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骨盤より「腰」が大事?腰を意識した骨盤矯正

MDCの加奈ぶんです。

最近、骨盤を整えるワークとして、

仙骨枕(仙骨の下に敷いて、仙骨を整えるもの)を使ったり。

マッサージ器具を使って、腰の筋肉をほぐしたりしてました。


仙腸関節というのは、一昔前には「動かない」とされてたそうです。

今では「動く」ことが主流派になって、仙腸関節を整えることの大切さが、いろいろ言われてます。

私も、仙腸関節を動かす練習は、たくさんやってきました。

仙骨は家に例えると土台の部分で、

何よりもまず仙腸関節を整えるべき、というような話もわりと聞きます。


それとは別視点の話もいくつかあります。

痛みの9割がたちまち消える10秒関節リセット 羽原和則

腰仙関節を制する者が痛みを制す。痛みコントロールのキモは腰仙関節にあり!

という本では、仙腸関節も大事だけど、それより大事なのは「腰仙関節」だと言ってます。

腰仙関節とは、仙骨と第五腰椎のつなぎめです。

「腰痛患者を2つのグループにわけて、片方は仙腸関節、片方は腰仙関節の施術を行ったところ、

腰仙関節の施術を行ったグループのほうが、より腰痛が改善した。」

というデータもあるそうです。

腰仙関節(や仙腸関節)にわずかなズレが起こって、あるべき関節の動作ができなくなったときに、

離れた位置(膝、肩、首など)に痛みをひきおこす、と著者は主張してます。


他には、「骨盤は歪まない」といってる整体のひともいます。

仙腸関節が歪むということは、骨盤そのものが歪む、ということです。

「そういったケースはまれで、ほとんどの場合は、骨盤そのものは歪まない」というのです。

ではどういったことが起こるのかというと…

骨盤と肋骨の間にある筋肉(腰方形筋など)が歪むことで、骨盤と肋骨の位置関係が歪む

あまり知られてない腰方形筋の3層構造を表した図

それが「骨盤が歪む」と表現されてるものの正体、らしいです。


そういう話って「仙腸関節原理主義」みたいなのを、考え直すキッカケにはなるかなーと思います。

視点を骨盤から「腰」に移動させる考えです。


仙腸関節自体も歪む、と私は思いますけど……

骨盤と肋骨の位置関係が歪むことで、腰仙関節や、仙腸関節に負担がかかって(腰の歪みを代償運動して)歪む、

というパターンもあるかもしれません。

仙腸関節の歪みは原因ではなくて、結果ということです。

だとすると、仙腸関節を矯正しても治りません。

その場合の原因は「腰の筋肉」です。

もっと根元的なところに目を向けたら、もっと原因を掘り下げられるかもしれませんが…わかりやすいところでは。


では腰の筋肉をほぐしたらいいんだろうか?

と思って腰のマッサージとかやってみても、

腰方形筋とか、深部にあってそうそうほぐせるものじゃないですよね。

おなかの中には、腹横筋や大腰筋のインナーマッスルもありますし。

また、ストレッチやってみても、無意識に慣れた(歪んだ)身体の使い方をしてしまう可能性があります。

なので、骨盤と肋骨の位置関係に注目して、骨格の歪みを正す

というアプローチもありかなと思いました。



やってみたこと。

仰向けに寝ます。

膝を立ててお尻に体重をかけます。

お尻はなるべく動かないように。

肋骨の下のほうを両側からガシッとつかみます。

そして、骨盤の位置に対して。

肋骨を左にスライド移動させる。

肋骨を右にスライド移動させる。

肋骨を左に傾ける。

(頭を上、足を下とします。肋骨の左を下に、右を上にやります。)

肋骨を右に傾ける。

肋骨を左にひねる。

(肋骨の左を後ろに、右を前にやります。)

肋骨を右にひねる。

骨盤はずっと動かさないようにします。


左右でやりにくいほうがあったら、骨盤と肋骨の位置関係が左右で歪んでる、ってことです。

やりにくい動作を重点的に修正します。

例えば、ひねりの動作がやりにくい場合。

肋骨の右側を前に出して、左側を後ろに引くのがやりにくい、としまょう。

これは骨盤に対して、肋骨が右にねじれてます。

ねじれを取るやりかたで、タオルを使う方法を思いつきました。

骨盤に対して肋骨が右にねじれてて、左へのひねりがやりにくい場合。

タオルをたたんで厚みを出してコブシ大にします。

仰向けに寝て膝を立てます。

タオルを右の肋骨の下のほう(腰方形筋の付着部)の背中にはさみます。

膝を左右に揺らします。


タオルを使うやりかた②

腰仙関節の側屈(横に曲げる)制限がある場合です。

腰仙関節の回旋制限がある場合のストレッチは、以前にブログでいいました。

右への屈曲制限がある場合。

タオルをたたんで厚みを出してコブシ大にします。

身体の左側を下にして横向きに寝て、左側の股関節大転子の下にタオルをはさみます。

骨盤の位置が高くなります。

その状態で、左の横腹をマットにペッタリくっつけます。

腰仙関節の右への屈曲制限があったら、左の横腹をマットにくっつけるのやりにくいはず。

右足を浮かせて前後に動かします。

右足を後ろに引いてから、膝を曲げて床に右の足裏をつけます。

右膝を左右に揺らします。


他の修正方法。

つかんだ肋骨を上方向にひっぱって、骨盤から離すセルフ牽引すると、間にある筋肉が伸ばされます。

骨盤に対して肋骨をまっすぐに修正しながらやります。

例えば、骨盤に対して肋骨が右にねじれてたら、

反対に左にひねって、骨盤と肋骨をまっすぐにしながら牽引します。

左の筋肉が固かったら左の肋骨を、右の筋肉が固かったら右の肋骨を強く牽引します。



筋肉を意識する以外では、腰仙関節を意識してみました。

ある程度、筋肉がゆるんでからやるのがいいです。

腰の筋肉の歪みが腰仙関節を歪ませる、と仮定して…

仙骨にギリギリ近い第五腰椎のところをまっすぐに修正しながら、

セルフ牽引で腰仙関節にスキマを作る感じです。

腰仙関節をピンポイントで牽引するには、第1~第5腰椎の間が伸びないように、自力で縮めとく必要があります。

整骨院とかの機械の牽引では、こういう繊細な力加減はムリですね。

ひっぱるだけだと、伸びやすい側の筋肉、伸びやすい椎間が優先的に伸びちゃうと思います。


以下は頸椎の牽引に関する治療家の意見。

整形外科で行われている首の牽引は元々オステオパシーで行われていたものだ。ただし、けん引のやり方は間違っている。
例えば右の胸鎖乳突筋に硬直があり、左が正常な時、左右同じ力で引っ張ると右の硬直は解決しないばかりではなく、柔らかい左ばかりが牽引されて左右差はかえってひどくなる。だから硬い右側を伸ばすように角度をつけて引っ張らねばならない。

香杏舎銀座クリニック https://www.higasa.com/blog/diary/dy-97.html

牽引の対象は可動性低下若しくは上下方向の短縮がある頸椎髄節であるべきであり,過剰可動性や弛緩伸張のある髄節に余分な体力が加わることは好ましくない.

頸椎間歇牽引における角度因子 総合リハビリテーション 13巻3号


固い筋肉をひっぱるときにはそれなりに力が入りますが、

椎間を牽引するときには、力は弱くて良いのでは、と思います。

牽引の機械の話でされるように、体重の○分の1を椎間にかけると、負担になってしまうかもしれません。


「痛みの9割がたちまち消える10秒関節リセット」という本では、まず最初に腰仙関節を整えるべき、と言ってました。

腰仙関節を整えてから、仙腸関節だったり、他の症状のある関節を整えると、効果が出るのだそうです。

仙腸関節の歪みの原因が「腰」にあった場合、腰を整えてから仙腸関節を整えると良いのかもしれません。



腰の左右の歪みの話をしましたが、前後の歪みについてはどうでしょう。

姿勢が悪いと、腰仙関節がどう歪むか知ってますか。

猫背で下腹がポッコリ出るスウェイバック姿勢では、下位腰椎の屈曲制限が起こるといいます。

スウェイバック姿勢で、腰仙関節は伸展するということです。

猫背なら、骨盤が後傾して腰も丸まるイメージですが、腰椎を上位・下位で分けてみると、下位は伸展してるのです。 

背中が丸まって頭が前に出てると、どこかで背骨を反らさないと、頭の位置を正常に戻せません。

それを目に見えにくいところで下位腰椎が代償してる、下位腰椎に無理がかかってる、ということです。


実際、姿勢が悪いひとが腰を丸めるの苦手だったりしますよね。 

腹筋運動で反動を使わずにゆっくり起き上がるとか。

腰を機能的に丸めれないとできません。

なので、腰仙関節を含む、下位腰椎の屈曲ストレッチが重要になってくると思います。

腰を丸めるストレッチで、上位腰椎には屈曲制限かかってないから、そこで丸める。

ってなってしまうと意味ないです。


腰仙関節の歪みが全身に痛みを拡散させるという理論でいうと、

「下位腰椎の屈曲制限=見た目にはわかりづらい隠れ反り腰になることで、腰仙関節が伸展でカタマり負担がかかる。

そのことが中枢神経や自律神経のストレスになって、腰の筋肉を緊張させて、板のように固くさせてしまう。

背中、肩などにも緊張が拡散する。」

ということも考えられます。

肩甲骨を回したり、胸椎の伸展などをやって、猫背を治そうとしても、

下位腰椎の屈曲制限が取れない限り、姿勢は改善しないし、背中の緊張も取れない、というケースです。

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