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短編集「きみはポラリス」のあるお話が性癖過ぎたので聞いて欲しい

こんにちは!最近ラジオを聞くのにハマっている、いくぜ!と申します。
今日はこの間読んだ三浦しをん先生の「きみはポラリス」という短編集に出てくる「永遠に完成しない二通の手紙」と「永遠に続く手紙の最初の一文」というふたつのお話を中心にお話させていただきます

※注意※
読んだことある方ならわかると思いますが今からする話はBL要素を多大に含んでいます。
苦手な方は即ブラウザバックしましょう

設定が刺さりすぎている

初めに言わせて貰いますがわたくし、片想いシチュ大大大好きオタクなんですよ
片想いは片想いでも伝えられないまま終わってしまう恋が大大大好物なんですよ

そんな私の性癖を深く突き刺してくれたのがこの「永遠に完成しない二通の手紙」でした

簡単なあらすじ
互いに小学生からの幼なじみである岡田勘太郎と寺島良介。
ある日寺島が合コンで出会った女性にラブレターを書くため岡田に助けを求めるのだが…

まず"幼なじみ"!!!!!おさ!!!!ななじ!!!!み!!!!!好き!!!!!!!!!!(おちつけ)

もうこの時点でだいぶ好きなのですが2人のキャラクター性もどドドドストライクなんですよ…
なんでもそつなくこなすクールな男岡田と天真爛漫で人から好かれやすいが惚れっぽく何度も失恋している寺島………
せ、性癖……………………

伝えたい、でも伝えられない想い

この「永遠に完成しない二通の手紙」、岡田から寺島への一方的な片想いのお話ですが、ほんとに最初から最後まで「うわ~~~!!岡田ァ~~~😭」とこちらの胸も締め付けられるような切なさたっぷりのお話なんですよね…

寺島がラブレターを書くため岡田に相談する(この時点で性癖)というシーンから始まるんですが、もう岡田の立場からしてみると"好きな男が別の女にラブレター書くための助言を求められている"って感じですからね!?!?!?エ、エーン…泣

しかも寺島と会話している時はツンツンしてるくせに寺島が寝た瞬間、彼の書いたラブレターを読んで「水族館行くのに詳しく説明したら意味ないだろ」と笑うんですよ!?!?絶対その顔、寺島への愛おしさ爆発させためちゃくちゃ優しい顔してますよね!?!?!?私には見えた、確かに

2人の出会いと恋の自覚

実はこの2人のお話、「永遠に完成しない二通の手紙」ともうひとつ「永遠につづく手紙の最後の一文」というお話があって、そこで2人の出会いから岡田が寺島への恋を自覚するまでが語られているんです(ついでに2人きりで体育館倉庫閉じ込めシチュも何故か発生している)

も~~~寺島の失恋を喜んでしまったことがきっかけで恋心を自覚してしまう岡田が好きすぎて~~~……

"ごめんな、寺島。俺はいつもこうだ。友だちのふりをして、友だちじゃない。お前の幸せを願ったことなんか一度もない。"
っていう岡田の独白シーンがあるんですがここマジでヤバくないですか!?!?(語彙力)
岡田も寺島の幸せを願いたい気持ちはあるのに、心から願うことが出来ない、なぜなら岡田にとって寺島はただの"友だち"じゃなくなってしまったから……

う、うわーん…泣

ここ好きシーン抜粋集 

残酷さを愛するのを信条としている。だがたまに、無神経を装って残酷にふるまいたくなる。寺島の無意識の残酷さでつけられたのと同じだけの傷を、返してやりたくなるのだ。

「きみはポラリス」 17ページより

す…好き……(語彙力喪失)

「無意識の残酷さ」って表現が素晴らしすぎる……
寺島は岡田に対して友情以上の何も持ってないのを理解してるからこそ、岡田にとっては彼の言葉ひとつひとつが残酷に感じるんでしょうね……すき…

そしてつけられた傷を寺島にも味わって欲しいと、ワザと無神経に振る舞う……
そんな岡田のいじらしさがめちゃくちゃ可愛いんだな…うん

「どうせ俺はつまんないよ!一人でさみしく年とって死にますよ!それでいいんだろ」
「俺がずっと一緒にいるよ」
「え?」
「つづき。『俺がずっと一緒にいるよ』。ほら、ちゃっちゃと書け」
「ああ、うん」

「きみはポラリス」18ページより

う、ウワァ~~~~~~………………ッッ!!

😭😭

こ、この、一方的な片想いをしている人が好きな人と会話する中でついポロッと本音が出てしまう……
めちゃくちゃ性癖ドンピシャシーンなんですけど……ありがとう三浦しをん先生、流石日本BL文学界のアネキ……

その後の誤魔化し方もサイコ~~~過ぎる
抑えきれなくなった気持ちをつい吐露してしまい、急いで「ラブレターへのアドバイス」という"てい"で誤魔化すの、最高過ぎる(2回目)

でもさ、寺島は沢山の女性に恋をしてきた訳だけどそのどんな女性よりもずっと寺島と一緒にいるのは岡田なんだよ……
でももし寺島に本当に大切な人ができてしまった時、岡田は寺島とずっと一緒にいるのが難しくなるわけで…
ラブレターを描く中で、もし寺島の恋が成就してしまったら?でも俺に止める権利もない、と不安と葛藤の中つい出てしまった言葉なんでしょうね……

その前のシーンで寺島が「俺、ずっと一人のままなのかなあって」とボヤくシーンがあるのですがもうそこで「いるから!!!!!!!お前とずっと一緒にいてくれる人いるから!!!!!!!!!」と心の中で必死に叫んでいました

寺島の髪の先に、小さな煙草の灰がついていた。消えやすい雪に対するように慎重に、指でそっと払ってやった。
寺島。俺の手紙は、永遠に投函されることはないんだ。
それは俺の心のなかで、ひそかに、囁くように、つづられていくだけなんだ。

「きみはポラリス」20ページより

これ読んだ時私の息は止まりました。ええ。

この数行に岡田の寺島に対する想いのあり方全てが語られているような気がします
もう岡田は消せない恋心を抱きつつ、完全に諦めているんですよね、これ。
岡田はもう想いを伝える気は一切無くて、でも心の中ではずっと寺島のこと想い続けてるって……

そんなの切なすぎるよ!!!!!どんだけ一途で不器用な男なの!?!?!?!?!?でも好き!!!!!!!!(本音)

岡田のラブレターはもう永遠に完成することはないんですね…

「おまえがおひとよしでまぬけだからだろ」
素っ気なさのなかに精一杯の優しさをこめ、しかしべたつくことのないよう気を配る。

「きみはポラリス」297ページより

ここ、寺島が振られた場面に遭遇してしまった岡田が寺島を慰めるシーンなんですけど

岡田ァ!!!!!!!!!!ッァ!!!!!!!いじらしすぎる!!!!!!!なんでっ!!!!素直にっ!!!なれ!!!!!!

「おまえがおひとよしでまぬけだからだろ」って言ってる岡田、どんな顔してるんだよ…………
絶対めちゃくちゃ切ない顔してるって…
「べたつくことのないよう」って表現、天才?天才だったわ………(完)


以上、腐女子がなんか喚いてただけの感想でした。
他にも「きみはポラリス」には恋愛をテーマとした色々なお話が収録されていて、どれもいろんな愛の形を表したストーリーとなっています。
個人的には「夜にあふれるもの」が好きだった(百合)

このようにラノベやpixiv小説ではない一般的な小説にも、オタクの性癖に刺さってしまうお話がたまに転がっていることがあるので、みんなも読みましょう!!小説!!

最後まで読んで下さりありがとうございました!



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