カウンセリング記

先日、ツイッター経由でマシュマロを頂いた。
おそらく長く私の書くものを読んで下さっていた方からだと思う(マシュマロは匿名メッセージサービスなので、どなたから頂いたものか正確には分からない)。
私は昔からよくオタク垢で教育虐待の話をつぶやくため、長くフォローくださっている方は皆、私の歪な成長録をご存知なのだ。

頂いた内容としては、「トラウマ治療が有用だと思うので、カウンセリングに行ってみてはどうか」というものだった。
頂いたマシュマロを読んで、正直なところ少し戸惑った。トラウマって何だろう?、と。

確かに私は阪神大震災で被災しているものの、当時二歳だったことと、すぐに遠方の親戚に預けられたため記憶もなく、また、何か事件の被害者になったこともない。
とりあえずトラウマが何を指すのか何冊か本を読んでみたところ、確かに記載の症状がかなり自分に当てはまった。
そもそもトラウマとは、世間一般に考えられているような大事件の被害者に残される大きな痛みの記憶だけではなく、例えば子供の頃に両親が自分の面前で大喧嘩をしていて怖かった等も当て嵌まるらしい。
この基準なら、私はゴリゴリのトラウマサバイバーだ。

マシュマロを頂いてから、なかなか行動は起こせなかった。
誰かと約束を交わすエネルギーが、圧倒的に足りていなかった。
ドタキャンしても状況を分かってくれる気心しれた友人と、翌日の約束なら出来るが、キャンセル料がかかるようなカッチリした遠い日付の約束は怖くて仕方なかった。上手くいかなかったときのことをどうしても考えてしまって、不安発作に襲われるのだ。
予約の日付がネットでキャンセル可能なほど遠くなく、かといって数時間後のようにすぐ行動すれば確実に守れるものでもない(つまりは数日~一週間程度向こうの)予約が、どうしても怖かった。
当時は全般に予約というものが怖くてたまらず、ネイルは伸びっぱなしになっていたし、まつエクも歯抜けで四方八方に飛び散り、酷いものだった。
守れなかったときの相手の失望や落胆を必要以上真剣に捉えて重荷に思ってしまうから、約束というものが昔から負担で怖くて仕方なかった。それが極まっていたのだと思う。

最初は一カ月だと思っていた休職が延びに延びて三カ月になり、エネルギーの溜め方が私になんとか戻って来て、先日やっと初回カウンセリングを受けることが出来た。
初回を終えてみたら、妙にハイになった。
おそらく自分のことを話したいだけ話せたからだろうし、そこに「判定者」がいなかったからでもあると思う。
精神科の先生は「医療者」であって、患者一人一人に割ける時間は短いし、保険適用内の治療である都合上、シビアな発言や値踏みをするような視線もあった。
私にはどうしても先生が私の存在是非を見定める「判定者」に思えて、心全てを曝け出す気にはなれなかった。

初回カウンセリングの内容は困りごと(私の場合は母との関係が主)の聞き取りに終始した。
かいつまんで話しながら、ボロボロ泣いた。鼻水もアホみたいに出た。
(最近どうも涙腺がガバガバで、少しでも情緒が動くとやたら涙が出る。単純に老化なのかもしれない。)

自分で考えた最終目的は、「自分で決められるようになること。自分を好きになること」。
極力早く達成したいが、どれくらいかかるか分からない。



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