「組織のお金で機械を買ってくれ」と言われた。〈ボランティアとして現地の人のためにできること〉ってなんだろう

農園への同行

ホストファミリーの親戚に農園を管理している人がいるため、私にも見てほしいということで同行することに。

私のいる町はマンゴーやレモンの生産がとても盛ん。もしかしたらペルーで一番の町なのではないか、というくらい盛んです。

それゆえに多くの国に輸出している現状があり、日本でも私の町タンボグランデ産のマンゴーは売られています。


本日行った場所も大きい農地でマンゴーなどの生産を行っており、全てオーガニックで全て輸出用に作られているとのこと。

君の助けが必要なんだ、と農園の地主や親戚が言いながら説明をしてくれたのですが、一通り説明を終えた後こんなやりとりがありました。


「君の助け」とは

・オーガニックを続けていくためにはそれ用の道具が足りない。
・機械がないのでパッキングは人の手で行っている。
・マンゴーを冷やすための部屋が小さい。
そんな感じで説明をされていたのですが

最終的に話し終えた後に

それらがほしいから「君の助け」が必要なんだ

と言われました。

、、、、なるほど。

言っていることは理解しました。

どうやら彼らは私ではなく私の後ろのJICAという組織に向かって言っているみたい。


「私はお金出せないよ。」

と答えると

『うん、でもJICAはお金もっているでしょ?』

と一言。


やっぱり。そういうことで連れてこられたのか、、。


私がJICAのお金を使うことができないことを説明すると彼らはこういいました。

『他の組織は財政的な援助していないの?JICA以外にもそういう組織あるでしょ?俺たちは助けが必要なんだ。』


どのプロジェクトでここに来たのかの説明

はっきり言ってしまっていいのか迷いましたが、変に期待をかけるのは嫌だし、実際私はお金を一円も払えないのでそれはできない旨を説明しました。

その説明の仕方が正しいのかはわかりませんが、説明したほうがいいなと感じたのです。


ちょっとだけ勇気を出して伝えたこと
・私はお金をもっていないこと。そしてJICAも個別的に機械を買ってあげることはできないということ
・JICAプロジェクトの一環で草の根で活動できるボランティアである私が派遣されていて、その私がJICAのお金をさらに使って働くわけではないこと
・ここに助けが必要なのはわかるけれど、助けが必要な人は他にもたくさんいて、すべての人にお金を使うことはJICAもNGOもできないこと


帰り道に考えたこと

彼らは納得してくれました。

親戚の車の中は、少し気まずくなりましたが。笑


「機械が欲しい!」

という彼らに今の私ができることって何だろう。お金は使えない。80,000ドル(約9百万)の機械なんて買えない。失望させてしまった。仕方ない、けれどもお金を使わずに私は何ができるんだろう?


正直、輸出の促進は私の要請にはありません。

もっと町に密着した活動が求められています。


でも木をみたり森を見たり木をみたり。

小さな町の問題は世界的な問題につながっているし、世界的な問題は小さな町に影響しています。だから要請外の内容でもどこか関係してくることもあると思い、むげにはしたくない。


どう関係してくるのか?

役場に配属している私は何ができるのか?

お金を使うことができない私が彼らのために何ができるのか?


そんな感じで「考えたこと」と「そのうえで私に何ができるのか」。

考えたこと

・最近のペルーの事業の内容を見る感じだと、この町への援助は最近始まったばかり
・JICAはこの町のことをおそらくまだよく知らないし、何が必要なのかを含めて私がまずは調査する必要がある
・きっとそのうえでJICAはさらにこの町に援助が必要なのか、必要だとしたらどんな援助だといいのかを、ペルー全体をみながら考えるのだろう
・もし必要なら「ボランティアの派遣」以外に大きいプロジェクトなどが入る可能性もあるのだろうか


「お金の使えない私」にできること

・町の状況を知る。人々が何を考え、何を欲し、何に悩んでいるのか
・知ったことを伝える。でも誰に何を伝えるのか?(報告書でなのか、SNSでなのか、帰国後なのか、活動を通してなのか)
・今日会った彼らの潜在的なニーズを知る。「機械が欲しい」のその先にあるのは何なのか。収入向上?安定顧客の増加?マンゴーの品質向上?
・潜在的ニーズを知ったうえで、お金をかけずに私が2年の内でできることを考える
・考えたことを実行する

そんな感じでいろいろ考えてみたうえで、帰り道隣にいる親戚に私が考えることとできそうなことを伝えました。

事実を伝えてみたら…

お金は使えない。JICAも機械は買えない。

と伝えたとき落胆の表情と言ったら、、。

ごめんなさい、使えない人間で。笑


でも仕方ないものはどう頑張っても仕方ない。無理なものは無理なのです。

欲しいと言われるがままに個人的に一つの組織のために1千万円近くのお金を使っていたらいくらお金があっても足りません。


がっかりされたけれど私にはこの程度の権力しかないんだよーー無理だよーーって早めにわかってくれてよかったと思います。

がっかりされたけれど、事実を伝えてよかったです。


求めてもお金の出てこないボランティアとして私が現地のためにできること。

それは今後も考えていきたいです。

サポートありがとうございます!! いただいたサポートはペルーでの活動費用、地域や国際協力についての学び、出張費に使わせていただきます。