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トライバルデザインって何?カッコイイの?
こんにちは、トライバルデザイナーの伊吹です。
トライバルデザイナーと名乗っているわりには全然トライバルの話をしていないことに気づきました。
アイコンのマイブランド「Ikubee」は猫をモチーフにしたトライバルデザインです。
少しトライバル柄について書いていきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1663900229178-rr5cJFhIsI.jpg?width=800)
■トライバルについて
「英語で「民族の」「部族の」といった意味合いの語。 日本語の中では、タトゥーや音楽などについて用いられることが多い表現。 民族的な感じのある、またはある部族の伝統を参考にした、タトゥーの文様や音楽の調子などを指す語。」
■トライバルデザインには決まった柄があるの?
様々なデザインがありますが、ある程度のパターンは決まっています。
黒を基調に弧を組み合わせたナイフのようなデザインが主な特徴です。
![](https://assets.st-note.com/img/1663899090297-DuOKVTf9C7.jpg?width=800)
このIkubeeのロゴが生まれる前はトライバル柄のキャラクターを作っていました。
私自身トライバル柄が好きだし、猫も好きなので
トライバル+猫=「トライニャル(try-nyaru)」
とういうキャラクターを作っていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1663899627743-AUwoBnBO9a.jpg)
当時は全身がありました。これがIkubeeロゴの原型です。
猫を描くときに、背中のしなやかさ、くねくね曲がる尻尾を描きたかったのもあり全身を描きました。
背中の感じ、後ろ足の丸まった感じなど、シルエットでは真っ黒に塗りつぶされて確認できない部分を、トライバルの表現ならシルエットのような平面な印象を立体的に見せることができる可能性を秘めていると感じていました。
その他にも何種類かtry-nyaruを作り、ステッカーを作っていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1663900543816-6S1uRuYrqV.jpg?width=800)
猫のはずが魚もおりますね笑
そんな感じで黒一色ではありませんが、単色カラーとして楽しんでおりました。
この後にIkubeeのロゴを作ることになり、シンボルマークは黄色のトライニャルの頭部分を整え今のロゴになりました。
その後もトライバル柄の猫のことを「トライニャル」と呼びます。
![](https://assets.st-note.com/img/1663901185768-H3cLlp6prI.png?width=800)
完全に「黒を基調」を無視して多色カラーのトライニャルですが、そのモチーフの原型を保ち、弧を組み合わせたナイフのようなデザインであればトライバル柄だ!と自分を信じながら描いていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1663901952980-l0Rce44KSM.jpg)
私の描くトライバル柄はネットでと検索して出てくるデザインとは似つかない部分もありますが、弧を組み合わせたナイフのようなデザイン(何回言うねん)で描くとトライバル柄に見えます。
猫ではないモチーフも描きます。
墨と朱のインクで描いています。
モチーフは龍ですが、原型がどんどんなくなっていきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1663904409319-PdQfjrcAqf.jpg)
トライバルというデザインの中に、細かく絵を描くこともしています。
実験的に、MDFをデザインした型にカットしその中に描いてみました。
本来、黒を基調にすることがトライバルの基本であったことを完全に覆し、弧を組み合わせたナイフのようなデザインに寄せた結果、トライバルデザインをさらに緻密化したのがこのデザインです。
果たしてこれがトライバル柄のジャンルなのかと疑問ですが、トライバルのNEOタイプだと思っています。
![](https://assets.st-note.com/img/1663904679984-uqkC3MptFK.jpg)
■ルーツは知らないといけない必須科目
伝統的なトライバルデザインは「民族的な」意味があるので歴史的な部分を勉強する必要があります。
黒を基調に弧を組み合わせたナイフのようなデザインはあくまでも特徴の話であってそのトラバルの本質の話ではありません。
ルーツになった島にそれぞれの特色があるように、そのデザインの起源を知ることでよりトライバルデザインが洗礼されていきます。
そのルーツを知らずにただビジュアルのかっこよさを追求すると中二デザインになりがちです。
でも、海外で見かけるトライバルデザイナーは各々の民族柄をしっかりとインプットされています。同じデザインを描くことを求められているからこそできるのだと思いますが、そうであったとしても伝統を新しくブラッシュアップしてるように見えます。
「これが私のタッチだ!」の前に「トライバル」と名乗るならばルーツをしっかりインプットすることが大事です。
■マオリ柄風のデザインをバックパックに
以前にマオリ柄でバッグに描いて欲しいとご依頼をいただきYouTubeにUPしました。
マオリも伝統的なトライバル柄の一つです。「マオリ」の言葉を使うことに抵抗を感じながらも自分なりに研究し描きました。
マオリには尊敬されている彫り師がおります。
そんな人と肩を並べるなんて恐れ多いと感じ、「マオリ柄風」と書きました。
■トライバルはカッコイイが優先されがちだからこそ歴史が必須
トライバル柄がカッコイイのは、黒を基調に弧を組み合わせたナイフのようなデザインがシンボル的で中二のココロにグサッと刺さるからだと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1663907298342-5WauwgkS8T.png?width=800)
トライバルデザイナーとして名乗るのであれば、歴史を深堀りしていかないと薄っぺらい作品になってしまいます。
もともとトライバルは民族の社会的ステータスを表すために施された誇り高き象徴です。それを「なんかかっこいい、中二デザイン」で終わらすのはとても残念です。
なので、トライバルは社会的ステータスを表すためにある誇りの高き証です。
そんな意味を知ればめっちゃカッコイイデザインなのです!
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