カープダイアリー第8591話「スイング軌道修正、2年ぶりの一撃からのリスタート!」(2024年4月20日)

強烈な一撃だった。今季チーム5本目のホームラン。田中広輔、坂倉が2発、そして石原貴規。その誰よりも力強い打球がライトスタンドに飛び込んだ。打った宇草は感情をあまり表に出さずホームを踏み、そしてベンチ前では笑顔になった。

試合は初回に巨人先発・井上を攻め4点を奪ってから主導権は握っていた。

井上は二軍で揉まれ、やっと4月になって一軍で中継ぎをこなし、この日を迎えた。だからどうしても立ち上がりは“よそ行き”になる。

菊池、堂林の二番、四番のヒットで二死一、二塁となって小園のピッチャー返しを井上が弾いた。スリーアウトと満塁とでは大きな違いだ。さらに上本のピッチャーライナーも弾いて1点目。直後に曾澤が走者一掃の二塁打をぶちかました。

井上は二回から四回までパーフェクトピッチングで交代した。野球とはそんなもんだろう。

今季2度めの先発となった森下は毎回のように走者を出しながらよく粘った。しかし七回に3安打に暴投も絡み105球で塹江の救援を仰いだ。

その裏、塹江の代打で出番が回ってきたのが宇草だった。4月9日に一軍に呼ばれ、その後は…

4月10日甲子園球場・阪神2回戦…九回代打、ファウルで粘るも岡留の148キロ高目を空振り三振

4月12日東京ドーム・巨人1回戦…八番レフトでスタメン出場、空振り三振・空振り三振、遊ゴロで交代

4月16日マツダスタジアム・DeNA4回戦…七回代打で松本凌から2年ぶりのヒット

4月17日マツダスタジアム・DeNA5回戦…六回代打で上茶谷から左前打

4月19日マツダスタジアム・巨人4回戦…八回代走のみ

…と“実績”を積んできた。

「スイング軌道が良くなった」(首脳陣)という話はメディアの間に広まっていたが、その評価に違わぬ大アーチになった。6対2、スコア的には快勝だった。
 
試合後は久しぶりに同級生コンビでお立ち台に上がった。
 
12安打されても今季1勝目を手にした森下は、控え目トークに終始した。2年ぶりの柵越えとなった宇草もそれに足並みをそろえた。
 
「ほんと、今年ダメだったら終わりだと思って、オフから臨んでいるので、何とか戦力になれるようにがんばっていこうと思います」「自分はあしたがない立場なのでほんと、一日一日全力でがんばっていこうと思います」
 
新井監督のコメント
(試合展開上)大きかったですねぇ。その前も代打でヒットが出てますし3打席連続ですかね?ほんとに大きなホームランだったし、彼の今年にかける意気込みをすごく感じました。
 

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