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窓の外の雪

 窓の外は白い雪がまた降っていた。そして、雪が庭に落ちた。野口は白い雪らは一つ一つの、人間の魂だろうかと思った。もしそうであれば、雪は死んだ者なのか、それとももうすぐ生まれるものなのか。もしみんな死んだ者なら、寂し過ぎないだろうか。白い美しい雪原の上には、きれいな雪花が溢れているように見えたが、全部は死者の怨霊である。春になると、雪は消えた。そして来年の冬になって、白い雪はもう一度舞いて戻った。このように寂しく繰り返していて、世間はこのような哀愁の輪廻である、と思った。

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