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新刊紹介
新しい本が出来上がりました。 Routledge Handbook of the Vietnamese Diaspora Edited by Nathalie Huynh Chau Nguyen 2024, Routledge https://www.routledge.com/Rout…
「移動する子ども」学と私ープロフィール
2024年4月、フリーランスになったので、noteを始めました。
複数言語環境で成長する子どもの研究を行なっています。そのきっかけは大学院生の頃、ベトナム難民家族の調査で出会った子どもに、習いたてのベトナム語で話しかけたところ、「そんな言葉、知らない」と言われたことだった。その子の両親も、家庭内ではベトナム語を使っているのに、なぜ知らないと言ったのか。そのことも、その時の少女の気持ちも、理解でき
子どもの日本語教育とJSLバンドスケール [セルフ・ラーニング研修❸]
コース1 子どもの日本語教育 ❸子どもへの日本語指導の基本
1、実践をデザインする3つのポイント
では、子どものことばの実践は、どのようにデザインしたらよいのでしょうか。
今回は、実践をするときに大切な3つのポイントについて解説します。それは、言語活動の「個別化」「文脈化」「統合化」です。以下に、説明します。
①個別化 子どもが活
新刊紹介
新しい本が出来上がりました。
Routledge Handbook of the Vietnamese Diaspora
Edited by Nathalie Huynh Chau Nguyen
2024, Routledge
https://www.routledge.com/Routledge-Handbook-of-the-Vietnamese-Diaspora/Nguyen/p/boo
子どもの日本語教育とJSLバンドスケール [セルフ・ラーニング研修❷]
コース1 子どもの日本語教育 ❷子どもの「ことばの力」を育成するとは
1、育成する「ことばの力」とは
前回の講義で述べたように、「日本語を学ぶ子ども」は、日本語だけではなく、第1言語の母語も含む複数言語環境で生活しています。そして、その環境で、日々、多様な学びを経験しています。したがって、日本語、母語などに関する多様な言語知識や経験
子どもの日本語教育とJSLバンドスケール [セルフ・ラーニング研修❶]
コース1 子どもの日本語教育 ❶子どもを理解する3つの視点
1、実践をする前に知っておくことは?
「日本語を学ぶ子ども」のことばの実践を考える前に、子どもを理解するための視点が必要です。それは、子どもの「ことばの生活」「成長・発達」「心」の3つです。
この「ことばの生活」とは子どもが複数言語環境で複数の言語に触れながら生活しているという点です。たとえ、日本語が第一言語と同じよ
子どもの日本語教育とJSLバンドスケール [セルフ・ラーニング研修]
はじめに
このプログラムは、子どもの日本語教育に関心のある人、これから子どもたちに日本語を教えたいと思う人、また今、子どもたちに日本語を教えている指導者のみなさんに、「子どもの日本語教育実践」とは何かをわかりやすく解説するものです。
「セルフ・ラーニングで研修って、どういう意味?」
と思われる人もいると思います。
このプログラムは、各回に提示された解説文を読み、最後の「課題」を自分で考えて
[エッセイ]ラーズ・ヌートバー選手と「移動する子ども」学(川上、2023)
今年(2023)3月に開催されたWBC(World Baseball Classic)に日本中が熱狂しました。大谷翔平投手をはじめ、侍ジャパンの選手たちが躍動し、日本チームは見事に優勝を勝ち取りました。多くの方が、選手たちのプレーに大きな感動を覚えたでしょう。
その中で、私が注目したのは、ラーズ・ヌートバー選手でした。彼の父親はオランダ系アメリカ人、母親が日本人です。WBCの規定では、両親のど
MY BOOK REVIEWS⑧移民の子どもたちの言語教育―オーストラリアの英語学校で学ぶ子どもたち
このシリーズの8冊目にレビューする書籍は、『移民の子どもたちの言語教育―オーストラリアの英語学校で学ぶ子どもたち』(2012, オセアニア出版社)。
この本は、オーストラリアの移民の子どもたちがどのように第二言語の英語を学んでいるかについて、連邦政府の言語政策、移民の子どもたちを受け入れている英語学校の現地調査を踏まえて、まとめたものである。オーストラリアの移民の子どもへの言語教育を政策文献調査
MY BOOK REVIEWS⑦「移動する子どもたち」のことばの教育学
このシリーズの7冊目にレビューする書籍は、『「移動する子どもたち」のことばの教育学』(2011, くろしお出版)。
この本は、2006年から始まった「移動する子ども」シリーズの第6弾として編んだ本である。「序 「移動する子どもたち」のことばの教育を考える」の後、以下の構成で編まれている。
「第1部 なぜ「ことばの力」の把握が大切か」 (第1章、第2章、第3章)「第2部 「移動する子どもたち」の
MY BOOK REVIEWS ⑥私も「移動する子ども」だった―異なる言語の間で育った子どもたちのライフストーリー
このシリーズの6冊目にレビューする書籍は、『私も「移動する子ども」だった―異なる言語の間で育った子どもたちのライフストーリー』(2010, くろしお出版)。
この本は、2006年から始まった「移動する子ども」シリーズの第5弾として編んだ本である。日本語教育の学界では、1990年代から2000年代まで、「日本語指導が必要な児童生徒」(文部省/文部科学省)に焦点化した研究がほとんどを示していた。私も
MY BOOK REVIEWS ⑤「移動する子どもたち」のことばの教育を創造する―ESL教育とJSL教育の共振
このシリーズの5冊目にレビューする書籍は、『「移動する子どもたち」のことばの教育を創造する―ESL教育とJSL教育の共振』(2009、 共編、ココ出版)。
前回のレビュー④で、次回は私の調査について述べると書いたが、前回の『海の向こうの「移動する子どもたち」の日本語教育―動態性の年少者日本語教育学』(明石書店)を刊行した2009年に、「移動する子どもたち」と題する本が、もう一つあることを思い出
MY BOOK REVIEWS ④海の向こうの「移動する子どもたち」の日本語教育―動態性の年少者日本語教育学
このシリーズの4冊目にレビューする書籍は、『海の向こうの「移動する子どもたち」の日本語教育―動態性の年少者日本語教育学』(2009, 明石書店)。
この本は、2009年に刊行した『「移動する子どもたち」の考える力とリテラシー―主体性の年少者日本語教育学』(明石書店)と同年に刊行した、「移動する子ども」シリーズの第3弾として編んだ本である。この本のカバーデザインも、桂川潤さんにお願いした。海の向
MY BOOK REVIEWS ③「移動する子どもたち」の考える力とリテラシー―主体性の年少者日本語教育学
このシリーズの3冊目にレビューする書籍は、『「移動する子どもたち」の考える力とリテラシー―主体性の年少者日本語教育学』(2009, 明石書店)。
この本は、2006年に刊行した『「移動する子どもたち」と日本語教育―日本語を母語としない子どもへのことばの教育を考える』(2006, 明石書店)に続く、「移動する子ども」シリーズの第2弾として編んだ本である。私が早稲田大学に着任してから7年後の刊行で
MY BOOK REVIEWS ② 「移動する子どもたち」と日本語教育―日本語を母語としない子どもへのことばの教育を考える
このシリーズの2冊目にレビューする書籍は、『「移動する子どもたち」と日本語教育―日本語を母語としない子どもへのことばの教育を考える』(2006, 明石書店)。
この本は、2002年に私が早稲田大学に着任してから最初に編んだ本であり、のちに「移動する子ども」シリーズと呼ばれる研究書群の第1冊目となる本である。「在日ベトナム難民家族」の人類学的なモノグラフ、『越境する家族―在日ベトナム系住民の生活世
MY BOOK REVIEWS① 越境する家族ー在日ベトナム系住民の生活世界
このシリーズは、私が「移動する子ども」学を構想するようになった経緯や問題意識を、私の書籍をセルフ・レビューする形で述べてみたいと思う。
最初にレビューする書籍は、『越境する家族―在日ベトナム系住民の生活世界』(2001, 明石書店)。
この本は、「ベトナム難民」として日本に定住した人々について人類学的調査を行い、1997年に大阪大学へ提出した博士論文をもとにした書籍である。科研費の出版助成を受