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短歌

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飽きるまでアベレージ・ガイ生きていく
セオリー通りのバイブル燃やす

沙と汐で構成された青春
テトラポッドに砕けて波は

さみしさまぎらわせるため吸い込んだ

甘くて苦いアラブのパイプ

浴槽に貯めた安らぎ星満ちて

蛇行する夜弾き飛ばされ

それはそれ結果として凛凛しい花

咲きゆけばまた洗われるから

タピオカの危うい色をすくいとる給仕係

やや硬い時間は転がって

花柄のナイフ手に取り話す彼
ハイウェイで見た空の続きを

彼女(仮)彼氏(仮)互いの弱さ示すマーク消す日

庭園を世界の地図になぞらえて
砂漠のぶぶん離島のぶぶん

軽々とオゾンの層をひっぺがし
精神と時の星に住まう

簪の赤を包んで風が鳴く
明日にかけては種が降ります

続々と紙風船が街の谷間に
光透かしてみる命たち

緑いろざわめく木々のその音に

くすぐられた耳が放つリズム