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はじめての妊娠。不安を乗り越え、健やかに過ごすためにやったこと

はじめての妊娠期をふりかえりながら、産休までにマタニティライフと仕事を健やかに両立させるためにやっておくとよいと思ったことをまとめます。

とくに、わたしのような働く初産婦の方や、妊娠中の方を身近でサポートされる立場の方にこの記事が少しでも役立てば幸いです。

筆者プロフィール
・ITベンチャー人事マネージャー(新米)
・産休に入るまでフルタイム勤務
・妊娠9ヶ月初マタ

大切な3つの備え

自身の経験をふりかえって、妊娠期間中の健やかなワークライフのためには以下の3つの準備をしっかり行うのが大事だったな、と整理してみました。

体調変化への備え

体調変化は生理的なものなので、努力でそれ自体を避けることはできません。だからこそ、その負担を少しでも減らす工夫ができるといいよなぁと実際に体験してみて痛感しています。

仕事に及ぼすインパクトへの備え

身体の勝手や出せるパフォーマンスが変わる分、周囲への負担や自分が果たせている役割についての不安もありました。

わたしは妊娠発覚から産休までは半年程度でしたが、不安を抱えて働くには長い時間です。産休に向けた引継ぎや体制整備に加えて、平時とは異なるコンディションのなかでも無理せず前向きに働くための備えという観点も大切だなと感じます。

出産・育児への備え

仕事も大事ですが出産・育児に対する心理的・物理的準備が一番不安でした。(今も不安ですが…)
家庭環境や出産時期によって必要な準備やタイミングにも違いがあるので、周りをあてにしすぎず自分で調べる必要があります。


ここから先は、3つの観点ごとに実際にわたしがやったこと、あまりやれなかったけど大事だと感じたことを具体的にふりかえってみます。
興味のあるところだけでもご覧いただければと思います!

早めの職場報告で周囲のサポートを受けやすく

自分がマネージャーだったこともあり、引き継ぎや組織への影響も考え、妊娠2か月目くらいで代表と取締役、自チームのメンバーに伝えました。

早めに伝えておいたことで、つわりのひどい時期に予定されていた出社の必要な仕事をほかの人に代わってもらうなどの対策が取れてよかったです。

「妊娠報告は安定期に入ってから」という話もよく聞きますが、つわりなどの体調不良でのお休みや、体への負担を考慮してアサインを変更してもらうなどの対策が取りやすいという意味では最低限の関係者に伝えておくほうが安心だなと個人的には思いました。

体調変化を予習してちょっとでも出来る対策を

自分のコンディションが今後どのような状態になりえるのかを早めに確認しておくことで、体に負担の少ない働き方や生活の工夫をしやすいです。

妊娠中の体調変化は、マイナートラブルを含めて地味にキツイことがたくさんあり、そのほとんどが妊娠するまであまり知らなかったことでした。(これについては別の記事にしてみようかと思います)

体調には個人差もあるので、実際に妊娠経過が進まないとどうなるかはわかりません。
とはいえ、出産準備や仕事の計画を立てるにも、自分のコンディション変化を織り込まずに考えていたら全然予定通りに進まなかっただろうなと思います。

世に出回っている妊娠中の体験記を読み漁ったことで、今後の自分の変化をイメージしながら、無理せず過ごせるよう仕事や出産準備の段取りを考えやすくなりました。

ただし体調変化の起こり方や感じ方は本当に個人差が激しいので、見聞きした情報は、「こんなことがあるかも」くらいに思っておくのがいいと思います。

「ちょっと手を抜きすぎかな?」くらいで働く

途中から気づいたのですが、普段より数段上の余裕を持てるペースで働くくらいがちょうどいいなと思いました。

というのも、わたしは妊娠中期まで何一つ心配事もなく順調な妊娠経過をたどっていたのですが、29週の健診で切迫早産のリスクを指摘され、産科の先生から「できる限り早く、可能なら明日から休職してください」と言われてしまったことがあります。

なんとなくお腹が張りやすい感じがするな~とは思っていたのですが、週の大半は在宅勤務でしたし、無理している感覚はまったくありませんでした。

先生に指摘をされてから、仕事中も意識的に手を止めて体の状態をよく気にするようにしてみると、結構な頻度でお腹が張っているではないか…。
ちょうど新しいプロジェクトが佳境で、はじめての経験に夢中になっていたので、ミーティングや作業に集中している時間が長く、気づかなかっただけみたいです。

仕事に夢中になれるのは純粋に幸せですし、任されているポジションによっては、「そんなに余裕をもって働くことなんてできない」と思うこともあると思います。(自分もそうでした)

こればかりは職場環境や仕事の状況にもよるので何とも言えないですが、自分が仕事の責任者であると同時に、お腹の命の責任者でもあると思うと、母体の安全を維持する努力も大事だよなぁと思わされました。

家事の自動化で体力を温存

安定期の一番元気な時でさえ、1日8時間働くだけでしんどかったので、家事からは可能な限り逃げることで体力を温存するようにしました。

妊娠前から自動化家電を揃えていた+人手が必要な家事は夫が率先してやってくれたので、体調がつらい時期はとっても助かりました!

(上のお子さんがいらっしゃる方は仕事+家事+育児という異次元の大変さの中でお腹の子を育てているので、それはもう脱帽です…)

  • 食品・日用品はネットスーパー

  • ドラム式洗濯機

  • 食洗器

  • お掃除ロボット

  • 冷凍総菜のサブスクで平日夜は料理不要に

などなど。

業務の棚卸は早期から

産休取得予定の4か月ほど前から、今担当している業務の棚卸を始めていました。大枠のカテゴリごとに持っている仕事を大小問わず書き出しておき、それ以降も思い出すたびに足していきます。(作成後にもポロポロとでてくるものなので)

個人的に、引継ぎの中でも「何を引き継ぐか」を整理するのに一番時間がかかる気がしていたので、早めに洗い出して眺める→思い出して追加するを何度か繰り返すことで焦らず洗い出せたと思います。

また、妊娠中はさまざまな事情で急遽入院や自宅安静になることもめずらしくないので、やれる時に手をつけておけると安心です。

ちなみに、洗い出した業務の流れや詳細が社内にアウトプットされていない場合は、気づいた時点でドキュメントにしておくと引継ぎがラクになります。

マネージャーや上長との定期的な期待値調整

これは正直もう少しちゃんとやっておけばよかったなと思いつつ、ふりかえるとめっちゃ大事だったなあと思うことです。

わたしは妊娠8か月まで経過がすこぶる良好で、おそらく周囲からも元気そうに見えていたのではと思います。

実際に元気ではあったのですが、疲れやすさや業務外で使える時間の変化から、通常モードで稼働できないと感じる場面は多々あり、そのたびに「責任は果たしたいけど、このままいくときついかも?」「いつもならもっとできるのにな… 」と少なからずモヤモヤしました。

今思えば、通常モードで稼働できないのは当たり前なので、もう少し上長(わたしの場合は代表)にこまめに自分のコンディションや不安を共有しておけば、一人でモヤることは少なかったんじゃないかなーと。

マネージャーや上司の立場としては、妊娠中の心身の変化や体調不良はデリケートで他人からは突っ込んで聞きづらいうえに、「必要な配慮はしたいけど、本人が求める以上に期待値を下げたり、チャレンジの機会を奪ってしまいたくない」という気持ちもあると思います。

察して配慮してもらうことを期待しすぎず、こちらからこまめに状況を共有し、不安がある部分は遠慮なく伝えることが自分にとっても周囲にとっても安心なのではないでしょうか。
(マネージャー目線では、メンバーの状態をなるべく細かに気にしてあげることも大事だと思っています)

人事目線では、会社としてもこの辺の調整サポートは何かしらできそうだなと思ったのでやっていきたい。

これまでのキャリアをふりかえり、復帰後の自分にバトンをたくす

産休・育休を取得すれば、少なからず仕事からしばらく離れることになります。

復職後のこともある程度考えておきたいなとは思いつつ、まずは目の前の出産と初育児に全力で集中できるよう、これまでのキャリアを整理しておくことにしました。

わたしの場合は、ちょうどマネージャーになってから一定期間が経っていたこともあり、等級審査(※)を活用することに。

※私が勤める会社の評価制度で、自分のタイミングで昇給にチャレンジすることができます。
審査ではこれまでの活動や成果、自分の成長や課題、今後の展望についてを発表し、社内の等級基準に照らして評価を受けます。

審査の準備を通して、自分のやってきたことや身につけてきたことを整理すると同時に、今時点で考えている今後の展望や自分の課題なども少しずつ見えてきました。

復職後のキャリアについては、正直イメージしきれていないですし、実際に子どもが産まれてみないとわからないよなーと思っています。

理想を言えばもっとやれることがあるんだと思いますが、まずは産休を区切りにキャリアを整理して、「産休前のわたしはこんなこと考えてたよー」と未来の自分にバトンタッチ。

「この期間は出産と育児に全力で向き合うぞ~」という気持ちの切り替えになると感じました。

あとは復帰後の私が試行錯誤してなんとか道を見つけていくでしょう。(他人事)

保活をいつすればいいか確認しておく

これは個人的に早い段階で知れてよかったことナンバーワンです。
保活は、生まれる時期やその地域の保育園の入りやすさ、家庭環境などによっていつすればいいか変わってきます。

「周りはだいたい1年くらいで復帰しているから、とりあえず生まれてから考えればいいかな~」と思っていたのですが、私の住む地域では夫婦でフルタイムで働いていても1歳での入園ができない可能性がそこそこあると知り、0歳での入園を目指すことに。。

それに気づいたのは今年8月ごろだったのですが、来年4月の入園の申し込みは今年の10月、つまり残り2か月(わたしの予定日が11月なので出産前)で保育園入園申請の準備をする必要があったんですね。
(運よく間に合うタイミングで会社の先輩が教えてくれました。感謝)

結果として申し込みの準備は間に合いそうですが、途中で私が自宅安静になり保育園の見学に行けなくなるハプニングもあり、もし気づくのが1か月遅かったら…と冷や汗でした。
(全部夫に行ってもらいました)

周りにも、「出産前に保活はしていなかったが、生まれてから近くの保育園が募集していないと知り、慌てて調べ始めた」という人が何人かいたので、早めに調べておくのがおすすめです!

経験者に話を聞いておく

家庭環境や生まれる時期によってもいろいろ準備に差があるので、必ずしも自分にとって役立つかはわからないですが、やっぱり経験者の話はリアルで参考になりますね。

私の場合、おそらく生後半年も経たないうちの復職となるので、保育園入園時に母乳育児や寝かしつけをどうしておくとよいのかを早めにイメージしておきたいと思っていました。

妊婦向けの雑誌やメディアで予習したうえで、「実際どうなの?」と思うことを経験者に聞くことで、わからないなりに自分の環境に合わせた準備を考えやすかったです。
(生まれてみたら何も予定通りにいかないということも覚悟はしています…)

私はまだ臨月に入ってすらいないですが、すでにただ生きているだけで体力・体調ともに辛いですし、出産後数か月はまともに眠れないようなので、出産前にでもできることはなるべくやっておけると安心して産休に入れると思います。

市・区の支援事業を調べておく・参加しておく

どこの地域にも何かしらあると思いますが、一度行っておくと何かあったときに「あそこで相談しよう」と選択肢を持っておけるのでよかったです。

私の住んでいる市では、妊娠中に助産師さんと妊娠中や出産に向けた不安や悩みを相談できる機会や、母親学級、保育園選びの相談ができる窓口、出産後に助産師さんが家に来てくれるサポートなどがあります。

市のホームページだと支援内容がイメージしきれなかったのですが、窓口に実際に行ってみると、「こういう相談もできるんだ」「結構頼りになるな」と実感できたので、いざというときに頼れる先を開拓できたのが大きかったです!

産休に入ってしまうと体も重くて動けないこともあるので、早めに行ってイメージできたのはよかったなと思います。

知らないことだらけだったマタニティライフ

夏に京都に行ったときにたべた抹茶パフェ。見るだけで幸せがよみがえります

ふりかえってみて思うのは、妊娠・出産は長期間続くバッドコンディションのなかで人生の一大プロジェクトを進めるという結構ハードな期間なんだなということ。

これまで身の回りで妊娠出産を経験された先輩や友人を何人か見てきましたが、「こんな大変なことをやっていたのか(しかもあまり大変さを外に出さずに)」と改めて驚きました。

私はまだ途中ですが、自分自身が経験したことで、妊娠という出来事の解像度も桁違いに上がっています。

また、人事やマネージャーとしてその期間をどう健やかに過ごせるかをサポートする側としても大きな学びになりました。

今回は書ききれませんでしたが、実際に経験した具体的な体調変化や、妊娠や産休取得に関してにあると嬉しい会社からのサポートについては別の機会にまとめてみようかなと思います。

お読みいただきありがとうございました!

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