そんなの関係ないぐらい笑ってしまったのを覚えてる。(MCの岡村さんも確か「面白いけどこれ、お芝居ですよね?」みたいなコメントしてた気がする。)  今回のM1―3回戦の「魔女になって宅急便やる」ネタ

          3回戦つれづれ(アルコ&ピース)―忍者と魔女―

          日本語知らない外国人に字幕付きでキングオブコント2021見せたらどの組が一番ウケるか予想してみた

           特にまったく意味はないのだけれど、表題についてふとどうなんだろうと思ったので、ちょっと考えてみました。  以下、ネタバレ含みます。 ①蛙亭  言葉が分かるか分からないかに加えて、観客が日本の文化にどの程度なじみがあるかどうかも重要になってくるワングランプリ(グランプリ?)になる気がするが、このコントの設定は広く理解されそう。   製造番号の164から「ヒロシ」という名前を自らつけるところは、字幕だけでパッと分かるようにするのは難しいか。そうすると、その後、研究員が急に「

          日本語知らない外国人に字幕付きでキングオブコント2021見せたらどの組が一番ウケるか予想してみた

          小林賢太郎さんとチャップリンを考える

           小林賢太郎さんの解任について、もう一度だけ書こうと思います。  先日の投稿は言葉足らずでした。  それだけでなく、頭に血がのぼりすぎて、攻撃的で挑発的な表現もたくさん使ってしまったと、反省しています。(先日の投稿は削除しました)  今回は逆にとても長い文章になってしまいました。言わずもがなのことも書きすぎたように思いますし、それによってかえって前回より強い反発を受けるかもしれません。それでもなお、最後まで読んでいただける方がもしいたら、とても嬉しいです。そして今度は僕自身

          小林賢太郎さんとチャップリンを考える

          アメトーークCLUBに入るか、ニューヨークオンラインサロンを続けるか、を考える

          770円と1000円を天秤にかける 「アメトーークCLUB」が始まったことを受け、ある芸人さんが「テレビ業界で革命が起きようとしている。おっそろしいことをやり出した」とつぶやいた。  アメトーーク!はテラサには映像を回さず、ひたすらDVDを売り上げてきた人気番組。ここへきてプラスαの独自の動画配信サービスを開始したという。しかもそれが月額770円という絶妙価格設定。いちお笑いファンとしては加入せざるを得ないだろう。    と思ったんだけど、いったん落ち着いてみた。  77

          アメトーークCLUBに入るか、ニューヨークオンラインサロンを続けるか、を考える

          イタリア語で振り返るスラムダンク名シーン①

          「バスケットはお好きですか」「大好きです」 今日、漫画屋さん(イタリア語に訳されてるのが売ってる)でスラムダンク新装再編版1~3巻を買ったので、しばらくこれで勉強していこうと思います。銀魂も買ったので途中で切り替えるかもしれませんが、とりあえず日本語オリジナル一言一句暗記してる作品を教材にしたほうが速いかなあと思いまして。  今回取り上げるのは主人公の桜木花道とヒロインの赤木晴子が出会うシーンです。 ====================== 晴子:バスケットはお好きです

          イタリア語で振り返るスラムダンク名シーン①

          イタリア語と英語で振り返る映画「スポットライト」名シーン③

          「読者に興味を持ってもらえると思います」 ボストングローブ紙のバロン新編集局長は、「スポットライト」チームをやる気にさせ、ついにカトリック教会と全面対決する覚悟を決めます。  その第一歩として、ゲーガン神父による性的虐待事件(いわゆるゲーガン・ケース)に関する捜査資料を開示するよう裁判所に申し立てるというのです。(これらの資料は「秘密保護」措置が取られ公開されていませんでした。教会の力が裁判所にも及んでいたのかもしれません)  これは新聞社としても相当腹を括らなければなら

          イタリア語と英語で振り返る映画「スポットライト」名シーン③

          イタリア語と英語で振り返る映画「スポットライト」名シーン②

          「変わり者は好きだ。おれが担当する」 アメリカの新聞社ボストングローブの調査報道チーム「スポットライト」は、編集局長のバロンさんからの要請を受け、聖職者による性的虐待事件を追うことになります。  この時点ではカトリック教会が組織ぐるみで多数の事件を隠蔽していたことは明らかになっていないのですが(それを「スポットライト」の記者たちが取材により白日の下にさらしていくわけです)、断片的な情報はありました。  このように、皆が「何かがおかしい」とは感じていたけど誰もちゃんと調べてこ

          イタリア語と英語で振り返る映画「スポットライト」名シーン②