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トモダチアソブヨ、ともだち記念日

現在4歳の息子が軽度知的障害と自閉症傾向を併せ持つと診断されたのは一年半ほど前。

喋れない。

極度の偏食で給食食べられない。

帽子がかぶれない。

友達とかかわれない。

集団にいられない。

運動会や、学芸会で顔出して参加ができないため、体育座りで顔隠すか、先生に抱っこ。


ないないない…。でき「ない」ばかりについつい目がいってしまっていました。

息子はかわいいし、認めたい気持ちや、彼なりの生き方とはなんだろうと考えて、色々走り回っていて、診断が出たときには正直少しほっとしてしまいました。
比べない、受け止めよう、わかっているのに聞かない息子に悲しくなったときもあります。

初めての保育園の運動会で1人うずくまっている息子を見ていたら、この子はこれから人より少し苦しい人生かもしれないな…と涙がポタポタ落ちたのを今でも思い出します。

お風呂で毎日
「今日は保育園楽しかったかな」
「何したのかな?」

無言な息子。

「…お母さん、息子くんとお話したいなー。お話したいんだよー」

この3つの言葉を最近まで1人で話しかけていました。

今年の学習発表会も運動会もみんなと同じようにはできませんでした。

でも、発表会では、毎年絶対嫌がっていた衣装が着られました。ステージで寝っ転がりませんでした。そしてなんと体育座りで顔を伏せながら、隊形移動するという(自分の立ち位置を把握している)という、荒業まで!ものすごい進歩!最後に親指を立てたイイネポーズ、やっぱり顔を伏せたまま、体育座りで!絵的には面白だけど、私は感動しました。


彼なりに参加していて、「できた」がそこにあったのですね。


勝手に他の子と比べて、できないと決めつけたのは私でした。

保育参加に行った日。周りの様子をビクビク見ながらワンテンポ遅れての行動をとる息子。表情なし。

もちろん他の子は数人で固まり遊べてるけれど、息子は1人で遊んでいる。お話ができないからか、話しかけられても無言。

でも、バックを決められたところに置く、コップを置く、席に着く、お話を聞く。
他の子には当たり前のことなのかもしれないけれど、みんなと行動できていました。保育園での2年間、本人は必死に戦っていたのだと反省しきりです。
まずは彼にとっては保育園に行くこと、決まったことをやること、それで精一杯だったんだということもわかりました。

人よりゆっくりだけど、日々の中での小さな「できた」がちゃんとあると、あらためて感じたのでした。

そんな息子の記念日。
帰りの迎えで先生から「息子くん、お友達一緒に遊びを楽しめるようになってきましたよ」と
ニコニコしながら教えてくれました。

恐竜の本を3人くらいで囲んでいた男の子の中の1人に、うちの息子が!
見たことのない姿に、なんともいえない嬉しい気持ちが込み上げてきました。

帰りの車の中で、「お友達と遊んだの?」と聞くと、

「トモダチアソブヨー」
「ブロッコリーシタヨー」(ブロックのこと)

そうかそうか、よかったね、よかったよかった、母は嬉しいゾ。

お風呂でも

「保育園、楽しかった?」
「タノシカッタヨー」

会話が少しできるようになってきている。着実に前進前進。

今日は息子のトモダチ記念日。

毎日が記念日。

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