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人の世と兎 鏡花の兎

今年最初の兎を見てきた。


といっても、大学ミュージアム(KeMCo; Keio Museum Commons)の展示ですが。


★展覧会情報★
KeMCo新春展2023 うさぎの潜む空き地
特別企画 鏡花のお気に入りたち


あまり知られていないミュージアムだと思うので、少しだけ施設の説明を。

2021年オープンした、慶應義塾大学の三田キャンパスに隣接した施設。
国道1号線桜田通りからひょいと入れる。
現状、特に事前予約不要。無料。

都心の立地であり、展示面積は広くはなく、その点ではミュージアムというより少しギャラリー的な趣がある。


2022年年始は干支の虎をテーマに展覧会を開催していた。
そして今年も、干支である兎をぶつけてきた。


今回、写真は撮れるが、一部WebやSNSで公開禁止の作品がある。


展覧会コンセプト

撮影ルール


以下、私的に関心を惹かれたモノを軽くご紹介する。
代表的な展示品を知りたければ、プレスリリースでどうぞ


K1 《鏡花の兎》
にぎやかな世界



K18 《切子灯籠(葬具)》
これが何か、見て分かる人はなかなかいないのでは。
制作陣がおっと思う大物たち。
鏑木清方とか、小村雪岱とか。



U26 ジョルジュ・キュヴィエ『動物界』
たしかダーウィンと同じくらいの時代の高名な博物学者・生物分類学者。
美術品ではないが、学術的価値は高そう。
まぁ、いかにも荒俣宏が好きそうな類。



U36 飯田善國、西脇順三郎《クロマトポイエマ》
今回の展示の中で飛び抜けてモダンな代物。
しかし個人的に好きな一品。



K28 小村雪岱葉書 阿部優蔵宛
鏡花繋がりで、小村雪岱も登場。その肉筆文章。
著名人手紙愛好家にはたまらない一品。



ここKeMCo独自の取り組みとして、「Ask KeMCo」という、LINEチャットを利用した作品データの提供がある。以下が今回試してみた結果。会場キャプションにも頒布リーフレットにもない情報が提供されているあたり、いいんじゃないでしょうか。

なお、この記事最初の兎の写真は、u39 白うさぎの剥製 です。



大学ミュージアムらしい、幅広いジャンルの展示品が織りなす光景と仕掛けが、ミュージアムのあり方を考えさせてくれる。

受験や仕事など何かの折この界隈を訪れることがあれば、空き時間や帰りにぶらり寄られてはいかがだろう。



以 上

誠にありがとうございます。またこんなトピックで書きますね。