カープダイアリー第8415話「イエスマン体制綻びの中国を初の侍ジャパン選出の坂倉vs中村奨成に重ねる」(2023年10月24日)

「優勝は当然なんですけど、選手がね経験するっていうことが一番大事かなと思います」


都内ホテルであった侍ジャパン代表メンバー発表の席で、井端弘和監督がその思いを口にした。投手12人、捕手3人、内野手6人、外野手5人。すでに報じられてきたように小園とオーバーエイジ枠の坂倉が初めて日の丸ユニホームに袖を通すことになった。


「プロで初めて選ばれたのでいい経験ができると思う。積極的にいくのが持ち味なので、そこは忘れずやっていく」(小園)


「野球人生で初めての日本代表なので緊張するとは思うががむしゃらにがんばる。いろいろな選手と積極的にコミュニケーションをとって、この経験で成長できるようにしたい」(坂倉)


W杯優勝のあとを受け重責を担う指揮官は、坂倉の選出について予想以上の言葉を口にした。


「打てるキャッチャーではね、数少ないひとりかなと思います。今後長く代表を務めるキャッチャーになって欲しいなというところで、主力としてしか考えていないです」


投手では西武・佐藤隼輔、ヤクルト・田口麗斗(オーバーエイジ枠)、CSでカープ打線の前に立ちはだかった阪神・桐敷拓馬、内野手でもCSで対戦したDeNA牧秀悟、阪神・佐藤輝明、同じく森下翔太らがメンバーに名を連ねる。確かにこれだけのメンバーとともにグラウンドに立つだけでも貴重な時間になる。


相手はオーストラリア、台湾、韓国。11月上旬に宮崎市内でキャンプを行い、11月16日から東京ドームである「カーネクストアジアプロ野球チャンピオンシップ2023」に臨む。


その坂倉と対極の位置で、もはやプロ野球人生の曲がり角に立つのが中村奨成だ。


坂倉は2016年のドラフト4位。それなのにカープ球団、イコール松田元オーナーは2017年のドラフト1位で中村奨成を指名した。



夏の甲子園5ホーマーの「清原越え」で話題を独占、その人気、その素質に惚れ込んだのだろが、坂倉将吾との重複についての見通しが、今となっては甘かったことになる。球団に確固たる地位のゼネラルマネージャーがいたなら、普通なそんな選択はしないだろう。


2018年以降のふたりの数字は…


2018年
坂倉、9試合8打数1安打0本塁打、打率・125
中村奨成、二軍戦のみ

2019年
坂倉、51試合61打数14安打1本塁打、打率・230
中村奨成、二軍戦のみ

2020年
坂倉、81試合209打数60安打3本塁打、打率287
中村奨成、4試合4打数0安打、打率・000

2021年
坂倉、132試合422打数133安打12本塁打、打率・315
中村奨、39試合59打数15安打2本塁打、打率・283

2022年
坂倉、143試合539打数155安打16本塁打、打率・288
中村奨成、27試合57打数11安打0本塁打、打率・193


緒方孝市監督最終年の2019年、もしくは佐々岡真司監督1年目の2020年に、差を詰めていればもっと別の展開があったかもしれない。


そして坂倉とのガチンコ勝負で大差をつけられた中村奨成は2022年10月、文春砲をまともに浴びる。 


とんでもない見出しの記事をすっぱ抜かれたのである。


「おろすしかないじゃん」 広島カープドラ1・中村奨成がSNSナンパで“中絶トラブル”」


それでもカープ球団は、まるで何もなかったかのように振舞い、決して本人へのペナルティや今後の方針などについて明らかにしなかった。正に松田元オーナー体制の下での常套手段。だが、不都合な真実の隠蔽は火種を消さないため、また必ず燃え上がる。


宮崎県内で開催されているフェニックス・リーグ。中村奨成は10月16日まで全5試合に出場していたのに17日に天福球場であった巨人戦から忽然とその姿を消した。その日はベンチ入りメンバーの中に名前があったのに、だ。


その2日後の19日、また文春砲が赤ヘルを狙い打ちした。チームが懸命にクライマックス・シリーズ、ファイナルステージを戦っている最中に、だ。


「<不倫キス動画入手>広島ドラ1“甲子園スーパースター”中村奨成(24)が引き起こした500万円不倫トラブル<1年ぶり2回目のスキャンダル>」


それでもなおカープ球団は知らぬ、存ぜぬ、を通している。ここまで来たらもう喜劇だろう。


そうこうしているうちにドラフト会議を2日後に控えたこの日、今度はデイリー新潮からも火の手が上がった。


ヘッドラインは…


「DeNA時期監督候補がCS中に敵味方のヒンシュクを買った行動とは?石井琢朗コーチ(53)と広島の独裁オーナーの“密会”疑惑に波紋」


これで話はすべてつながる。「独裁オーナー」の一存で決めたことが最悪の結果を招くケースが多々ある。それはイエスマンを蔓延らせ、異例の3期目に突入した途端に重要閣僚が次々に解任されたり、軍の幹部らが次々に不審死を遂げている習近平の姿にまんま、オーバーラップするのである。

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