カープダイアリー第8328話「秘打!炸裂…からの高津vs新井、持ち駒打ち合い、結果はマツダスタジアム7連笑」(2023年7月25日)

高校野球広島大会。あす26日、尾道市のぶんちゃんしまなみ球場で広陵-呉港、広島商-新庄の準決勝がある。

新井監督と高津監督の母校、広島工は3回戦で敗退した。高津監督は1986年、春夏の甲子園を控えメンバーながら踏んだ。新井監督は主将としてチームを率いたが夢は叶わなかった。

ふたりはともに高校野球マンガの金字塔「ドカベン」世代。新井監督の入団1年目、旧広島市民球場一塁側ベンチに置かれたホワイトボードの練習メニューには新井監督のところに「岩鬼」と書かれていた。

両監督が高校時代に汗と泥に塗れた旧広島市民球場はもうない。一方、この時期マツダスタジアムに足を踏み入れたなら、やはり当時のことを思い出したりもするだろう。

ともに高校卒業後に上京して大学野球で腕を磨きそしてプロの世界へ。月日はあっと言う間に過ぎていく。

だが、変わらないものもある。高津監督の目に今のカープベンチはどう映っているのか?多士済々のキャラクターが縦横無尽に駆け回る水島新司ワールド…そこは高校野球を彷彿とさせる劇熱空間…???

佐々岡カープを相手にした時の高津ヤクルトはマツダスタジアムで圧倒的な強さを誇っていた。

2021年 9勝1敗1分け
2022年 8勝3敗1分け

それが新井監督になった途端に一変した。今季6戦全敗で迎えたこの日の第7戦。ボール先行でリズムの悪い九里を捉えて二回、中村の犠飛で先制すると三回にも一番並木以下3連打で加点。その裏、1点を返されても五回、相手の守りのミスに乗じて3対1とした。

だが明訓高校に負けない熱量のカープベンチにすれば、この展開は典型的な逆転勝ちストーリー。三回にはマット、四回には秋山に美技が出てリードされても射程内…

反撃開始のノロシを挙げたのは五番坂倉。六回、一死無走者の場面で三塁線に殿馬顔負けの絶妙セーフティバント。コロコロと転がる打球は三塁線に沿って進み、見送るサード村上をあざ笑うかのように三塁ベースにコツンと当たって止まった。

坂倉は秘打「G線上のアリア」を知っているのか!?

ここで最初に動いたのは高津監督。球数97のピーターズから大西にスイッチ。しかしマットはその初球を叩いてレフト前ヒット!

マットとピーターズの相性は散々で前の打席まで6タコ4三振1四球だったのだが…

続く小園は力強く引っ張ってライト前タイムリー。末包の代打松山の二ゴロで二死一、三塁となったところで、新井監督のこの日の勝負手は「代打野間」。結果はセンター前同点タイムリー。この日のスタメン一番は“天からの声”により中村奨成。ベンチスタートの野間は「いつでも行けるように」とその感覚を研ぎ澄ましていた。

スタンドと一塁ベンチのお祭り騒ぎがシンクロする風景をこの時、高津監督はどんな思いで見つめていたか…

こうなってくると、得意の“カウンター攻撃”は一気呵成に…。続く七回にはヤクルト4人目の石山に襲い掛かり、マットのセンターフェン直2点二塁打と小園の右中間三塁打で6対3。八回の島内、九回の矢崎が3人ずつで片付けて、チーム8連勝でリーグ最速50勝に達したのである。

試合後の新井監督

新井監督 先制されて追いかける展開になったんですけども、みんな粘り強くやってくれたと思います。きょうもウチらしい、全員で勝ち取った勝利だと思います。

-デビットソンが勝ち越し打。

新井監督 いいタイムリーヒットでしたし、私だけじゃなくてベンチ全員が嬉しそうでしたね。彼が日々、ほんとにがんばっているから、みんながあれだけ喜ぶんだと思いますね。

-投手陣も守りも。

新井監督 九里もね、オールスターから中4日、本調子ではなかったと思うんですけどいつも通り、しっかり粘ってナイスピッチングだったと思います。みんなほんと球際を攻めてね、球際に強いなあと、素晴らしいプレーがたくさんありました。

-残り55試合。

新井監督 ぷぷぷ…(と何度も苦笑しつつ…)残り55試合…はははぁ…いや大丈夫です!残り55試合ありますけども、一戦一戦いつも通り、うちらしく全員で戦っていきたいと思います。


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