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アウトプットを最大化させるフィードバックのもらい方

自分のアウトプットを最大化させるために、フィードバックのもらい方について気を付けていることを書いてみようと思います。

フィードバックで得るべきたった一つのもの

採用面接や履歴書、新しい企画のアイデア、論文やレポート、会議でのプレゼンなど、フィードバックをもらう場面は様々ですが、そもそもフィードバックの目的とは何でしょうか?細かい点は状況ごとにそれぞれ異なってくるかもしれませんが、私は「客観的視点を得ることでより精度の高いアウトプットを出すこと」だと考えています。

つまり、第三者(客観)の視点を知ることによって、自分ひとり(主観)では考えることのできなかったアイデアに繋がったり、より分かりやすい表現で伝えられたり、よいところを磨いてもっとよくしたりすることができるのです。もちろん時には、自分が見えていたもの、気付けていたものと同じものしか得られないこともあります。それでも、第三者の視点を借りることによって、自分が感じていたことをより確かなものとして捉えることができます。率直でまっさらな第三者の視点こそが、誰かにフィードバックをもらうことでしか得られないものであり、フィードバックで得るべき最優先のものであると感じています。

プロスポーツ選手は、コーチからフィードバックをもらいます。ベテランの塾講師だって、授業を作るために何度もフィードバックをもらって修正します。どんなに経験が豊富でも、自分以外の誰かになることはできません。だからこそ、自分以外の誰かの見え方、受け取り方をリアルに知れることは、メリットになるのです。

その1:背景を共有する

率直でまっさらな視点と書きましたが、より精度の高いアウトプットを出すために有効な視点を得るには、必要な前提を共有することが大切です。そこで必要なのが、フィードバックの依頼の前に、その取り組み(面接での自己PR、企画しているイベント、作成中のレポート、会議のプレゼンetc)の背景を共有することです。

・なぜやっているのか
・目指しているゴールは何か
・どのような課題を感じているのか
・どのような仮説のもとに現在のアウトプットを出したのか
・現在のアウトプットに至るまでにどのようなプロセスを辿ったか

この前提条件があるかないかで、依頼する相手の反応や受け取り方も全然変わってくるはずです。ただ、フィードバックを依頼する相手にもよりますが、現在のアウトプットだけから読み取れることは限られています。仕事の上司であれば、自分が担当している業務のことはある程度知っているかもしれませんが、どのような文脈のもと現在のアウトプットが出てきたのかまでは分からないと思います。

「普段ならこうするけど、今回は××という目的だから~~した」などの前提を聞くことで、相手もフィードバックのポイントがわかりますし、その前提で自分が気づいていない点にも言及してもらえるかもしれません。できるだけ同じ文脈の中で感じたことを聞くほうが、結果的にアウトプットを良くしていくための気づきを多く得られます。また、この背景を整理している段階でそもそも自分の詰めの甘さに気づくこともあり、とても大事なポイントだと思っています。

その2:切り口をリクエストをする

背景を共有することで、同じ文脈の中で受け取ったものを聞くことができるようになりますが、「よりよいアウトプットをする」ためにはもうひと手間かけたいところです。それが、フィードバックの切り口をリクエストするということ。

仕事の場において、「まだ途中なんですけど、キリがいいのでちょっとここまで見てもらえませんか?」など、ちょっとした確認も含めて、フィードバックは毎日のように行われていると思います。しっかりと時間をとって、丁寧なフィードバックができることに越したことはないですが、複数の部下を持つ上司であればあちこちからフィードバックくださいと言われているでしょうし、そうでなくても誰だってやるべきことを常に抱えていて、忙しそうにしているでしょう。限られた時間の中でより的確なフィードバックが欲しいと思えば、どういった点を重点的に見てほしいのか、リクエストするのが良いと思います。

ただ、「○○を優先的にみてください」と伝えるのではなく、どのような点に注目し、どのような形でフィードバックをもらいたいのかも伝えます。

「(プレゼンのスライドの中で)ここでは××というメッセージを伝えたいのですが、分かりにくい点やより伝わりやすい表現があれば指摘してください」
「(記事などの文章で)この部分がどうしても冗長な印象になってしまうのですがどこを削るべきか悩んでいるので、その点でアドバイスをください」

など、具体的に見てほしい切り口を伝えることで、限られた時間でもその点を優先的に見てもらうことができます。

一方でリクエストがなかった部分については、軽いチェックで済まされることもあるかもしれません。ただ、アウトプットの背景をしっかり共有していれば、「リクエストはなかったけど、個人的には××の部分で~~と感じた」というような感想をもらえることも多いです。そういう時は、そもそも自分ではここまで考えが及んでいなかったな、という気付きにもなります。あるいは、「これ以外の部分でも感想や指摘があれば遠慮なくお願いします」と添えると、フィードバックする方も優先ポイントを把握しつつ+αのことを伝えやすくなるのではと思います。

その3:粗削りのうちに見せる

最後のポイントは、完璧な状態まで持っていく前に、粗削りの状態でフィードバックをもらっておくということです。何事も、プロセスの最後の方になればなるほど、根本的な部分での修正が大変になります。せっかく頑張って作り上げたものでも、最初の方のプロセスに改善点があると、その後全部をやり直さなくてはいけません。だからこそ、早い段階でフィードバックをもらうことで、自分だけでは気づけない点もキャッチし、スピーディに改善をして精度を高められます。

ちなみに、個人的には最初の方のステップでフィードバックをもらうとき、アウトプットの背景はしっかりと共有しつつも、具体的なリクエストはざっくりと依頼することが多いです。最初の段階では、大枠の方向性が目的にマッチしているかを見てもらうようにしていて、細かい点は大枠が固まってから見てもらうようにしています。

フィードバックは厳しく率直なほうがいい

このように、フィードバックをもらうタイミングや、事前の背景共有の有無によって、アウトプットへの活かしやすさが変わってきます。

そして忘れてはいけないのは、フィードバックは相手の時間をもらうということ。相手の時間をできるだけ有効に使ってもらい、かつアウトプットの向上に役立てていくには、フィードバックを待つ時間を計算して頼む必要があります。それだけでなく、自分では気づけない点をできるだけ多く出してもらうために、フィードバックに遠慮や忖度は禁物です。これは個人的な意見ですが、フィードバックを自分がする側のときも、受け取る側のときも、心構えとして必要なのではないかと思います。

少し話はそれますが、長らく一緒に働いている仲間や、自分よりも経験のあったり上の立場の人に対してフィードバックをする際、「この人だったら大丈夫だろう」という気持ちで見ることがあります。自分自身もそういう経験がありますが、これは「客観的視点を得ることでより精度の高いアウトプットを出す」ために、障害になりうるフィルターでなのではないかと思っています。相手が既に気づいているかどうかに関係なく、第三者はこう感じたというその情報自体が、アウトプット向上には大切ですし、他の人に見てもらう意味だと思うのです。

だからこそ、フィードバックは常に率直であるべきですし、「相手はこんなこと分かっているかも」「ちょっとひっくり返すようなことを言ってしまうかも」という気持ちは置いておいて、シビアに見て、聞いて、伝えられたほうがいいと思います。なあなあなフィードバックほど、お互いの時間を無駄にしてしまいます。

フィードバックをもらう側としても、フィードバックは他の視点を得られること自体がメリットなのだという心構えで、まっさらな気持ちで言われたことを受け止める。アウトプットを高めていくためのヒントと捉え、取り込んでいく姿勢が大事なのではないでしょうか。

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フィードバックのもらい方だけでこんなに長文になるとは考えていませんでしたが、最近フィードバックに助けられたことが何度もあり、やっぱり仕事は一人ではできないとつくづく感じています。
社会人になりたての頃は、「どうですか」みたいな漠然としたフィードバックを求めていた記憶がありますが、フィードバック一つとっても、準備や工夫でアウトプットの改善度合いは大きく変わるんだということを、色々な人から教わってきたんだと思います。頻度の高いものこそ、ちょっとした改善が積み重なって大きな変化につながりますよね。

読んでいただきありがとうございました。

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