見出し画像

未経験で採用人事になった私が2年間で学んだことをふりかえる

未経験で採用人事になってから2年間。なんと先日会社の準MVPに選んでもらいました(驚)。いつも私を支えてくれる周りの人への感謝の気持ちを込めて、これまでの2年間をふりかえってみようと思います。

持っていたのは勇気だけ。予備校からITベンチャーへ。

社会人2年目が終わったと同時に、初めての転職でフィードフォースに入社しました。「ポテンシャル採用担当」という役割で、前任(現在の私のマネージャー)から徐々に業務を引き継ぎ、ゆくゆくはポテンシャル採用全般を担うポジションです。前職では予備校にて高校生の進路相談や学習指導をしていた私は、人事・採用はもちろん、フィードフォースの事業領域であるデジタルマーケティングについても、知識や経験はありませんでした。

転職の背景はこちらのインタビュー記事で簡単に話しています。

逆に当時私にあったものはといえば、何も知らない業界で未経験の領域に飛び込んでしまえる勇気くらいです。今思えば、あまり深く考えずに「ナニコレ面白そう!」という感じで決めたような気がします。よく採用してもらえたな。。。

そんなこんなで入社した当時は、右も左もわからず、新社会人になった時の気持ちでした。一応中途入社だったので中途向けの研修を受けましたが、横文字が多すぎて何を言っているのかさっぱりわからない。前職では手帳とノートですべての仕事を管理していたのに、ノートを持ち歩いている人なんていないし、みんな体の一部のようにPCを使いこなしている…!
別世界に来てしまったんだと自覚しました。

経験がない分、頭を使って本質を考える

入社して5カ月ほど経った時、業務を引き継ぎ、いよいよ翌年度の採用を自分がリードしていくことになりました。

その1年目の採用で一番学んだのは、経験がない分とにかく頭を使って考えるということ。採用といっても、本質的には課題解決をすることなので、採用という業務を分解しながら、それぞれのプロセスで解決すべき課題点を整理し、それに向けたアプローチを考えればいいんだと気づきました。

「目指しているのは何か?」
「解決すべき課題は何か?」
「原因は何か?」
「考えられる方法は何か?」
「優先すべきものは何か?」
「このチームでできることは何か?」

もちろん、代表的な理論や手法については勉強しなければいけませんでしたが、そのあたりは経験豊富なマネージャーからオススメ書籍や基本的な考え方も含めて教わったことで効率的に習得することができました。また、既存の採用業務を引き継ぐ段階ではマネージャーから「なぜその施策を導入したか」「なぜこの方法を採用しているか」などの背景を詳しく教えてもらえたおかげで、採用業務の本質的な部分を早くから捉えられるようになったと思います。

こうして、経験がない自分にも、業務の一つ一つの本質を捉えた上で課題解決を重ねていくことで、「採用」という巨大な未確認生命体の正体に、わずかながらも迫ることができました。また1年目に私がマネージャーに施策の背景や手法について聞きまくったことにより、「なぜコンピテンシー面接をするのか」や「効果的な魅力付けのために何を気を付けているか」など、「経験者が無意識的に分かっていること・できていること」が言語化されていきました。社内の情報共有ツールに大量にまとめており、2年目以降も基本に立ち返りながら採用と向き合う助けになっています。

やることよりも、やらないことを決めること

1年目に学んだもう一つのことは、やらないことを決めるのがいかに大事かということ。採用の仕事に限ったことではないと思いますが、「やったほうがいいこと」は考えれば考えるほど出てくるものです。マネージャーには「やらないことを決めることが大事」と言われるものの、初心者だった私には、漠然と「できていないこと」への不安がつきまとい、あれもこれも手を付けようとしてしまいがちでした。

そこで助けになったのが、「OKR」という考え方。企業のチームメンバーそれぞれの目標(Objective)と、期待されている結果(Key Result)を明確にし、組織のオペレーションとコミュニケーションを効率化するための手法です。会社全体でもチームの目標管理の枠組みとして導入しており、人事部にも OKR があります。 

この中で特に私が衝撃を受けたのは、「フォーカスをすべき指標を絞り込む」ということでした。「やるべきこと」が明確になる分、「やらないこと」も決めやすい。ポテンシャル採用では時期ごとに特に追うべき KR を決めて、それを達成すべき施策にフォーカスして取り組みました。この OKR という考え方を知ったことで、思い切ってやらないことを決められるようになったと思います。

OKR は、導入するだけで結果を出せる魔法の杖では決してないのですが、「限られたリソースを何に注げば目指すゴールへ近づけるのか?」という自問自答をすることが習慣として身に付きました。それによって、尽きることのない「やったほうがいいこと」の扱い方を学べたような気がします。

三度の飯より「ふりかえり」

ここまで「業務を分解して一つ一つの本質を捉えること」「やらないことを決め、フォーカスすべきことに集中すること」を学んだと書きました。とはいえ、業務の本質を的確に見極めたり、効果的にレバレッジを効かせたフォーカスを決めるには、やはり経験を積むことでしか得られないコツがあると感じています。それらのコツを早くつかめるようになるために欠かせなかったのが、「ふりかえり」でした。

1年目の採用活動の終わりに、年間のふりかえりをすることになったのですが、その時にふりかえりの経験が豊富な社内のメンバー(下の方の記事の人)に教われるありがたい機会がありました。

そこで知ったのが、

「ふりかえりは、課題だけでなくよかったことにも積極的にフォーカスしていい時間」
「施策の結果に対してだけでなく、チームのコミュニケーションや情報共有の仕組み・ツールに対しても意見を出していい」
「ふりかえりは、改善やカイゼン(※)をして自分やチームを高めていくためのもの」
※ここでのカイゼンはよかったことを更によくしていくという意味です

ということです。
フィードフォースに入る前は、「ふりかえり」というと「(自分が)至らなかったことやできなかったことを反省する」ために行うもの、というイメージでした。しかし、フィードフォースでの「ふりかえり」は、「自分を含めたチームがよりよい成果を出し成長していく」ために行われていて、「よかったことやできたことを認める」時間でもあったのです。

初めての採用活動では、当然うまくいかなかったことのほうがたくさんあるのですが、この「ふりかえり」によって、来年さらに伸ばしていきたいことにも気づくことができました。そして何より、純粋に「チームでよりよい結果を出していくため」という視点で行うので、「早く次年度の採用にとりかかりたい!」と思えるほど、ポジティブな気持ちで課題点に向きあうことができるようになったのです。

採用活動には正解がないので、自社の強みを最大限に活かしながら、自分たちなりの勝ちパターンを模索しないといけません。そのためには、改善点・カイゼン点の両方を定期的に把握して、スピーディにアクションに移していくことが本当に大切です。「ふりかえり」によって、経験から学びや気付きを余すことなく搾り取る。フィードフォースでは新入社員向けに「ふりかえり」研修があるほど、「ふりかえり」を大事にしているのですが、この威力に気づいたことである意味、未経験をハンデに感じずゴリゴリ進んでいけるようになったと思います。

チームで働くって、さいこう!

つらつらと偉そうなことを書いてしまったのですが、最後にこの2年間を通して叫びたいことを一つ。

チームで働くって、さいこう!(↓は社内で使っているSlackリアクション)

画像1

フィードフォースでは、ポテンシャル・中途にかかわらず、採用活動は現場メンバーとプロジェクトを組んで行っています。私が入社以来主導してきたポテンシャル採用は、毎年有志のプロジェクトメンバー5~6名と、現場社員代表として採用セミナーへの登壇者が3~4名、面接官として経営陣が4~5名、と総勢15名程度のメンバーの協力を得て成り立つものです。登場シーンはそれぞれ違えど、採用活動の中で欠かせない役割を担ってもらっています。

特に採用プロジェクトのメンバーは採用セミナーの運営から面接、選考の合間の社員面談、入社前フォローと長期にわたって超重要なポジションを担ってくれており、このメンバーがいるからこそ私が考えた施策が実行できるのです。各メンバーは本業が別にある中での活動にもかかわらず、積極的な提案や発信をしてくれて、私自身がものすごく支えられていました。私は中途入社で、かつ入社歴も浅かったからこそ、新卒社員の視点や、フィードフォースらしさに気づかせてもらう機会がとても多かったです。

私(人事)だけでは足りない部分を、現場社員のプロジェクトメンバーが担う。私は、プロジェクトメンバーの力を最大限に発揮してもらうための作戦を考え、実行をリードする。こうして、チームで採用をやっていくことが何よりも楽しかったのです。

だからこそ、「成果を出すだけでなく、採用に参加した社員にもプラスになるような活動にしたい」と思っています。ここについてはまだまだなので、今後の採用活動で少しずつ実現していきたいです。

「人事部採用担当」から、「採用を担う人事」へ

完全に個人的な感覚になりますが、私がこれまでやってきたことは「人事部というグループの一員として、採用を担当する」ということだったかなと思っています。つまり、私のゴールは採用の成功でした。

2年間採用をやらせてもらって、今後は「採用を担う、人事」になりたいなと思っています。つまり、「採用」という仕事を通して、会社をよりよくしていく、「人事」という役割をしっかり担えるようになりたいということです。「そんなデカいこと言う前にまずは足元の採用でできていないことをできるようにせえ!」という声が聞こえてきそうですが、それは本当にそのとおり。まだまだ採用の中ですべきことは山のようにあります。でも、2年間の採用担当時代を経て、当たり前といえば当たり前ですが、採用の仕事は人を雇うことがゴールではないと、肌で感じる出来事がたくさんありました。これまで読んできた本にも、人事の役割として当たり前のように書いてありますし、ベテランの人事の方には当たり前すぎてわざわざ考えることではないんだと思います。とはいえ、自分の経験をもってそう思えたことが一つの進歩なので、今後は会社に必要な人事となるべく、精進していきます。

なんだかんだ長文になってしまいましたが、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。これから社員の情報発信を促進するため、ニガテながらも note での発信を増やしていこうと思いますので、頑張ります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?