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タガメの保護活動

深夜4時から執筆開始、原直希です。


今回大学の卒業制作として
「タガメに関するサイト制作」
をこちらのnoteを利用し
進めていたわけではありますが、
最後の最後、口述試験で

「タガメに対する配慮が足りない!!」※要約

と教授からご指摘されてしまいました。
確かにこれではタガメのメスにモテないかも
しれんと考え、この記事ではタガメが
デリケートな種であること、そして
タガメが数を減らしている現状に対して
どのような取り組みが行われているかを
伝えていけたらな思います^_^



タガメが数を減らしている理由

タガメが数を減らしてしまった理由を
探るべく、今回改めてネットで調査。
やはり大きな理由として挙げられるのは

農薬と開発

と言えるでしょう。

理由その1.農薬


昔は地方だけでなく全国の田んぼや
池などでごく普通に見ることができた
タガメ。←信じられない^_^

調べると1980年ごろから農薬が
田んぼで使われ始め、そこから
一気に数を減らし始め、いまに至るそう。
タガメを対象に行われた農薬の影響を
測る研究も行われており、タガメが
農薬に対してものすごく弱いことが
数値として出ています。

http://jppa.or.jp/archive/pdf/55_03_14.pdf   ←埋め込めなかったので興味がある方はコピペしてみてみてください🙇

直接的に農薬に触れるだけでなく、
水流によって農薬を含んだ
水が運ばれてきてしまった場合や
農薬を吸収した生き物を餌として
捕食してしまった場合にも死亡
してしまうそう。農薬耐性はほぼ無いと
いっても過言でなさそうです。

実際に採集に行った際
タガメがいそうな田園風景が
広がる環境でも、農薬を使っている
田んぼには水生昆虫がまったく確認
できなかったのを覚えています。
生命力が強い害虫を殺虫するために
作られた農薬を使っている環境では、
タガメは生き残ることはできません。
農薬を使用することで生産効率があがる
ことはすごくいいことですが、それによる
タガメをはじめとする水生昆虫への
影響を考えると、複雑な心境ですね😢

理由その2.開発

多くの絶滅危惧種となってしまった生物の
大半が、この理由でその数を減らしたと言えるでしょう。タガメももちろんその中に含まれます。

タガメの場合は主な生息環境である
水田などが近年で減ってしまったこと、
コンクリートなどの埋め立てや舗装で
環境が変化したことが挙げられるます。


流れの緩やかな水辺環境を好むタガメ。
タガメにとってすごく住みやすそうな
環境でも用水路などが三面コンクリート化
している場所だと、いないことが
多いみたいです。
池沼などは埋め立てによって数を減らして
おり、環境を変えたタガメが結果的に農薬に
晒されてしまう。。なんてことも
考えられそうですよね。

実際に採集に行った時も、
放棄され雑草が増えて
水が乾いてしまっている田んぼや
大きな範囲のゴルフ場開発された土地を
見かけます。もともとタガメが多く生息して
いたんだろうなと考えさせられる環境を
実際に出向くとよく見かけます。

農薬と同じでその環境に生息する生き物との
共生を考えた施策でないと、タガメのように
変化に弱い生き物はすぐに数を減らして
しまうようです、、、、

このまま数を減らしてしまうのでしょうか。。

そんなネガティブな考えから少しでも
前向きになれるタガメの保全活動を
次の項目で紹介します!


タガメの保護・保全活動

先ほど言った通り、数を減らして
絶滅危惧種に指定されているタガメ。
そんなタガメの保護・保全を目的とした
様々な活動や取り組みが行われているので
紹介させていただきます。

兵庫県姫路市の取り組み

こちらは兵庫県淡路市の姫路市伊勢自然の里・環境学習センター内のタガメビオトープ、
じゃぶじゃぶ池を中心に周辺地域にタガメを定着させることを目標にボランティア団体の方々が設立した活動です!
施設化したことにより小学生の環境学習授業で
利用されるようにもなっていて、
その数
2020年時点で38校!!!

多くの子供達がタガメの存在やその環境や
自然に触れ合うことができる施設となって
いるそうです!!
確認できたタガメにマーキングも行っており、
毎年タガメの個体数を計っていて2011年以降は繁殖数が80匹を超えるそう!!

タガメ保全・保護として一番理想的ですよね✨
個人的に多くの小学生や周辺地域の人達に
タガメの存在や自然環境の大切さが体験を通して知れ渡ることで共生といった点でも理解や学びが深まるのではないかなと考えました!
小学生の時にタガメに会えるだなんて、
姫路市の小学生達が羨ましい限りです🧐

熊本県球磨郡の保全活動

お次は熊本県の球磨郡の球磨湿地研究会の活動を紹介します!
こちらの活動ではタガメの個体数の回復だけでなく、その生息環境の多面的な機能の向上も目指しているそうです!!

https://www.jstage.jst.go.jp/article/pronatura/29/0/29_316/_pdf/-char/ja
↑こちらが活動や研究の詳細になります

元々タガメが生息していた耕作放棄地を中心に
タガメが住みやすい環境を作り、なんと一部では稲作を開始したらしいです!
タガメにとって良い生息地を作るだけでなく、
もともと行われていた耕作まで復活させてしまうのは、活動の理念が実現されており素晴らしいな感じました!

地域とも連携しており、地元の高校生達や大学生も活動に参加しているそう!
地域復活のためにたくさんの方々が動いているのはとても凄いことですよね✨

タガメの数も回復傾向にあり、同じ熊本県内では去年嬉しいニュースがありました!

https://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/guidance/kouhou/press/pdf/393file1_20231208150713.pdfより引用

地域の大学の教授からなる研究グループが熊本県南部に新たなタガメの自然集団を発見したらしいです!
DNAを調査した結果、保全によって形成された
グループではなく、元々生き残っていたグループだということが判明したそう。。

熊本県を中心に九州のタガメ個体数回復は
とても順調と言えそうです!


おわりに

いかがだったでしょうか。
1980年ごろから著しくその数を減少
させてきたタガメですが、いろいろな地域
でその保全・保護や研究が進められて
います!!それぞれの場所で数が上昇傾向に
あるのがとても嬉しいですよね!!
このまま活動が継続的に進められていくのを
応援し、全国的に同じような取り組みが
始まることを切に願っております!!📣📣

またタガメだけでなく、絶滅危惧種に
もっと関心を持ってもらい、数を減らす
生き物が少しでもいなくなる世の中を
目指していきたいですね!!
自分自身少しでも力になるような取り組みを
個人的に行えたらなと考えています!

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