カープダイアリー第8379話「バンテリンドームナゴヤ延長十一回サヨナラ負けから中1日でDeNAとのマツダスタジアム決戦へ」(2023年9月18日)

試合開始から4時間半が経過しようとしていた。この日7人目の大道はイニング跨ぎとなった延長十一回、3者連続四球で無死満塁のピンチを招いた。3連休最終日。3日連続で3万6000人を超えるファンで埋まったスタンドの盛り上がりは最高潮に…。そしてサヨナラの打球が、懸命に飛び込むセカンド矢野のグラブの先を抜けて行った。

バンテリンドームナゴヤでの今季ラストゲーム。試合後、カープファンに挨拶してベンチ裏へと向かう。ナインの先頭を行く新井監督は、角度によっては少し頬がこけているように見えた。

優勝を逃したあとも、いやそうだからこそ、様々な重圧がのしかかってくる。シーズン大詰めに組まれた7連戦の最終日、開幕から136試合目。6試合連続1得点の6連敗から数えれば、10試合で3勝7敗と急ブレーキがかかった。
 
 
広島 000 000 601 00 ・7
中日 020 103 001 01x・8
 
試合の主導権を失いかけながらも、あとワンアウトで勝利!ということにまでは持っていけた。目指しているスタイルは貫けた。
 
先発の森がさっぱりで、一方打線は二刀流・根尾の前にゼロ6つ。ドラゴンズファンの期待を一身に背負い、今季初の一軍マウンドに上がった右腕は予想以上に手強かった。
 
七回、中日内野陣のミスに乗じてやっと根尾から1点を奪うと、立浪監督の必死の継投策をモノともせずに試合を一気に振り出しに戻した。
 
6対6同点で迎えた九回には堂林の内野安打で勝ち越しに成功。その裏の栗林はわずか4球でツーアウトを奪ったあと、ビシエドに投じた初球をカープファンで埋まる左翼越えへと運ばれた。
 
バンテリンドームナゴヤでは何が起こるか分からない。
 
前回も8月11日からの週末3連戦で△3-3、●2-3、●1-2だった。延長12回引き分けの後、森下で2戦目を落とし、3戦目は柳の前に九回までノーヒット。延長十回に堂林がR・マルティネスから勝ち越しソロを放ち、その裏の矢崎が石川昂、宇佐見に連弾を浴びせられた。

8・6ピースナイターを起点に始まった連敗はこの時、新井監督ワーストの6まで伸びたのである。
 
ヒーローインタビューのカリステは「こうして活躍できるのはみなさんのおかげ、神のおかげです!」と上機嫌だった。
 
その打撃に屈した側は、しかし「“神も佛ない」とあきらめる訳にはいかない。六回にも二死満塁でカリステにライトフェンス直撃の3点打を許した。この時は初球ストレートを狙われた。九回のビシエドもやはり初球は内角への真っ直ぐだった。配球面では課題あり、だろう。
 
トータル189球をリードした坂倉は、最後に迎えた絶体絶命のピンチでボールカウント2-1から内角にミットを構えたが、逆球になって捉えられた。
 
打たれた大道はしかしこの先も前を見据えるだけ。ルーキーイヤーの一昨年は24試合、昨季はわずか3試合しか投げていないが今季はこの日が46試合目となった。

肩回りの筋肉がよく発達して体全体の輪郭も頼もしくなった右腕は、阪神戦9度の登板で防御率0点台という“切り札”だ。18試合ぶり失点の栗林もクライマックス・シリーズの守護神であることに変わりはない。
 
ところで甲子園のDeNAが1対1の延長十回に2点を奪い3対2で阪神を振り切ったため、2位3位のゲーム差は2に縮まった。2日後にはマツダスタジアムでDeNAとの今季最終戦がある。DeNAは3試合多い10試合を残しており、この直接対決を落とすと2位の座が危うくなる。
 
三浦監督は、メジャーリーグスカウト陣注目の今永をまたぶつけてくるだろう。左腕から初球先頭打者ホームランの菊池や龍馬、野間らを欠いたままの新井監督ら首脳陣はどんな手を用意するだろうか…


カープの残り試合 
巨人戦の東京ドーム以外マツダスタジアム     
20日(水)DeNA
23日(土)巨人
24日(日)ヤクルト
26日(火)中日
29日(金)中日
30日(土)阪神
10月1日(日)阪神
 
DeNAの残り試合
20日と30日、10月4日以外は横浜スタジアム
20日(水)広島
22日(金)中日
23日(土)中日
24日(日)巨人
25日(月)巨人
26日(火)巨人
27日(水)ヤクルト
29日(金)阪神
30日(土)ヤクルト
10月4日(水)巨人
 

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