タッグボルト

タッグボルト発売後環境の考察

 こんにちは、アースです。

 手始めに何を書こうか迷ったのですが、まずは環境考察をしてみようかなと思います。具体的には、シティリーグ、大型自主大会、企業対抗戦の結果を材料にしていきます。

目次
1.シティリーグの結果とデッキ評価
2.自主大会の結果とデッキ評価
3.企業対抗戦の結果とデッキ評価
4.考察(デッキ傾向)
5.まとめ

1.シティリーグの結果とデッキ評価

個人の調査で判明している範囲の上位デッキをまとめていきます。
シティリーグ一覧

開催地区    開催日     開催リーグ・レギュレーション    定員
 東京   12月9日(日)     オープン・スタンダード      128名
 大阪   12月9日(日)     オープン・スタンダード           112名
 広島   12月9日(日)     オープン・スタンダード             64名
 千葉   12月16日(日)   シニア・スタンダード               108名
 大阪   12月16日(日)   シニア・スタンダード                 72名

シティリーグ東京

1位:ピカチュウ&ゼクロムGX+ゼラオラGX
2位:ピカチュウ&ゼクロムGX
3位:ピカチュウ&ゼクロムGX
4位:セレビィ&フシギバナGX+シェイミ

 同日に行なわれていた3大会のうち、最も偏った結果が出た大会です。発売直後でピカチュウ&ゼクロムGXがtop4に名を連ねている大会は東京のみで、研究力の界隈差だと思います。
 1位のデッキにはライコウ(とどろくらいめい)とサンダーが入っており、ピカチュウ&ゼクロムGX主体というよりは雷バレットと言ったところでしょうか。グズマが多投されており、タッグボルトGXを最大効率で打ちやすくされているほか、アセロラが2枚採用されているのも特徴的です。様々な局面でピカチュウ&ゼクロムGXを動かしやすくなっています。
 4位のセレビィ&フシギバナGXは耐久型のデッキとなっています。前評判を覆しての入賞ということでインパクト大でした。シェイミの特性フローラルヒールやきずぐすり、エーテルパラダイス保護区、ライフフォレスト◇で確定数をズラすことでセレビィ&フシギバナGXの1体当たりの行動回数を増やしています。きけんなかふんにより相手が混乱自傷する可能性もあるため、相手が技を使えなかったターンがあるとほぼ全回復することもでき、そのままサイドを取ることもできます。クラッシュハンマーも採用されており、相手に大技を使わせず、着実に攻めていく構築になっています。

シティリーグ大阪(オープン)

1位:カプコケコ+ナゲツケサル
2位:ウルトラネクロズマGX+ゲンガー&ミミッキュGX
3位:サーナイトGX+ゾロアークGX+アローラキュウコンGX
4位:プテラ+カラマネロ

 1位のカプ・コケコ+ナゲツケサルデッキはダブル無色エネルギーとカウンターエネルギーのみ採用されており、カプ・コケコのかいてんひこうから始まり、ナゲツケサルで後半から叩いていく構築になっています。またカプ・テテフと戒めの祠も採用されており、終盤のマジカルスワップも勝ち筋の1つとして用意されています。ジラーチを採用されており、非GX特有のカプ・テテフGXがいないことによる事故を軽減しているところも注目ポイントです。
 2位のウルトラネクロズマGXデッキには新弾のゲンガー&ミミッキュGXとトキワの森が採用されています。トキワの森は鋼エネルギーを安定供給できるほか、ギラティナや超エネルギーを意図的にトラッシュできるため相性がとても良いです。ゲンガー&ミミッキュGXは見えないところから出てくるとケアができないため、カウンターパンチャーとしてこの上ないポケモンであると言えます。また、ウルトラネクロズマが倒しきれない相手を2エネで倒すことも夢ではないため魅力的です。加えて後手を取った場合に、ホラーハウスGXで相手の展開を止めることができれば、マーイーカを守ることができます。このデッキの特徴的なところとして、ハイパーボール4、ミステリートレジャー4、ネストボール3とボール系統が11枚入っていることです。カラマネロを意地でも2ターン目には2体立てるぞという気合が読み取れます。
 3位のサーナイトGXデッキは特質したものはありませんが、エネルギーを大量につける傾向があるタッグチームGXに対して有効な技を持っており、ワンダーラビリンス◇によるテンポアドバンテージやトキワの森による安定したエネルギー供給があるため、その強さを発揮しやすくなっています。

シティリーグ広島

1位:レックウザGX+クワガノン
2位:コイキング&ホエルオーGX(フリーザーアーゴヨンヌオー型)
3位:ロストマーチ
4位:ゾロアークGX+ルガルガンGX+マニューラ
ベスト8
ピカチュウ&ゼクロムGX
ジュカイン+ラランテス
ジラーチ+サンダー
ジラーチ+サンダー

 レックウザGX+クワガノンはチャンピオンズリーグ新潟でもtop64に複数入賞しているデッキタイプです。クワガノンさえ立てば強いという印象ですが、テンペストGXの後であればほぼ確実進化できるため、速度的にも問題ありません。タッグチームGXの超高耐久にも立ち向かっていけるのが最大の強みでしょう。上位に行くほど、シェイミ◇、カプ・コケコ◇をどれだけうまく使えるかがカギを握りそうです。ワンダーラビリンス◇やカウンターキャッチャー、海外でたまに見かける列空のカリスマに収録されているダダリンが入っているのが面白いですね。
 コイキング&ホエルオーGXはエネルギーさえ溜まれば180ダメージを連射できるため、ポケモンいれかえ+ヌオーにまんたんのくすり等を絡めることで非GXやゾロアークGXなどに滅法強いと言えます。キングザブーンGXの条件達成には8エネ必要で、最初はネタ技のようにも思えましたが意外と現実的な技で強力です。また、今回のレシピにはイーブイ&カビゴンGXが仕込まれており、180ダメージで倒しきれず、返しに大ダメージを出してくるサーナイトGXや相性不利のグソクムシャGXなどに対して強い札になりえるため、切り返しの札としてとても魅力的であると思います。
 3位のロストマーチは対策が薄くなってきたところをすり抜けてきたような印象です。ポケモン通信の登場でワタッコが手札にあふれて動けないという場面を打開しやすくなったのが評価点といったところでしょうか。カプ・テテフGXが3枚も採用されていて、初手のウツギ博士のレクチャーや中盤の事故のリスクを軽減しています。
 4位のゾロアークGX+ルガルガンGX+マニューラデッキは先日のチャンピオンズリーグ新潟で優勝したボール多投型に近い構築になっています。ウツギ博士を使うよりもこちらの方がやはり安定しているのでしょうか。ミステリートレジャーとマーシャドーが1枚ずつ採用されているのがポイントですね。

シティリーグ千葉

1位:ピカチュウ&ゼクロムGX+ジラーチ+サンダー
2位:ズガドーンGX+アーゴヨン
ベスト4
レックウザGX+クワガノン
ピカチュウ&ゼクロムGX
ベスト8
グランブル
カプ・コケコ+ダストダス
ピカチュウ&ゼクロムGX
ウルトラネクロズマGX

 シニアリーグは、ピカチュウ&ゼクロムGX対青天井といったところでしょうか。また面白いのが、ダストダスが入賞していることです。ジャッジマンホイッスルやダートじてんしゃ等のデッキを回すグッズの採用率が上がってくると、自然とこのポケモンが強くなります。今後また警戒をしなければいけないかもしれません。そしてグランブルです。グランブルは青天井系のデッキに強い傾向があるため、今回の結果で特に驚くこともないかと思います。ネックなのは、タッグボルトGXによるマグカルゴの2面取りやジラーチサンダーのシステム攻撃に弱い点ですね。

シティリーグ大阪(シニア)

1位:ゾロアークGX+ルガルガンGX
2位:ジラーチ+サンダー
ベスト4
ジラーチ+サンダース
ベスト8
ピカチュウ&ゼクロムGX
ジラーチ+カプ・コケコカウンター

 こちらは打って変わってゾロアークGX+ルガルガンGXが優勝しています。ウルトラネクロズマなどの青天井系のデッキタイプは多かったようですが、コントロールしていくゾロアークGXがその地力を見せたというところでしょうか。ベスト8にはピカチュウ&ゼクロムGXをいるため、ここまでの入賞率からみてもデッキパワーの高さは証明されていると言っていいでしょう。

2.自主大会の結果とデッキ評価

12月15日に行われた全国規模の自主大会イベント「ポケモンカードゲームBattle In University」の結果をまとめていきます。

1位:ズガドーンGX+アーゴヨン
2位:ギラティナ+カラマネロバレット(イーブイ&カビゴンGX)
3位:ゾロアークGX+ルガルガンGX+マニューラ
4位:ピカチュウ&ゼクロムGX+ライボルト
ベスト8
コイキング&ホエルオーGX(フリーザーヌオー型)
ピカチュウ&ゼクロムGX+ジラーチ+サンダー
ピカチュウ&ゼクロムGX+ゼラオラGX
カプ・コケコ+ナゲツケサル

 注目はナゲツケサルではないかと思います。シティリーグ大阪でも優勝していますが、この大会のベスト8に進んだデッキタイプのうち半数に対して有利が取れているデッキタイプです。超バレットやコイキング&ホエルオーGXに対して基本的には不利ですが、カプ・コケコの仕事率次第では試合を取ることも可能であるため、現環境にとてもマッチしているデッキと言えそうです。
 1位のズガドーンGXにはこだわりメットが採用されており、こだわりハチマキフルドライブを耐えることで要所で簡単には倒されないようになっています。
 2位の超バレットはチャンピオンズリーグ東京の優勝レシピに近い構成となっていて、ひかるアルセウスとイワークが採用されています。特にイワークはピカチュウ&ゼクロムGXを1撃で倒すことができるため、今後採用率が上がるのではないでしょうか。また、イーブイ&カビゴンGXも秀逸で、ギラティナで倒しずらい2進化ポケモンを見事に倒すことができるため、さまざまな相手に切り返せるデッキとなっています。唯一の問題点は、試合開始時のスタートポケモンとして逃げづらいポケモンが多いことですね。
 4位のピカチュウ&ゼクロムGXにライボルトが採用されているデッキですが、何よりライボルトでスタートできた時のスピードが段違いです。あえて後攻を取ることも視野に入りそうですね。
 ベスト8のコイキング&ホエルオーGXにはアーゴヨンが採用されていません。エネルギーを毎ターンしっかり手張りしていくことに重きを置いています。注目ポイントはパルキアGXです。このカードで何ができるのかというと、ピカチュウ&ゼクロムGXやミラー戦において相手のエネルギーを場からなくすことで一気に有利な盤面にすることができることです。また一番は、レックウザGX+クワガノンのデッキに対して、クワガノンを倒しながらエネルギーを場からなくせるため、不利な試合を完全にひっくり返せることにあります。

3.企業対抗戦の結果とデッキ評価

 企業対抗戦に関しては優勝チームのデッキのみ公開されているためそれを紹介する形になります。

ピカチュウ&ゼクロムGX+ゼラオラGX+サンダースGX
ピカチュウ&ゼクロムGX+ゼラオラGX+サンダースGX
マニューラ+フーパ
ギャラドス+アローラロコン

 チームとしては、高打点デッキ+メタデッキという組み合わせです。ピカチュウ&ゼクロムGXにサンダースGXが採用されるメリットとしては、エレキバレットによるベンチへの30ダメ―ジにより、タッグボルトGXでサイドの複数取りがしやすくなることです。また、序盤に相手のシステムポケモンを取ることもできるため、この形もまた優秀と言えるでしょう。ギャラドスは新弾のだいぎんじょうギャラドスです。エネルギーがデッキの半分以上を占める型で、初手の事故さえなければ、あとはギャラドスを並べて240を連打できる構築です。
 準決勝まで上がっていたデッキにゾロアークGX+ジュナイパーGXのデッキがありました。こちらはマッシブーンとイベルタルGXが採用されており、どちらもレインボーエネルギーで動かせるようになっています。マッシブーンはスレッジハンマーでピカチュウ&ゼクロムGXを取ることができ、イベルタルGXもGX技でタッグチームGXを取ることができますので、3枚ずつ取って勝つ構築になっています。

4.考察(デッキ傾向)

 以上の結果を踏まえた上で考察をしていきます。
 まずはピカチュウ&ゼクロムGXを入賞率の高さです。最近の雷タイプは専用ギミックが豊富にあり、ひと口にピカチュウ&ゼクロムGXと言ってもその形はいろいろです。多彩な動きをする雷タイプ中で、たねポケモンで高耐久高打点のポケモンが弱いはずもなく、ある意味納得の結果であると言えます。現環境はピカチュウ&ゼクロムGXを中心として回っていると断言できると思います。
 こうなってくると、それ以外のデッキはピカチュウ&ゼクロムGXをどうやって倒すかという流れになります。そこで挙げられるのが、青天井系、闘タイプ、非GX・カウンター系辺りかと思います。
 青天井系でメジャーなものはウルトラネクロズマGX、ズガドーンGX、レックウザGXとなります。どれも元々環境に存在しており、世の中に強いレシピが豊富で組みやすいという点で一致しているほか、エネルギーを大量に使ってたりその供給が容易である点でも一致しています。今後も、青天井系はずっと残り続けるでしょう。
 闘タイプというと、挙げられるのはマッシブーンGXやルガルガンGXです。そのうちマッシブーンGXは最近ではあまり結果を残せておらず、ゾロアークGX+ルガルガンGXに組み込まれているタイプがいくつか見られましたが、どれも結果に繋がっておらず、現在は下火であるかと思われます。ルガルガンGXはメインではなく基本的にはスーパーサブとしての立ち位置を確立しています。特性が強いため、出遅れた相手の盤面を崩すことができますが、対抗札というには結果からいうと少々心もとないという印象です。それよりは、ナゲツケサルやイワークのようなポケモンの方が対策札としてはあてはまるように感じます。
 非GX系だと、グランブル、ギャラドス、ロストマーチ、ナゲツケサル辺りが有力です。このうちグランブルとギャラドス、ナゲツケサルはGXポケモンとタッグチームGXに強く、しっかりと勝てるポテンシャルはあります。しかし、コイキング&ホエルオーGXとセレビィ&フシギバナGXには相性不利であるため一概に有利を取れるというわけでもありません(ただし、使用率から考えればピカチュウ&ゼクロムGXをに勝てれば有効であると言って良さそうです)。その点ロストマーチは300まで届かせることができるため、対タッグチームGXだけを見れば広く対応できるデッキではありますが、ジラーチサンダー等にやられやすい傾向にあります。
 個人的見解を含めた環境構成図はこんな感じです。


5.まとめ

 基本的にはタッグチームGX対青天井系GXの構図ですが、そこにメタカードとしてその都度新しいカード(ナゲツケサル枠)が発掘されていく可能性が高い環境になっていきそうな印象を受けます。そして、現状非GXでもワンパンができるHP240のタッグチームGXとそれ以上の耐久力を持つタッグチームGXでは対応できる相手が異なるため、今後一概に区分分けするのも難しいような気もします。
 タッグチームGXはどれも活躍の場がありそうな性能をしており、実際にはラティアス&ラティオスGX以外はそれぞれの役割を持って環境に登場しています。ラティアス&ラティオスGXはウルトラネクロズマGXとよく比べられてしまいがちですが、非GXの打点ラインが上がってくると次第に評価があってくるのかもしれませんし、性能自体は高いためウルトラネクロズマGXにはできない画期的な動きが開発される可能性もあります。現状はピカチュウ&ゼクロムGXが一番扱いやすくわかりやすく強いことで結果を出しているとみています(また使用者が多いことも一因である)。
 ひとまず、現状としてはピカチュウ&ゼクロムGXが環境の中心であり、回っていると言って間違いないでしょう。


いかがでしたでしょうか?
手始めにこんな感じで結果のまとめと考察をしてみました。今後もこんな感じで書いてきたいなと思っていますが、こんな情報が欲しいなどありましたら、コメントを残していただけるとありがたいです。


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