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週末コンプレックス

大学卒業後の就職先はサービス業。
平日休みの週末出勤。
華金なんてものは無く、どうしても欲しい週末休みのために、結婚式だお葬式だ、何度嘘をついただろう。

転職後はカレンダー通りの勤務。
30半ばにしてようやく手に入れた週末休み。

いつも平日に修行僧のように1人でランニングしていたのも、
週末になるとランナー達がたくさんいる。
華金も、本当の華金。
華麗に飲んで華麗に酔える。

友達との約束だって、彼とのデートだって、計画が立てやすい。
週末休み、最高!

でも、長年の平日休みから憧れの週末休みになった私は、
週末に予定が入らないことが勿体無くて、
なんなら、予定が入らない罪悪感というか孤独感を持つように。

「休日はお家でゆっくり過ごしてる」という友人の気持ちがさっぱり分からない。
淋しくないのかな?
インスタ見たら、みんな遊んでる。
誰とも約束できないで1人でいるなんて…。

そんなモヤモヤを抱える週末を何十回、何百回超えたある時から、
急に、のんびり過ごす週末も悪くない、そう思えてきた。

朝日が差し込む窓を開けて、軽くウォーキングやジョギングに出て、
公園の自然の移り変わりを楽しみ、
行き交う人の観察をして、
コーヒーとマフィンを買って帰り、
少しの家事をして、
お天気が悪い日は映画やドラマを好きな格好で観て、
晴れた日は気になる場所にお散歩がてら行ってみたり、
夜ご飯だけ友達誘ってサクッと食べておしゃべりして。

こんな風に自分の価値観が変わったのは、
紛れもなく、歳を重ねたことが要因のひとつ。
体力面もそうだけど、それ以上に、精神面の変化が大きい。

休日コンプレックスだった私は、誰かと比べた休日を過ごしていたのだ。
それが、四十路にしてようやく自分のための休日を過ごせるようになったのだ。

日曜日の夕方に、こうやって書き物をしているのもその表れ。
今週も良い週末です。

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