カープダイアリー第8541話「雪が舞うマスカットスタジアムで冷え込むマウンドになったのは…」(2024年3月2日)

倉敷マスカットスタジアムは午後1時の試合開始前から時折、小雪が舞っていた。先発は初の開幕投手に抜擢された九里。外野でキャッチボールするその手はかじかんだ。

「先発としてやらしてもらっている以上、目指していたところではありますし、よりいっそう、しっかりやらないといけない…」

底冷えするマウンドでも、熱い思いは変わらない。4回1安打2四球5三振。球数は要したが相手のバットに何度も空を切らせた。キャンプで取り組んだスプリットチェンジなど、落ちる球の有効性は確認できたはずだ。

60球目を投げ終えた11番がベンチも戻りお役御免となった頃、北方面から流れてくる雪雲が速いスピードで広がり始めた。空いっぱいを覆い始めた。

五回の攻撃は五番に組み込まれた田村俊介から。楽天先発の荘司から技ありの右前打を放って冷え込むスタンドもヒートアップしたが、菊池は遊飛、中村健人は三ゴロ併殺打に終わった。

互いに無得点で迎えた五回、二番手の滝田一希が投球練習を始めると突如、スタジアムは吹雪に見舞われ数メートル先も見えなくなった。

場内アナウンスで試合は中断したが、わずか6分で試合再開。対外試合3試合目のルーキー左腕は内野安打と送りバントによる一死二塁を無事、乗り切った。粋な演出…どうやら倉敷にも野球の神様がいるようだ。

六回、三番手は益田。上位打線をわずか6球で片付けると1点リードとなった七回も1安打されたものの11球で終了。ところが八回、先頭の入江から文句なし!の見逃し三振を奪ったあと、内野安打2本を含む5連打を許して3失点。さらに四球を与えて交代を告げられた。

2月23日、北谷での中日戦に先発した益田は3回無安打ピッチングを披露した。球数も37。早いカウントからゾーンで勝負!それが持ち味になっていた。

八回にはそれが裏目に出た。右左関係なしにコンタクトされた。七回からマスクをかぶった高木も含めて、コーチ陣と反省会だろう。

打線では一番に入った宇草が中飛、空振り三振、三邪飛のあと九回の第4打席でピッチャー強襲ヒット。しかも打った相手は今季から抑えに回る則本だった。続く林も初球151キロを捉えたかに見えたが大きなライトフライ。代打坂倉は空振り三振、堂林は見逃し三振でゲームセットとなった。

スタメンと交代選手
レフト宇草
サード マット・レイノルズ→5回裏から林
DH秋山→9回代打坂倉
ファースト ジェイク・シャイナー→4回裏から堂林
ライト田村俊介→8回裏から久保修
セカンド菊池→5回裏から小園
ライト中村健人→8回代走矢野
ショート韮澤
キャッチャー石原貴規→7回裏から高木


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