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脱・片づけられない女。運気上がるってホント?

 お部屋を綺麗にしたら運気が上がるって話、みんな一度は聞いたことがあるんじゃないだろうか。
『3日で運が良くなるそうじ力』とか『人生がときめく片づけの魔法』とか『断捨離』とか…私が若かった頃から定期的にそういった本が流行っている気がする。
 汚屋敷育ちで子どもの頃から恥ずかしい思いをして来た私は綺麗なお部屋に人一倍憧れが強いので、ずっとこんな本を読み漁って来たし、ネットが普及してからは、ネット記事やらYouTubeなんかで、片づけやら掃除やらについて見るのだ好きだった。ちなみに私が一番好きな掃除本(?)は『片づけられない女のためのこんどこそ!片づける技術』という漫画である。

 本を読んで知識はあるものの、何せ汚屋敷育ちであるから片づけの習慣は全く身についておらず、加えてADHDなので散らかす才能は人一倍あり、双極性障害のうつ期(Ⅱ型なのでうつ期が長い)には起き上がるのも困難になる、という状況も相まって(絶妙に自分のせいではないと言い訳しているような気もするが)、一人暮らしをし始めてからも長らく汚部屋で埃をかぶって過ごしていた。いつも酷く疲れていたし、自分を情けなく思っていた。

 今は人から「モデルルームみたいですね」と言われるくらいお部屋が片づいている。ミニマリストだの断捨離アンだの呼ばれる人たちほどではなかろうが、物が少ない。人が来る前に大掃除をしているのではなく、毎週末にお掃除をしていて(要領が悪いのか4時間くらいかかるが)、大体いつも片づいた状態をキープ出来ている。

 前は大掃除をして一瞬綺麗にしても、すぐに散らかしてしまっていたのだが、今は物を出したらさっとしまったり、床が汚れていたらぱっぱとクイックルワイパーをかけたり出来るようになった。詳しいメカニズムはよく分からないのだが、双極性障害の治療のためにレキサルティという薬を飲み始めたら、ADHDっぽさも軽減されて、体を動かせるようになったのだ。
 何だか、お掃除や片づけの哲学的なところを語っている人からすれば、もしくはそれで本当に悩んでいる人からすれば、薬を飲んで…というのはチートのようであるが、お部屋を綺麗にしたら運気が上がるって本当だった?というところを語ってみたい。

 まぁ、まず年収が爆上がりしたとか、あれよあれよという間に運命の人と出会って結婚したとか、はたまた病気が治ったとか、そういう目に見えた変化は特になかったように思う。特に結婚については大変期待していたので残念である。ただ、全体的に見て運気は上がったものと思っている。
 一つには、ここ3年ほどいじめにあっていない。同じ経験をしている人になら共感してもらえると思うのだが、いじめられやすい人というのはいつでもどこでもいじめられる。私は大学以外の全ての学校でいじめられたし、5回転職しているがそのうち4つの職場でいじめられた。今の職についてから転勤があったが、転勤する前も後もいじめにあった。3年もいじめにあわないというのは画期的である。
 もう一つには、合う薬が見つかって体調が安定した。レキサルティに加え、トリンテリックスを飲み始めてから、うつ状態に陥ることがなくなった(小さい波はあるけれど)。あんまり死にたいと思うこともなくなった。
 どちらも普通の人からしたら当たり前のことかも知れないが、絶え間ないいじめに苦しみ、うつでのたうち回り、死にたい死にたいと思って生きてきた私にとっては、平穏そのものの日々が有難い。あ、ついでと言ったら何だが、お掃除をすると痩せるって話があるが、私は10kgほど痩せた。もちろんどれも綺麗なお部屋との因果関係は分からない。

 だからと言って、精神疾患の人にお掃除やら片づけをおすすめしようなんて私は思わない。病気が酷い時にはそんなこと出来るはずがないということを知っているから。毎日ある程度のお掃除や片づけが出来る、そんな体力があり、そういう精神状態である、そのこと自体が実はめちゃくちゃ運が良いことなんだって思っている。


 

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