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貸借対照表~負債の部

髪を切った。

「髪切ったんだけど?」
「知ってるよ」
「何か一言ないわけ?」
「アンタだって、オレが床屋行ってきても、何も言わないじゃん」
「男と女は違うんじゃん。どうしてそういうトコだけは同列に扱うかな」

こんなのは序の口。
もう諦めたから、こんなことで心が折れたりはしない。

「年賀状、○○(私の娘)の住所、違ってるよ」
発端はただそれだけだった。
「あ~!!そうだったね!忘れてた!」で済むはずのこと。
「そんなの言ってくれなきゃ、分かるわけないだろ!!」

「え?!」言わなきゃわからない???まずその言葉にびっくりした私。
「え?!だって、去年だよ?○○(娘)の家、暮れに引っ越して…すったもんだあって…」「そんで私、新しい家にやっと夏に行ったじゃん…」

娘の家庭は今、モメている。マイホームを新築したのが発端で、長年の不協和音が噴出して…。去年の暮れ、引っ越す、引っ越さない、別れる、別れないのゴタゴタがあって(とりあえずは元サヤに収まってはいるが、決して円満とは言えず、本来なら楽しいはずの新居訪問も散々な思いをして帰ってきた)
実子ではない、私の子どもに対する関心が薄いことはもともと知っている。私だって、向こうの家族に自分の身内と同程度の関心や興味が持てるかと言えば、力を込めて「否!!」だから、お互い様だ。
ただ、それにしても、私が一年近く心を痛めて気にかけている問題に対して(もちろん詳しくは何も話してはいないよ?詳細を聞かされていないからって、だからってさ…)関心薄いのだから、年賀状書く段階になって、登録したままの住所録が更新されてなくたって、そんなのよくあることで、そこを責めてるんじゃないんだよ?

繰り返すが
「年賀状、○○(私の娘)の住所、違ってるよ」
に対する反応は
「あ~!!そうだったね!忘れてた!」で済むだけのこと。

繰り返すが
「そんなの言ってくれなきゃ、分かるわけないだろ!!」
「え?!」言わなきゃわからない???まずその言葉にびっくりした私。
「え?!だって、去年だよ?○○(娘)の家、暮れに引っ越して…すったもんだあって…」「そんで私、新しい家にやっと夏に行ったじゃん…」

びっくりした私に、ヤツは逆上した。
「分かるわけないだろ!!何も聞いてないんだからさ~(コレは多くを語らない私に対する嫌み?)言ってくれよ~!!年賀状印刷する前にさ~!ハガキだってタダじゃないんだぞ!」

そう来るわけ?論点そこ?

お腹の内側の部分が、しん…と冷えてくる。

この人の、いったいどこを好きになったら良いんだろう?

絶望しすぎてもう、怒る気も、憎む気もなくなってきた。

だからもう、この人はきっとアスペルガーか何かの病気なんだと思うことにした(病気の中身をよく知りもしないで感覚だけで言っているので、本当にアスペルガーの人、表現が不快だったりしたらごめんなさい)。
この人が、こんなに私の気持ちを推し量ったり、感情を読み取ったり出来ないのは、きっと病気だからなんだ。そう解釈すれば、全てに納得がいく。
望む対応をしてくれない相手に対して、これから先も愛情は抱くことはできないかもしれないけれど、こう解釈すれば、受け入れることは出来る。

そう自分に言い聞かせていたところで、たまたま読んだ本が
『100万分の1回のねこ』
“佐野洋子の220万部ロングセラー絵本『100万回生きたねこ』に捧げるトリビュート短篇集”

まだ1篇め、江國香織の『生きる気まんまんだった女の子の話』を読んだだけだけど、本当に心から誰かを愛してしまったら、生き返れなくなっちゃうから、自分が絶対に好きになれないと思う男の人と結婚する女の子の話。
“女の子は、夫の何もかもが気に入りませんでした”
気に入らない中身は違うけれど
女の子のように、別に生きる気まんまんなわけじゃないけれど
案に相違して、“何もかも気に入らない夫” を選んでしまった私。

“手のかかる夫が亡くなると、女の子は、初めて思うさま泣きました。散らかすひともいびきをかくひともいなくなった家の中はがらんとして、自分がからっぽになったようでした。ー中略ー 好きだと思ったことのない夫に、会いたくてたりませんでした。”

私は、好きだと思ったことのない夫が、もしも先に死んだら
泣くんだろうか?



全然関係ないんだけど
“月日は流れ、子供たちは、それぞれ医者と教師とコンピュータ・プログラマーとなり、家を出て行きました”

そして最後は
“死んだ父親もやがて死ぬ母親も二度と生きかえらないことが、医者と教師とコンピュータ・プログラマーになった子供たちには、ちゃんとわかっていました。”
って結んであるんだよね。
ちゃんと職業を付けることって、エクニ氏にとって必要な描写だったのかな? 気になる。


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