3回戦つれづれ(ランジャタイ)―無限と有限―

 ランジャタイの漫才を観ていると時々、2000年に解散した劇団「惑星ピスタチオ」の芝居を思い出す。

 と書くと、「唯一無二」の存在であることに至高の価値を置いているであろう本人たちや、ファンの方々の気に障るかもしれない。だけど、貶めようという意図は全然なくて、なんというか3分とか4分なんていう短尺ではなく、2時間でも3時間でも延々とその笑いに浸っていたいと思わせてくれるその世界観に、通じるものを感じるということです。

 ピスタチオの座長だった腹筋善之介さんは、松ちゃんの映画「さや侍」にも出てたから知ってる人も多いと思うけど、舞台で見せるあの破壊力は本当にすさまじかった。「パワーマイム」と呼ばれる手法を使って、観客の脳内にイリュージョンを次々と巻き起こしてくれる。

 一方、ランジャタイも国ちゃんの激しい動きに伊藤ちゃんの絶妙な言葉が加わることで、あり得ない爆笑の世界が広がっていく。
 今回のM1ー3回戦のネタも、何十回でも何百回でも永遠に「iPhoneの作り方」を観ていたいと思わせてくれる。カラスにつかまったり東京タワーの周りをぐるぐるしたりする所からどころか、もっともっと前の段階から「iPhoneの作り方」を教えてほしい。

 しかしM1決勝ネタの持ち時間は確か4分。ランジャタイがその無限の笑いの世界と、賞レースの制約とにどのような折り合いをつけるのか。
 本人たちにとってはそんなに重要な問題じゃないのかもしれないけれど、注目してます。

 

 

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