ユーザーに聞くときは"サマらない"
解釈ではなく事実を聞く
前にnoteで、ユーザーインタビューをするときのTipsを書いた。
この記事も元は社内向けに書いたドキュメントだが、そのまま公開できそうだったのでnoteにも転載する。
記事内でこんなことを書いた。
なるべく意見ではなく事実を聞けるような質問をする
例えば「よく売り切れになるメニューはなんですか?」ではなく「いちばん売り切れになるメニューはなんですか?」と聞くと、一意に特定しようとするので意見や解釈が混じりづらい。「ファクトで教えてください...!」と意気込んで聞いちゃうのではなく、相手が事実を思い出して答えたくなるような質問をする。
"サマる"質問をしない
しっかり時間をとって「インタビュー」の形で実施するとき以外にも、ユーザーやパートナーにサクッと話を聞くシチュエーションは結構多い。
例えばこういうとき。(👨🍳: パートナーさん、👩🏻💻: Chompyチーム)
👨🍳「最近お客さんからアプリの登録方法がわかりづらいって言われることが多いんだよね〜」
👩🏻💻「わかりづらいと言っていた方はどんな人が多いんですか?」
こういうとき、最初はなるべく「どんな人が多いんですか?」と聞かずに、
👩🏻💻「わかりづらいと言っていた方の中には例えばどんな人がいましたか?」
と聞くようにしたい。
「どんな人が多い?」と聞かれると、最近の記憶をたどって一番印象に残っているものを思い出して答えたり、「そういえばあの人がこういう人多いって言ってたな」と伝聞をベースに答えたり、人によって答えるときの解釈や意見が分かれる。
「どんな○○が多い?」といった質問は、記憶の中にあるデータをいくつかを脳内でサマって答えてもらうタイプの質問。
何かの事象に対する相手なりの解釈を聞いてみたい場合や、緊急の対応が必要ですぐ手に入る情報だけで素早く問題をトリアージしたい場合などは有効な質問だが、自分たちがファクトをベースにインサイトを得たい場合にはなるべく避けた方がいい質問の仕方だと思う。
インサイトを得るのはファクトの後
僕たち聞く側は最終的にはインサイト(ファクトをサマった結果)が欲しいのだけど、ひとっ飛びにインサイトを得ようと相手に要約や解釈をやってもらうような質問をすると、誤った解釈をしてしまう可能性がある。
まずはファクトを詳しく聞いて、そこから適切な抽象度に一般化をするというステップを丁寧に踏むことが大切。
例えば上で挙げた例の場合、「どんな人が多い?」と聞かれたパートナーさんがお客さんの性別や年齢などのデモグラ属性にしか視点が向いていなかったら、「初回利用者」という重要な属性を見落としたまま誤った一般化をしてしまう可能性がある。(👨🍳「男性に多いんだよね〜」みたいな)
まとめ
サービスのユーザーにインタビューをする僕たちの役割はお医者さんのようなもので、相手の困りごとをファクトをベースに正しく理解し、そこから得たインサイトを元に困りごとを解決する必要がある。
お医者さんがいきなり「骨折れてそうな感じあります?」なんて聞かずに「熱は何度ですか?」「どういう動きをすると痛いですか?」とファクトを丁寧に集めて骨折かどうかを診断するように、僕たちもまずファクトに丁寧に向き合うチームでありましょう。
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