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Microsoft Teamsの通常授業での利用

2020年度始めの一斉休校期間に、私の勤務する学校ではMicrosoft Teams(以下、Teams)による遠隔授業がスタートしました。その休校期間が終わった後もTeamsは日々活用させてもらっています。非常に簡単な使い方ですが、参考になれば幸いです。

これまでの授業スタイル

高校の数学の授業ですが、私の日々の授業は、以下の流れです。
まず最初に
・授業の要点をまとめたスライドを印刷した資料
・問題演習プリント
・問題の模範解答プリント
を配付し、その日の教科書の内容を10~15分程度で解説します。その後、グループに分かれて問題演習を行います。
最後にその日の内容の小テストを5分程度で実施し、スマートフォンで振り返りを入力して終了。

これがこれまでやってきた授業スタイルでした。その際、気になっていたのが「安易に答えを見てしまい、仲間とディスカッションをしない生徒」をどうするか、という点でした。

解決策としては、「解答を配布するのを遅らせる(解答を見ても良い時間を設定する)」というのが思いつきましたが、グループによって進度や理解度が違うので、どうしようか悩んでいました。

現在のスタイル

あるときの職員会議で、「今年度の紙の消費量が例年より多いので、節約をお願いします」という連絡がありました。かなりの枚数を印刷している我々の授業でも改善をできないか、同じスタイルで授業を行っている先生と相談をして、紙で配付していた模範解答をTeamsでPDF配信することにしました。

本校は授業中であっても先生の指導の下であれば、スマートフォンの利用をを許可しています。単元毎にまとめて配信しておくことで、検索性も確保してました。授業毎に通信が発生すると面倒な場合は、あらかじめダウンロードすることも勧めました。

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このスタイルにして最初のうちは、時間制限を設けて一定時間経過するまで解答のPDFは見てはダメということにしていました。

それでも演習が始まって早々に「先生、スマホ使って良いですか?」と聞いてくる生徒も多くいました。しかし、徐々に仲間と相談して解法を探すようになり、数ヶ月たった現在では、時間制限をしなくても、相談する時間が長くなっているように感じます。中には、グループで誰か1人が答え合わせのためにチラ見するだけになっているところもあります。

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PDFで模範解答の配信を始めるときには、「小さい画面だから大丈夫かな」と不安なことの方が大きかったのですが、思った以上に生徒からの反応は良好でした。

おまけ:慣れてきた生徒からのアドバイス

生徒も徐々にこのスタイルに慣れ、他の生徒にPDFの扱い方についてアドバイスを始めた生徒もいました。「iPhoneならブック(iBooks)に保存すると楽だよ」とか、「Androidは?」などの使い方についても生徒どうしで模索しているようでした。面倒な生徒は毎時間Teamsからダウンロードしているようです。

数人ですが、付箋を付けたりやマーカーを引いたりしたいといった声も出ているようです。仲間同士でアプリを研究してくれることを期待しています。

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その他のTeamsの使い方

割と当たり前の使い方だと思いますが、Teamsの私の授業のチームでは、定期試験の範囲や課題の連絡などもしています。

定期試験前に行った取り組みとして、「質問コーナー」を設置してみました。「ここに書き込んだら、手の空いたときに私が答えるから、自宅学習で困ったときに書いてごらん」という趣旨で始めました。約束事として、

・何の問題か(教科書?問題集?)を書くこと。
・問題や自分の解いた解答の写真を添付すること。
・即時に返答があることを期待しないこと。
・返答があった場合、確認後に理解できたかどうかコメントすること。

ということを連絡しておきました。
ほとんど使われていませんが、開始当初に下の画像のような書き込みがありました。(個人情報に関わる部分は消しています。見苦しくてスミマセン)

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私が気付く前に、ひとりの生徒の疑問に別の生徒が解答していました。
確かに、授業中「私が答える前に誰か答えてくれても良いですよ」と伝えていましたが。スマホで写真を撮って答えを教えてもらうアプリもありますが、普段の授業で行っているディスカッションが家庭でも行われるのであれば、その方が互いに勉強になるのではないかと思います。

終わりに

1人1台のパソコン環境が進む中、数学におけるICTを活用した授業を模索しています。現在の生徒側の活動としては、日々の授業の振り返りを入力したり、解答をPDFで閲覧する程度で終わっていますが、生徒が主体的にICTを活用するようなシチュエーションを開発していきたいと考えています。

そんな中、今回のような授業改善にTeamsを組み込んでおくことが、1つのポイントだと思っています。それは、授業とTeamsの距離感を縮めることだと感じています。Teamsはコラボレーションハブツールなので、まずは何よりも、生徒にとってTeamsが普段使いのツールになることが大切だと考えています。

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