見出し画像

【退職後の生活】編み物は心を救う

久しぶりに電車に乗って梅田に出ました。
春休み中といえども、平日午前中の梅田は空いています。

阪急百貨店10階で行われていた、毛糸屋さんの、阪急梅田店開店2周年イベントです。

こちらの毛糸屋さんはただの毛糸屋さんではありません(と、私は思います)。

普通に編んでいるだけで、自然に模様になるのです。

モグラグラブ(ぐだぐだですけど)
腹巻帽子(帽子やネックウオーマーなどいろいろに使えます)

最近はよく似た毛糸が売られていますが、色合いも編み心地も格段にこちらの毛糸が良いと私は思っています。

私のように、無心に編むことで余計なことから目をそらしている者にとっては、「編み心地の良さ」は絶対に必要な条件です。

色合いと編み心地の良さだけではありません。

この毛糸が私の心を魅了するのは、販売者である梅村マルティナさんの思いです。

東日本大震災のとき、京都におられたマルティナさんは、気仙沼に向かいました。
自分のできることは編み物で心を癒やすこと、と考えられたそうです。

東日本大震災があった日、私は京都にいました。

原発事故の直後から、ニュースを見たドイツの友人たちから続々と連絡が入るようになりました。彼らは口々に「日本にいるのは危ないからすぐに帰国しなさい」と言いました。確かに子どもの将来のことを考えるとドイツに戻った方が良いのかもしれないと思い始めた私は、帰国の話を子供に相談してみました。すると長男は「ドイツに行けば僕らは安全かもしれないけれど、友だちを捨てて自分たちだけがドイツに行っても幸せじゃない」と反発しました。その時「私がいるべき場所は日本しかない」と気づかされたのでした。

日本に残ると決めてからは、現地の状況を報道で見るたびに、居ても立っても いられなくなりました。私には何が出来るだろう? 被災されたみなさんは何を求めているのだろう? そのことばかりを考えるようになりました。自分が避難所で生活することになった場合、一番欲しいものは何だろう?  毛糸です。

ー 指を動かすしあわせ ー

無心で編んでいる時、本当にしあわせです。つらい時、何もする気力が起こらない時、編むことでとても気が楽になります。 避難所で生活されている方々の中にも、絶対にそう思う方がいるはず。
私が被災地のために出来ることは「これしかない!」と思いました。

マルティナの想い - 梅村マルティナ・オフィシャルサイト (kfsatelier.co.jp)

こうしたマルティナさんの活動や編み物作品が、NHKで日曜の夕方に放送していた『猫のしっぽ カエルの手』で、ベニシアさんによって紹介されました。

猫のしっぽ カエルの手 - NHK

たぶんその放送をきっかけに、マルティナ毛糸のフアンが一気に増えたと思われます。

私もその一人です。

今日はイベントだったので、梅田の阪急にマルティナさんもおられました。
絵本に出てくるような、小さくてカラフルで素敵なおばあちゃんでした。

横に来てくださったので、「かわいいですね」と言うと、「そうでしょ?」と笑っておられました。

迷いに迷って下のコットン毛糸を購入。春夏用のストールを編もうかなと思っています。

これでしばらく心穏やかに過ごせそうです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?