カープダイアリー第8491話「NPB1565安打の秋山翔吾vs8安打の田村俊介」(2024年12日)

秋山が、静岡県下田市で“開催”している自主トレを放送メディアなどに公開した。

「こういうところもあります、というのを知ってもらえたら。自分たちのため7割、下田のため2割、メディアのため1割ぐらいです」

横須賀盛り上げ大使を拝命している秋山は“宣伝”することの意味をよく理解している。自分たちの存在や行動が地域に及ぼす影響も強く意識する。下田の町にも、長年お世話になってきた。

例年通りの大所帯。阪神板山、日本ハム五十幡、独立リーグ選手たちもいる。そして宇草、中村健人。4月には36歳になる。大勢の後輩たちとともに、きつい練習に立ち向かう。

多くの時間を下半身強化に割くから、ひとりでやるよりみんなでやる方がいい。午前中の練習はおよそ4時間でその半分は下半身をいじめる打撃練習だ。

みんなのため、を思っての練習メニューは、もちろん自分のためでもある。
 
クライマックス・シリーズ、ファイナルステージで阪神に3連敗したあと、新井監督や藤井ヘッドの勧めもあって右膝外側の半月板を部分除去する手術に踏み切った。そこから2カ月余り。リハビリに努めた結果、患部は順調な回復を見せている。
 
「2月1日に間に合わせなくていい」と新井監督には言われているが、内心穏やかではない。「フルイニング出場」をテーマに臨んだ昨季が115試合打率2割7分4厘、4本塁打、38打点の低調な数字に終わったからだ。
 
メジャー挑戦の前年、2019年までは5年連続フルイニング出場の快記録で西武打線を引っ張った。“出て当り前”の立場ではなくなった今、もう一度「フル出場」に挑む。膝にメスを入れたのもそのためだ。2000本に到達しようと思えば3年かかる。あと435本…
 
広島移住2年目の昨季は開幕から三番に固定され安打を量産した。しかし夏場にさしかかると、真っすぐを仕留めることができなくなった。相手に研究され右膝にも違和感…無理を重ねたことで8月には右ふくらはぎ肉離れを発症して離脱となった。
 
「ケガしてチームから離れるっていうことは、こういうことだなと思いました」
 
テレビの画面越しに見る外野陣の顔ぶれが気になった。末包が豪快な一発をスタンドに叩き込んでいたりもした。
 
口には出さないが、おそらく最も警戒するのはキャラが重なる田村俊介だろう。60という大きな番号を背負う3年目は侮れない。首脳陣からも「田村がどれぐらい試合に出ることができるか…」とチームの次世代外野陣の一番手にその名前が挙がっている。
 
「正面きって若い奴らと戦っていきたい」
 
チーム内野手陣では実績ナンバーワンのスラッガーの闘争心が燃え盛る。新井監督は「若手、中堅、ベテランのバランス」を大事にしながらも「若手の出番が増えるだろう」とも言っている。
 
この勝負、どうなるか?3年契約3年目の秋山のバットはどれだけの安打を放ち、どれだけ塁に出ることがきるだろうか?

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