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性善説に拠って立つ楽天的人間が、鬱になって生活もままならなくなった話

これからお話しするのは、「性善説に拠って立つ楽天的人間が、鬱になって生活もままならなくなった話」である。正直、積極的に他人に話したいことではない。それでも、こうやって振り返り、公開してみようと思うまでには、鬱の状態だったことを消化し、目の前の日常とこれからの人生にワクワクできている。その事実が嬉しい2022年の暮れである。

95/96/97焚き火忘年会にて

「他人の悪口とか愚痴を言わないよね」と大切な人に言われた。もちろん人間だもの、他人の言動に対してイラっとしたり、モヤモヤとしたりすることはある。でも、その言動にはそれを引き起こしている外的な要因があって、その人が「悪い」わけではない。きれいごとではなくて、どうやら自分は本当にそう思っているらしいのだ。性善説にもほどがある、と友だちに笑われた。

仕事にしてもプライベートにしても、もっというと今の社会についても、この先の見通しや金銭的事情、人間関係など、不安が無いといったらウソになる。いや、むしろ不安だらけだ。でも、自分なら、周りに居る人たちとなら、そしてこの先出会うであろう人たちとなら、きっとどうにかなる。どうにでもなる。ワクワクする未来を創れる。これもどうやら本気でそう思っているらしい。楽天家だなぁ~、と仲間にあきれられた。

久しぶりにゆっくりと実家に帰省も

そんな僕が、およそ1か月間ほとんど一歩も家から出れなくなった。それどころか、トイレとわずかな食事を取る以外は、布団からすら出れなくなった。シャワーは数日に一度、買い物は週に一度ほど。もともと決まっていて、どうしても出ない訳にはいかない仕事の打合せだけは、ぼんやりしたまま出ていたけれど、上の空。メールも溜まり、電話にも出れず、仲間や家族からのLINEすら未読無視からの既読無視。

実は学生のころから、この状態は時々陥っていた。数か月に一度、1週間~10日間ほどこの状態になっては、出ざるを得ない研究会や打合せなどで他人と話してやる気を取り戻す。そんなことを繰り返していた。
それでも、他人に決定的な迷惑をかけることもなく、やるべきことはやって、それなりに成果として認めていただいていた部分もあったので、その状態にあまり向き合わずにこれまで過ごしてきていた。

祖父の偲ぶ会にて弟たちと

大学院1年の時に、「あなたが私に依存するのが怖い、私は私の人生を生きたいの」と、当時お付き合いしていた方にフラれた時に、ようやく向き合えた、はずだった。それでも、会社を創る準備をしていたころ、そして会社を創ってからも、結局時々同じ状態に陥っていた。そんな自分が嫌いで、だけどスイッチが入ると自分でびっくりするくらいの仕事をしてしまうから、嫌いになりきれなかった。

8月、その状態が長続きしたことで、決定的に仲間と家族を心配と不安に苛ませてしまった。ようやく、自分の状態の危うさを自覚した。その状態の自分が自分で嫌いだということも、なぜその状態に陥ってしまうのか、自分の意識の中にある呪縛や、仲間や家族との間で足りていない対話、日常の暮らしや仕事の中で足りてない姿勢にも気づいた。状態と要因を自覚さえすれば、それを乗り越えるのは、自分の行動については左脳的な僕にとってそんなに難しいことではなかった。


おかげさまで、今は自分らしくやってます。

会社は2期目に入り、自分なりの経営者としての意識も少しは芽生え始め、経営的にはよちよち歩きながら、心からやりたいお仕事をさせていただいています。仲間たちの「やりたい」を引き出し掛け合わせて、クライアントやパートナーとワクワクするようなプロジェクトを生み出し、未来のための意味ある成果をもっと創っていける2023年にしたいです。

プライベートでは、車を車中泊仕様にDIYし、キャンプグッズと釣具を常備して、思い立った時にいつでも自然の中で遊べる環境を整えました。秋はアジやカマスやサバを釣り、干物にして晩酌のアテにする悦びに浸ってました。ボルダリングやスノボなど、新しいアクティビティにももっとチャレンジしたいし、読書や映画、お絵かきやアート鑑賞など、ここ数年は離れがちだった文化的な遊びも、もっとしたい。一緒に楽しめるひとを大切にしながら、楽しい!と眼を輝かせている自分でいられる2023年にします。

釣り・キャンプ&車中泊仕様に

そんなわけで、「性善説によって立つ楽天的人間が、鬱になって生活もままならなくなった話」は、「それを消化し乗り越えて、未来にワクワクしている話」でもあったわけです。
どんな人でも、多かれ少なかれ不安や悩みを抱え、苦しさや生きづらさを感じながら生きているのだろうと思います。せめて身近な人たちのひとつの拠りどころとなる「場」や「関係性」をつくったり、自分自身がそんな存在になる。これは、大げさかもしれないけど、僕が生きていく意味なのかもしれないと思ったりします。

2023年も、こんな僕をよろしくお願いいたします。

2022.12.14 まつうら いくる

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