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されどマスク


手持ちの日本手ぬぐいを表生地にして、マスクを手縫いしています。

豆絞りや、烏天狗、唐傘小僧に猫又などの妖怪柄。

息がしやすく肌触りも良い。


やっと最近、”ゴム”が手に入るようになってきたので

マスクに使うためのゴムを通販で頼んだんです。

今まではTシャツ生地やタイツを使ってしのいでいて。


届いたゴムは、

赤白帽や幼稚園の制帽に使うような感じで

マスクとして使うには、強すぎで太すぎ!!


でもよく考えたら、

つい最近まで、政府も病院各位も保健省でさえも

”マスクの効果は無し。非科学的。

正しくつけなかったら、かえって感染の危険を増やす”

と、堂々と謳ってきたアメリカなのだから

”マスク用ゴム” が出回ってるわけないのでした。


そこで、あ〜でもない、こ〜でもない。。

強力なゴムをデリケートな手ぬぐいマスクに合わせていたんだけど。


デリカシーのない、自己主張の強すぎるゴムに悪戦苦闘してるうちに

私の中で何かが、ブチっと切れた。


それは、堪忍の尾だ。


マスクが、風邪をはじめとする感染症対策になること。

この社会通念が全くなかったことで

マスクしていると逆にシリアスな病気だと思われること

マスクはおまじないの類だと言われること、


この16年間、それを受けてきて

予防できたはずの風邪にかかり悪化したこともある。


コロナ上陸がどうやら秒読み段階になってきた時、

なぜ、効果ないのにマスクを日本人はつけてるのか?

何度か質問受けた。

あまり言いたくないが、嫌な目にもあった。


それが今では、マスクが常識になっている。

どころか、マスク着用なしでは公共の場は出入り禁止だ。


そういう、ひとつひとつはとても小さなことでも

積み重なって磨耗して、ついに、

目の前の強力黒ゴムの山を見ていたら

私の中のゴムもブチッと切れた。


で、やっと気がついたんだ。

なんで私はマスクを、愛着のある日本手ぬぐいで作りたいのか?


マスクの有効性が証明されたことは

大国の植民地だった小さな島が独立を宣言するような

晴れやかで誇らしくて報われた気分なのだ。

だから、独立記念のお祝いに、

私は使い心地の良い日本手ぬぐいを

手間暇かけて手縫いでマスクに変えていき

それをつけて外をパレードしてるんだ。


もう誰ひとり、

効果ないのになんでマスクしてるの?

マスクしてるってことは、君はビョーキなんだね。

などと思ったりしない。

自分がそう言ってたことすらきっと覚えてないだろう。


それでいいと思う。


そんな人々の思いや言動とは無関係のところで、

私は密かに、しかし高らかに

愛着のある手拭いマスクで独立宣言をする。

そして

青空のもとを

日の当たる大通りを歩くんだ。











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